阿蘇のスミレは菫色

津和野の古刹のおみくじ箱に「百円玉を三回入れてください」と書いてありました。何となく不自然な書き方に引っ掛かって、何故こんな書き方をするのかしら、三百円ですと書いておけばいいのにと思いましたが、考えてみると親切なんですね。
自販機のようにお釣りは出ませんから、やっぱり百円玉を三回入れなきゃなりません。考える程のこともなかったのです。(^_^;)

ちょっと貧相な我が家のスミレ(^_^;)
スミレの花は「春の使者」の呼び名に相応しい可憐な花です。うつむき加減の慎ましい姿が好まれているのは、洋の東西を問わず憧れの女性の面影を見るからでしょうか。

 ふるさとの野べ見にくれば昔わが
    妹(いも)とすみれの花咲きにけり
                 -賀茂真淵-

西洋の詩歌に詠われている花はニオイスミレが多いようですが、日本スミレはさほどの芳香は持ちませんが、キリッと身だしなみ良く咲いていて「カッコイイ」のです。以前、朝食後の散歩に出た阿蘇の高森町で、車道と歩道との段差の角にたまった土埃に根を張って、野生のスミレの花が、歩いても歩いてもどこまでも1列に並んで咲いていました。車が巻き起こす風で吹き寄せられた種から咲いたのでしょう、晩春の朝日を浴びて、あんなに綺麗な菫色を15年ほど経った今もまだ見たことがありません。我が家では同じ品種のスミレでもその年々の気候や肥料の加減など、環境によって僅かに違った色や形に咲きます。はっきりと見分けがつく特徴がない限り、どの品種か判らなくなります。葉がハート型の薄紫のタチツボスミレだけは日陰でもどんどん新しく増えていくので放っておいても心配はなさそうです。      

05. 2. 25


礼文島のクロユリ

今日、簡易温室の中のテラコッタをふと覗いたら、赤い芽らしきものが出ていてビックリしました。今月初めの吹雪の日、棚から落ちた幾つかの鉢が中身をぶちまけて散らばっていた中に、2つほど白い芽を見つけたのですが、あまりの寒さと強風に震
えあがって、芽を鉢に戻すと散らばった土を両手で掬って上から被せて取り敢えず元に戻したものの、土が1/3程少なくなったままでした。その球根に芽が出ていたのです。

昨年の7月、礼文島でクロユリの球根が2つで800円ほどだったので記念にと買ったのですが、Web検索で調べたら、なかなか育てにくい高山植物の種類に属していて、10年間は花が咲かないとか、「お店で売っている高山植物の苗や球根は絶対に買わないで下さい」と、買うことは盗掘を促進する共犯行為みたいなことが書いてあったので、なんだか悪いことをしたような気持ちと同時に、どうせ咲かないだろうからと諦めていたのでした。

小さな鉢に植えているのは、株が少なくて採種したい苗や球根を増やしたい品種なので、全部簡易温室に入れて置いたのですが、クロユリは北国の高山に咲くのでそのまま路地に出しておいても良かったのに、十把一絡げに温室に入れっ放しだったので早く芽が出てしまったのでしょう。どうしたものかと慌てて調べてみると、一般の高山植物の育て方ができる園芸種のクロユリかもしれないので、1株づつ 3鉢に分けて、それぞれ違った育て方をしてみようと思います。どれか1株でも生き残ればラッキーです。
命あるものは時期が来ると確実に芽吹くのですね。春の訪れを今か今かと心待ちにする雪深い北国に住む人達の気持ちが本当に良く判ります。

05. 2. 20


手がかかる熱帯魚

インフルエンザの集団発生がローカルニュースで流れています。昨年はワクチン接種をしたにもかかわらず、本当にインフルエンザの症状の恐ろしさを思い知らされました。今年こそは絶対寝込まない様にと、極力、人ごみへの外出は控え、トイレのタオルはフェイスタオルの大きさに切って常時 50枚程用意して、使い捨てと同じように用い、洗濯のとき一緒に洗うようにしています。今まで2人が同時に腸風邪をひくと、お互いが「相手から移った」と思っていましたが、今年は今の処、そういうことがありません。
グローライト・テトラ

でもこのやり方に慣れてくると必要以上に潔癖症になって、これがエスカレートして何事にも神経質になっていくきらいがあります。暖かくなるとそういうピリピリした気持ちも和らぐのではと春が待ち遠しいのですが。

熱帯魚の水槽に蛍光灯を付けると、小さなお魚達は妖しいほど美しく照らし出され、コッピーでさえ複雑な色に輝いて、小さな瓶の中にいたときより、のびのび泳ぎ回っています。グローライト・テトラは体長がやや大きく、泳ぎ方もゆったりと王者の風格で、透き通った体に薄いピンクのラインが上品な雰囲気を漂わせています。とうとうアネモネに似た葉の水草は4本とも丸坊主になり消えてしまいました。餌が少ないのかと日に2回与えると、なんだか底砂の上に苔が日増しに広がって行くので、また1回に戻しました。水換えと苔の掃除をして、[苔の発生を抑えるので1ヶ月は水換え不要]というタブレットを買ってきて入れましたが1週間後には早くも底砂に汚い苔が・・・(T_T)。

05. 2. 14


立春

大型スーパーで遠くの花屋さんの店頭に白い花が咲いている鉢を見つけました。肥後スミレでした。もうスミレの苗が売られている!と嬉しくなりました。
今日は立春。

昨年、相次いだ超大型台風でスミレの鉢は荒れ放題。その後は「暖冬」と油断していたら、突然晦日の前夜から雪が降り
コスミレサクラ?
(名札が風で飛んでしまった)
、お正月の間そのままにしていたら殆ど寒さにやられて葉が枯れていました。急いで簡易温室を組み立てて入れたら、数株は芽が出ると同時に小さな蕾を付けたのがありましたが、2月1日に特級の寒波と強風に見舞われ簡易温室ごと揺れて、棚から鉢が落ちてダメージが重なってしまいました。今はどれも病気と傷だらけで、それでも健気に咲いたのがあったので 「ご苦労様!」 と写真に撮りました。(^o^)

雪が降る頃になると、我が家の詫助椿に目白がツガイでやってきますが、今年は一度も見かけません。裏の藪は昨秋の台風で枝葉が裸にされようにスカスカになっていて、更にその向うの、鬱蒼と茂って独りでは足を踏み入れ難かった森は大木が伐り倒されてポッカリと明るくなり、自動車道路の建設工事が始まったのです。11月頃からチェーン・ソーの唸り声が響いていましたが、いつのまにか小山の半分は丸裸になり、ショベルカーが数台現れ谷が埋められ、道らしきものが出来、長い台形にどんどん伸び、暫く外出しなかったら車道も山を切り取った斜面も綺麗に舗装されていました。 こうして自動車道路ができるのか・・・と車で出かけようとして、ついスピードを緩めて眺めてしまいます。今年は 『家の中にいて鶯の初音を聴く』 という贅沢はおそらく期待できないでしょう。

05. 2. 4

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