ぐるり北海道の旅 その3

釧路を出た列車は、ゆったりとした速度で札幌へ向けて走ってゆく。特急と名乗っているのでもう少し速いかと思っていたが、山手線くらいの速度で走っている。それでも札幌には5時50分に到着するので、利用者からすれば少し早いくらいだ。「白糠」「音別」「浦幌」と停まるが、自由席に乗ってきた人はいなかったようだった。浦幌の次は「池田」に停車した。ここでも目立った乗り降りはなく、このまま途中駅からの利用はないのかと思っていると「帯広」では列車待ちの列ができていた。乗客を乗せ、1時26分に帯広を出発して、1駅先の「帯広貨物駅」に停車する。ここで運転士の交代があるようだ。「帯広貨物駅」を出ると線路が複線になっている。しかし実際は、JRの根室本線と「十勝鉄道」と言う専用線が並行しているために起こる錯覚だった。「西帯広」付近で工場が見える。この工場からの荷物を運ぶ為に「十勝鉄道」はあるようで、「大成」近くまで線路が続いていた。「大成」を過ぎるとほとんど何も見えない車窓となってしまった。
いつの間に寝てたのか、次の停車駅の「新得」でふと目が覚めた。しばらくすると、隣に釧路行きの「まりも」が到着した。列車はそれを待ってから発車した。ここから3つの信号場を通って「石勝線」に入って行くのだが、列車が出発したとたん寝てしまった。再び起きた時はどこかの信号場に停まっていた。おそらく「広内信号場」か「新狩勝信号場」だろう。まだ根室本線内にいる事は確かなようだった。しばらくすると、DF200牽引のコンテナ列車が帯広に向かって通過して行った。対向列車が通過したところでこちらも発車となった。さっき行き違いを行ったコンテナ列車のライトらしい物が、遠くをこちらに向いて下っていった。列車は札幌に向かって、上り坂を必死に登っているような感じがする。速度も上がらず、前方に見える注意信号(黄色・時速40km以下での走行)にも引っかからない。普通ならATS(自動列車停止装置)の警報音が鳴るはずなのに・・・。トンネル内にある「上落合信号場」を真っ直ぐ抜けると「石勝線」となり、右に曲がって行くと「根室本線」だ。
この石勝線は、通る列車のほとんどが特急で、楓〜新得間は普通列車の運転がまったく無い。その為、特急停車駅である新夕張〜新得間は、特急列車の自由席に限って特急券なしで利用できる。もちろん青春18きっぷでも利用可能となっている。また、駅間が長い事でも有名で、トマム〜新得間は33.8kmで、上川〜上白滝間より0.2km短いだけで、最近までは駅間距離日本一だった。
列車は、石勝線最初の駅「トマム」で貨物列車と交換(行き違い)する。列車は停車したと思ったらすぐに発車した。楓までは駅よりも信号場の方が多い区間だ。途中の信号場で停車したりしながら進んで行き、街が見えてくると占冠だった。占冠からの信号場は知っていたので、「清風山」「東オサワ」「オサワ」と確認してゆく、右側下の方には道路が通っている。こんな夜中でも車が通っていた。トンネルを抜けると楓に停車した。ここでは、DD51牽引の貨物列車と交換した。楓を出ると、途中は止まらずに追分に着いた。
追分駅
追分で降りて、停車中の「まりも」や始発前の点検中の列車の写真を撮る。待合室に行くとおじいさんが座っていた。夕張行きの列車を待っているのだと思ったが、自分の姿を見ると駅から出て行ってしまった。何だったのだろうか・・・?追分駅は石勝線と室蘭本線との乗換駅で、特急も停まるのだが、改札には人がいなかった。朝早くという事もあるのだが・・・。
ここから、始発列車の夕張行きに乗って新夕張で乗り換える。目的地は「まりも」に乗って通ってきた「楓駅」だ。
5時47分発の夕張行きはキハ40系の3両だった。しかし、前の1両だけが夕張行きとして乗車できる。あとの2両は回送だった。車輌の側面には行き先を示した「サボ」が入っていた。1両目は「千歳〜夕張」2両目は「新夕張〜楓」3両目が「千歳〜新夕張」だった。この事から新夕張で、2両目の車輌に乗り換える事が分かった。整理券を取り、列車に乗る。車内は普通のボックスシートだ。特にリニューアル等の改造は受けていない様に思えた。発車時刻が近づいても他に乗客が来る気配がなかった。それどころか運転士もまだ乗っていない。発車時刻ギリギリに運転士が来る。その後に続いて2人の運転士も乗ってくる。おそらく後ろ2両の列車の担当なのだろう。結局、運転士3人と乗客1人を乗せて追分を出発した。後ろの方では運転士2人が楽しそうに話していた。隣の駅「東追分」は通過して、「川端」「滝ノ上」「十三里」と停車。扉を開けるが、駅に乗客は1人もいなかった。新夕張に時間通り到着。ここで、後ろ2両の切り離し作業をする。自分は楓行きに乗る為、ここで乗換えなので一旦下車、駅前の写真を撮っていると、学生が次から次へと駅にやってきた。窓口はやはり無人で、隣に整理券発行機が立っていた。記念なのでもらっていく。夕張行きの列車は、学生をいっぱい乗せていた。駅員からタブレットを受け取ると出発していった。楓行きの列車に乗り込み出発時刻になるのを待つ、やはり時間になっても乗客は現れなかった。6時45分新夕張を出発した。乗客は自分1人。列車は時速40kmあたりから速度が上がらない。近郊型ディーゼルカーでは力不足なのだろうか?橋を渡り、トンネルに入る。上には「石勝線」と書いてある看板があった。トンネルを抜けると楓の場内信号が見えてくる。列車はやっと50kmまで出たというところ、警戒信号(黄色2つで表示・時速25km以下で走行)で25km以下まで速度を落とす。スノーシェルターに囲まれたポイントを渡り、「まりも」が停車したホームとは違い、行き止まりとなっている3番線に到着した。
楓駅運転士に折り返す事を伝え、荷物を車内に置いたまま降りた。夜中に通った時は点いてなかった照明が点いていた。
8分間の停車時間のうちに、駅の写真を撮りに走る。本線側にもホームがあり、こちら側から1番線・2番線となっていた。3番線には待合室はあり、中にはベンチと駅ノートが置いてあった。駅の周辺には集合住宅が建っていて、1日1本しか運転しないのが不思議な感じがする。写真を撮っていると、1人列車に乗り込んだ。発車時刻2分前に列車に乗る。その後に乗ってくる人はいなかった。7時2分に列車は出発した。乗客は自分を含んで2人だけだった。楓からの唯一の乗客と話をした。遠方から乗りに来るのも珍しくないようで、楓の住人は慣れているとの事だった。1日1本の列車では帰るのが大変ではないかと思ったが、その人から日に6往復ほどのバスが、新夕張(紅葉山と言っていたが)〜登川間を走っていると聞き、時刻表を頂いた。新夕張に着くと、窓口が開いていた。駅員が乗り降りする客に挨拶しているのは好感が持てる。しばらく時間があるので夕張へ行ってみる事にした。元々、追分から夕張方面に行くのが目的の路線で、昔は「夕張線」と言っていた。石勝線となったのは南千歳〜追分間と新夕張〜上落合信号場間が完成した時で、夕張線の新夕張〜夕張間は、石勝線の支線となった。新夕張駅も石勝線完成前は「紅葉山」という駅名で、今でも駅前に当時の駅名板が保存されている。
7時44分発の夕張行きに乗った。車内は学生でいっぱいだったが、「沼ノ沢」「南清水沢」で降りていった。「清水沢」では、昔懐かしい「腕木信号機」が活躍している。夕張支線唯一の交換駅だが、新夕張行きの列車は無く、駅員とタブレットを交換すると発車した。列車から見ていると、意外と集合住宅が多かった。関東近郊で見られる公団団地と同じような建物が多い。炭鉱で賑わっていた頃に建てられた物なのだろうか?8時15分に夕張に着いた。駅はホーム1本だけの簡単な行き止まりの駅だった。メルヘンチックな駅舎の隣には大型観光施設が建っていた。駅前には、ロータリーのような物もあったが、あまり賑わっているという感じも受けなかった。オフシーズンという事もあるとは思うが・・・。駅には同じ列車から降りてきた男性1人がいただけで、他に列車を待っている人はいなかった。列車を運転してきた運転士は待ち時間でホームの雪かきをしていた。8時30分に新夕張に向かって発車した。乗客は3人ほど、それでも「鹿ノ沢」でも乗車があった。清水沢で再びタブレットの交換をする。自分の座っている所から腕木信号機を操作するワイヤーの動きを見る事ができた。新夕張までの4駅で結構乗り降りがあり、新夕張〜楓間と違い地域の足として利用されている。楓からの車内で貰った時刻表を見ると、登川から石炭歴史村までバスが走っていて、石勝線の楓〜夕張間とほぼ同じ所を走っているようだった。8時52分に新夕張に着いた。ここから楓まで歩いて行ってみる事にした。距離としては鉄道で5kmほど、歩いていっても6kmぐらいだろうと思い1時間半後のバスを待つよりは早く着くだろうと思った。駅から楓の方に向かって歩いてゆくと、コンビニの所でY字に道が分かれていた。右に曲がって「紅楓橋」を渡り、まっすぐ道を進んでゆく。コンビニの所以外は目立った分かれ道は無く、迷うような事はなかった。しかし、紅楓橋付近には家等があったが、先に進んでゆくと辺りは林に囲まれていた。この新夕張駅から楓駅に向かう道路は帯広方面に向かう幹線道路になっているようで、大型のトラックや特急バスなどがバンバン走ってくる。速度も速く非常に怖い。「ポンクルキ橋」「楓橋」「桂橋」と渡ってゆくと石勝線の高架橋が見えてくる。高架橋をくぐる手前に「楓」の表示があった。高架橋をくぐり、右に」曲がってゆくと大きな緑色をしたスノーシェルターがあった。駅の端っこになるシェルターを見つけた所で、「スーパーおおぞら」が轟音と共に通過していった。カメラを用意している最中だったのでなんとも惜しかった。少し歩くと楓駅の入口になる。楓駅に着き、待合室に荷物を置きに行く。始発兼最終列車の7時2分新夕張行きが出た後なので待合室に鍵が掛かっていてもおかしくないのだが、ホーム側にある入口は鍵が掛かっていなかった。待合室で少し休憩する。携帯電話の時計を見ると10時20分ほぼ予想通りの時間だった。ここに新夕張からのバスが着くのは約30分後だ。列車で来たときに撮れなかった、本線ホームの写真を撮る。本線側には4・5両分くらいの長さのホームがあり、1番線と2番線をつなぐ跨線橋はない。代わりに1番線を跨いで架かっている橋に2番線に降りる階段が付いていた。1・2番線ホームの駅名板にはしっかりと「占冠」の文字が入っている。3番線は行き止まりだからか「占冠」の文字は無い。しかし、楓から占冠方面に行く列車は無く、臨時列車でも聞いた事が無い。このホームの存在の意味は何なのだろうか?写真を撮っていると、黄色いヘルメットをかぶった保線係の人が2人来た。自分の存在に気付いているのかいないのか?そのまま線路に降りて占冠方へ歩いていった。通過列車を撮ろうと思って待っていたが、列車接近の案内も無く気付いた時には目の前を通過してしまっていた。それでもバスに乗るのに荷物をカバンにしまっていると「とかち」がやってきた。待合室の中からだったが写真を撮ることができた。11時35分のバスに乗り、新夕張駅まで戻る。楓駅前から乗ったのは自分とおばあさんの2人だけ。他には乗客はいなかった。そのおばあさんも楓の中で降りてしまい、新夕張まで行ったのは自分1人だった。10分ほどで新夕張駅まで着いたが、運賃が380円だったか、JRの2倍近い金額には驚いた。新夕張駅の待合室で次の列車を確認するが、1番早い列車で13時3分の「スーパーとかち」札幌行きだった。それまで1時間ちょっと待つことになった。列車を待っていると、楓からの列車に乗っていた人と再び会った。ずーっと駅にいたと思ったらしく驚いていたが、その後の話をすると、その人も「バスは高いでしょう」と言っていた。その為、朝1本の列車を利用するのだという。13時3分発「スーパーとかち6号」で札幌に向かった。車内はほぼ満席で、指定席も喫煙席しか空いていなかったので自由席にしたが、自由席も満席だった。しょうがないので先頭車貫通路の小窓に張り付こうと考えたが、そこにも先客がいた。この人もかなりの鉄ちゃんらしく、色々な鉄道の話をしてきた。結局南千歳で降りるまで鉄道の話だった。札幌には14時に着いた。隣のホームには「トワイライトエクスプレス」が停まっていた。
札幌から大通りまで地下鉄で移動、雪まつりの時に行った「アニメイト」に行ってみようと思ったが、なんと移転していた。移転先は分からなかったので、そのまま地下街でお土産を買って札幌駅に戻った。札幌から15時7分発の「スーパー北斗16号」で函館に向かう。指定された席は4号車11番のA、窓側の席だ。車輌はキハ283系ディーゼルカーで、「スーパースーパー北斗おおぞら」「スーパーとかち」「スーパー北斗」の3列車に使われている車輌。北海道を走る列車の中で最速を誇る。車内はすでに満席に近い。自由席には立席もでていて、需要が多い事が分かる。グリーン車も満席なのには驚いた。札幌を出発すると最初に「新札幌」に停まる。ここでの乗車はほとんど無く、列車を待っている人も後続の快速「エアポート」を待っているようだった。高架の線路を走っていくと右側に「雪印」の大きな看板が見えてくる。この看板を過ぎると「南千歳」に停まった。南千歳では石勝線からの乗換えが多いようで、結構乗ってきた。札幌から空席だったところも埋まってゆき、ついに満席となる。ここで釧網線で釧路まで同じ列車だった人が自分の前の席に座った。相手から声を掛けられビックリした。南千歳で大勢の乗客を乗せて出発した。この混雑も「東室蘭」までだと思ったが大外れだった。「美々」「植苗」と通過すると藪の中へとでもいうか、下り線(札幌方面行き)が右奥の方に姿を消す。しばらく下り線と分かれて走っていくと、真下をくぐり、真っ直ぐに苫小牧に向かって行く複線の線路が見えた。こちらも右に大きくカーブをしていき、さっきの複線の線路と合流、「沼ノ端」を通過する。「室蘭本線」に入り、「苫小牧」に到着した。苫小牧は「日高本線」の乗換駅だがあまり乗り降りはなかった。しかし自由席の方は分からないが・・・。
苫小牧を出ると「登別」「東室蘭」と停まってゆく。東室蘭から室蘭に向けて電化路線は進んでいる。函館方面は非電化となる。東室蘭の次の停車駅「伊達紋別」で「北斗星」らしき列車とすれ違ったのだが、本当なら札幌で出発準備をしてるはずの時間だ。東北本線で事故でもあったのだろうか?と心配になる。「はくつる」が運休にならなければいいのだが・・・。単線の線路を進み、10分で次の駅「洞爺」に到着。カメラを用意して一番前の小窓を目指し車内を移動し始める。決まっていない予定だったが、明日、「小幌」という駅に行くつもりだった。山に囲まれ道路が無く、駅だけが存在するという謎の駅に行こうと思ったのだが、親からの帰還命令には逆らえないので写真だけでも撮っておこうと考えたのだ。例の小窓からカメラを構える。「礼文」を通過して左にカーブ、トンネルを通過したところに「小幌」駅があると思いシャッターを切る。130kmで走行する列車の中からの無謀な撮影、結果は惨敗だった。自分の席に戻りカメラをしまっていると「長万部」に着いていた。旭川から小樽経由で続いてきた「函館本線」に入り「八雲」に停車。「いかめし」で有名な「森」からは、同じ「函館本線」が七飯まで二手に分かれて行く。「渡島砂原経由」と「大沼公園経由」の2ルートで、一旦「大沼」で合流している。特急列車は「大沼公園」回りで走っているが、寝台特急「トワイライトエクスプレス」の大阪行きは「渡島砂原」回りで運転している。「スーパー北斗16号」は「大沼公園」に停車、その次の「五稜郭」では結構下車客があった。五稜郭を出ると、函館に着くのはすぐだった。自分の乗っていた4号車の隣、グリーン車の3号車から下車。ツインクルレディにお見送りを受けた。目の前には「海峡12号」が待っていた。函館駅の駅弁「青函トンネル弁当」とお茶を購入、すぐに列車に乗り込んだ。
「海峡12号」の車輌は最初に乗った「海峡3号」と同じ14系特急客車。青森〜札幌間を結ぶ急行「はまなす」の間合いで運転している。18時34分定刻に函館を出発、「五稜郭」では大阪行き「トワイライトエクスプレス」と出会った。「トワイライト」は機関車交換の為の停車だが、乗降りが無い為時刻表には載っていない。思わぬ所で2度目の遭遇となった。五稜郭からは「江差線」を走ってゆく。指定された席ではなく自由席扱いの「カーペットカー」を利用した。「カーペットカー」にいた乗客は自分を入れて4人。5両ある列車全体でも50人強だ。指定席に座っている人は少なく、そのほとんどは青森寄りの5号車に乗っていた。学生が多く、乗ってる号車からして「木古内」で降りるのだろう。この状態を見ると「海峡」が廃止されるのも仕様がないと思えてきた。「海峡線」内ではまったく停車せず、竜飛・吉岡の両海底駅も通過だった。蟹田で乗務員が北海道から東日本に交代する。次は終点の青森だ。
青森にはほぼ定時に到着した。4分での乗り継ぎの為、急いで階段を上り上野行き寝台特急「はくつる」に乗り込む。青森から「はくつる」を利用するのはこれが2度目だ。前回は五能線の「藤崎」に行った帰りに使った。2000年の夏の話だが、その時は「海峡12号」が遅れていたが、ちゃんと接続を取っていた。連絡船時代からの北海道連絡の使命を果たしていたのだ。前回の経験から「海峡12号」を利用しても、相当の事がない限り大丈夫と分かっていたから利用できた。でなければ新幹線に合わせた時間で北海道を離れなければならなかった。21時6分「はくつる」は青森を出発。ホームには何人かの鉄ちゃんと思える人がいた。車内も同じで、別れを惜しむ鉄道ファンが通路を行ったり来たり、一般の乗客も記念写真を撮っていた。指定された8号車9番の下段に腰を下ろす。向かいの席にも北海道帰りらしい人がいたので声を掛けてみた。どうも「はくつる」を利用して函館まで往復してきたらしい。お別れ乗車もあり、結構多く乗っていた。車内を撮りに行こうかと思っていたがマニアが多く、未だにウロウロしていたので落ち着かない。邪魔にもなるので車内での写真はあきらめた。青森〜盛岡間は指定席特急券で利用できるので、それで乗っている人も多いのだろう。八戸からは、新しくできた新幹線の駅などを見ながら進んでいく。開業を4日後に控えた新幹線ホームは照明が眩しく、すでに使用開始しているような印象だ。また、在来線ホームの駅名板などは3セク仕様に交換されていた。今日最後の停車駅「盛岡」に着く前に眠っていた。
朝、起きた時には「宇都宮」を過ぎていた。新幹線の停車駅「小山」は通過、普通電車に前後を挟まれながらひたすら上野を目指す。東武線が左側に見えてくるとすぐに大宮に到着した。大宮からは横浜方面に向かう「京浜東北線」と、新宿方面に向かう「湘南新宿ライン」に挟まれ出発する。「さいたま新都心」「浦和」を通過、荒川を渡ると東京都だ。「赤羽」を通過して、王子駅の先で京浜東北線の下をくぐり抜けて東北本線単独で「尾久」に向かう。尾久は上野発の特急列車を預かる「尾久客車区」と「田端機関区」が併設されている駅だ。尾久を通過すると、線路が複々線になる。西日暮里付近で、「東北新幹線」「京浜東北線」「山手線」と並ぶ。日暮里では、「常磐線」が左側に寄り添ってくる。「京成線」をくぐる頃には新幹線は地下に潜っている。4路線並んで鶯谷を通る頃には上野駅地上ホームへのアプローチ部分に入っている。「はくつる」は山手線等より低い所にある地上ホーム15番線に到着。向かいの席の人に挨拶をして列車を降りると、すでに鉄ちゃんが写真を撮る為に走り回っていた。自分も列車の前後、数枚の写真を撮って自宅へと帰る事にした。


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