◆尽きぬ悲しみ◆ 『夜ごと、眠っているあいだに、頭の中の奥深くでいったいどんなことが起こっているのだろう? そこでは、自分の知らないなにかしら微妙
眼覚めることがどんなに悲しいか おお それとは無縁な花々が 明るく眩しい光線の海の底で さりげなく開いている 朝の窓べの 新しい太陽のように。 ―清岡卓行「朝の悲しみ」より― 誰しも似たような思いに、直ぐには寝床から起き上がれない朝があると思います。この悲しみは何からくるのだろうと、暫く考えてしまいます。私の場合は多分、加齢に伴う健康の不安、最近起こった身の周りのストレス、直前に見た夢の残像や心の動きなど、茫漠とした捉えようのないものですが。
一瞬の不注意が取り返しのつかない大惨事を引き起こしたことに大きな怒りを覚えます。 05. 4. 27 ◆レンゲ田◆
昨夜のTVニュースでは西日本は初夏の5月、6月の陽気だったそうで、一面のレンゲ田で子供連れの家族が花を摘んでいる長閑な風景が映し出されました。レンゲを摘んで花輪を作った思い出は誰にでもあると思います。「このあとレンゲを田に鋤き込みます」というアナウンサーの言葉で思い出した事があります。 2人の子供が幼かった頃、住んでいた社宅のアパートの周りは田圃(たんぼ)が広がっていました。夏は農薬散布の臭いに慌てて窓を閉め、実りの秋は早朝から雀脅しの音に悩まされましたが、春になると赤紫の絨毯を敷き詰めた美しいレンゲ田に変身しました。或る日、隣の家の幼稚園児と一緒にレンゲ田で遊ぶ我が子の姿を遠くに見ながら、メルヘンチックな季節の幸せに浸っていたところ、
レンゲ田の持ち主から苦情を持ち込まれたというのです。肥料にするためレンゲの種を蒔いて咲かせているのだから草が潰されてしまうので子供を田に入れないでくれと言われたのだそうです。それまで田圃や野原に咲く雑草だと思っていたので、「へぇ〜、そうだったのぉ〜!」とビックリしてしまいました。今その一帯は住宅や商店が密集してその頃の面影は何処を探してもありません。 05. 4. 19 ◆高齢者になったら◆
一足お先に私が貰ったときはそれまで何ともなかったのに、それから毎月のように転倒して歩行恐怖症みたいになってしまいました。高速道を走るときは「枯葉
この仰々しい名称のカードを市営バスの運転手さんに見せると、料金はどこまで乗っても1回100円です。目的地への交通機関が少ない当地では皆がマイカーを使っているのでその有難さはイマイチ、普段すれ違うバスに殆ど乗客の影はありません。 最長距離の通常料金は約1000円。私が乗った夜の乗客6人のうち半数がこのカ−ドの利用者でした。100円硬貨が音を立てて3回続けて料金箱に落ちると、つい運転手さんの顔を見てしまいました。 05. 4. 14 ◆白木蓮◆ お彼岸が過ぎてもわが地方の桜はまだ固い蕾のままなのに、暦が変わった途端2、3週も先の陽気になってしまいました。昨日、テレビで東京の上野公園のお花見のニュースが
桜前線は北上するものと思っていた常識がこの数年狂ってしまっています。今朝やっと我が家の近くのソメイヨシノは2分咲きです。 近所の家の白木蓮の大木が青空に映えて、そこだけ ハッと目を見張る景色です。葉が出る前に一斉に咲き誇る圧倒的な純白の豪華さは見事というほかありません。お終いは茶色に変色して 1枚 1枚、花びらが枝から離れ落ちて行き、いつまでも同じ姿をとどめていないのは、日本の風土に合った花の宿命なのでしょう。暫くすると樹は青々とした大きな若葉に覆われてしまいます。 木陰に置いていたクロユリの1鉢に
05. 4. 6 |