窓から月明かりが差し込む。ヴァイスは座ったまま、藁の上で寝るデニムを見た。
いつの頃からだろうかと思う。彼と比較される度に苛立つ自分に気がついたのは。
ヴァイスがまたよそ者を
半殺しにしたそうだ…
プランシー神父の息子がそばにいたから
大事には至らなかったようだが
彼がいなかったら本当に……
デニムはあんなに立派なのに
どうしてヴァイスなんかと…
全く……
それでも子供の頃は上手くやっていけたのに
ヴァイス
もう弟と付き合わないで…
あなたのせいでデニムの評判まで悪くなるわ!
けっ、悪かったな
ブス
ゴリアテの狭い世界では気にすることでもなかったのに…
戦いの中に身を置くようになってから、知り合った人間全てが自分とデニムを比較する気がした。
ヴァイスは立ち上がりデニムのところにゆっくり近づいていき、まじまじと親友の寝顔を見た。女性的ではないが優しげな顔立ちだ。
腕を組んだままじっと見てると憎たらしい女の顔が浮かんだ。
「ちっ…!」
そうして元のところに戻るとどかっと腰をおろして目をつぶった。