いろんな処ぶらりんこ 03’ 立春編



 奈良 (散策日: 2月15日)

旅行2日目、今日は快晴です。午前8時15分過ぎにホテルを出発。近くに西本願寺があるのでちょっとお参りに・・と寄ってみました。おっきいっ!(汗)ちょうど御影堂が平成の大修理との事。なのでこちらは失礼し、阿弥陀堂のみ参拝しました。ここで私は「お賽銭、たくさんあーげよっと♪」と不謹慎にも小銭をじゃらじゃらとお賽銭箱に。(汗) 「そんな事してばちが当たるぞっ。」とダンナ。「大丈夫よ。親鸞さんはね、お坊さんの中でも寛容な優しい方なんだから。」などと話しながら御影門のところで写真をパチリ。私の不敬行為が仇になったか・・・ヘンな写真がまた撮れてしまいました。(汗。 この写真は『月の岬』で。)


西本願寺・阿弥陀堂


東寺を目指し、ひたすら歩きました。道に迷う心配はありません。何と言っても京都の道は碁盤の目。その点は安心です。(笑) ほぼ9時頃東寺に到着。まずは講堂。ここは昨年5月、私が感動の涙涙・・に浸った場所です。仏像による立体曼荼羅。(溜息・・)本当に素晴らしい・・・。講堂の次は金堂。こちらの薬師三尊も参拝。そして今回のメイン。ふだんはお正月しか見学できない五重塔内部の見学です。これも「冬の京都・特別公開」のひとつ。この五重塔、日本で一番高い五重塔で、特別公開された内部(初層)は中央に大日如来に見立てた心柱が通り、その前に四仏や菩薩像が祀られていました。また、柱や天井には極彩色の文様がほどこされていましたが、残念な事にその色は年月の経過には勝てず・・・。しかし普段見ることの出来ない塔内部を見学でき、素晴らしい経験でした。



東寺・講堂

東寺・金堂
東寺・五重塔


さて、ここでいったん京都駅へもどり、いよいよ奈良へ向かいます。近鉄線の特急に乗り遅れてしまい、代わりにJR山陰本線の快速に乗り奈良駅下車。そこで乗り換えて3つ目、法隆寺へ行きました。法隆寺は中学校の修学旅行以来、約28年ぶり。(汗汗・・・)南大門からまっすぐ歩いていくと法隆寺の五重塔と金堂の屋根が見えてきました。もう心はパラダイスにいるかのよう。(笑) ワクワクしながら入り口を入り、五重塔内部を見学。・・と言っても中へは入れません。階段越しに中を覗いてみるだけ。塔北面には塑像の釈迦涅槃像、侍者像、東面には維摩居士像、文殊菩薩像が安置されていました。もちろん中は照明が当たっているわけではないので太陽の光で見るしかないのですが・・・、いやいや素晴らしい。(溜息) 次に金堂へ。ここは一応内部へ入れてはくれるのですが、ここもまた照明などまったくなし。ご本尊等は網の張った戸から覗き拝むだけ。すっごく悲しかった・・。(涙) あのアルカイック・スマイルの国宝・釈迦三尊、ほとんどお顔が拝めませんでした。(涙涙)
外へ出て、金堂をバックにここでも記念撮影。それが・・・ここでも不思議な写真が撮れてしまいました。(こちらも『月の岬』で)

次に宝物殿へ行きました。法隆寺が世界に誇る国宝の数々。百済観音像、夢違観音像、玉虫厨子など。 百済観音は中学の修学旅行の見学の際、確か玉虫厨子と背中合わせのように安置されてあった記憶が・・・。現在はケースに納められていて何だか観音様が息苦しそう。保存上しかたないのかもしれませんが、手の届くようなところに安置してあった法隆寺の仏がほとんどケースに納められてしまった事は悲しい限りです。(涙)  (尚、奈良ぶらりんこでご紹介の仏像は資料をご覧下さい。)



法隆寺・参道から

法隆寺・金堂
法隆寺・五重塔


次に夢殿へ。夢殿のご本尊・救世観音像は春と秋の2回のご開帳のみ。お厨子の扉は固く閉ざされていました。(残念) 夢殿のすぐそばに中宮寺があります。一昨年の秋、東京都美術館で開催された「聖徳太子」展。この展示会の目玉に中宮寺・ご本尊・如意輪観音像がありました。その時のお姿は今も目に焼きついて離れません。聖徳太子の少年時代の姿を模したといわれるこの観音像、角度によってさまざまな表情に見て取れます。聡明な少年のようであったり、また愛らしい少女のようでもあったり・・と。(感涙)


法隆寺・夢殿


ここからタクシーで西の京へ。 薬師寺へ向かいました。東塔と近年再建された西塔をを見学後、新しくできた本堂へ。薬師三尊像と対面。私が大好きな仏像ベスト5に数えられる仏様です。(感涙) その足で東院堂へ。聖観世音菩薩像に参拝。またまた感涙。美しい。美しすぎるっ。なんでこんなにも美しい仏像の数々を白鳳時代の仏師は造る事が出来たのか・・・。素晴らしい仏像の前ではどんな美をあらわした言葉の数々を並べ立てたとしても、それはただむなしく陳腐なものに聞こえてしまうだけ・・。だから私は、こういう場所では美を語るよりただただ泣く事にしております。(汗&笑)



薬師寺・金堂

薬師寺・東院堂
薬師寺・東塔


ここでしばし休憩。昼食を取りました。 さて午後の予定はどうするかを相談。時間が足りないので目の前の唐招提寺はカット。(涙) まず秋篠寺へ行き、最後に東大寺・大仏殿と法華堂。時間があれば興福寺という事になりました。寺の開門時間は午後4時半まで。それまでに堂内に入らなければなりません。すっごい強行軍。こんどいつ奈良へ来られるかわからないので、もうやけのヤンパチです。(笑) タクシーをひろうため、一度西ノ京駅へもどります。何台かタクシーが停まっていました。一番前に停まっているタクシー、運転手さんを見ると・・・な、なんだっ!日本人じゃないっ。(汗) 頭は丸坊主。黒いサングラスをしています。色白。どうみても私には外国人に見えたんですが・・・・。「そんなわけねーだろっ。」とダンナ。運転手さんに「いいですか?」と聞くと、「はい、どうぞ。」の声。「あー、よかった。外人さんじゃなかった。そりゃそうだ。外国人の運転手さんで奈良を案内できる人なんて・・・フッ、よくよく考えたらいるはずないもんね。」などと思いながら、タクシーに乗り込みました。(汗&笑) ところがこの運転手さん、すっごいおしゃべり。(汗) 薬師寺から秋篠寺までずーーーーっとしゃべりっぱなし。奈良市への不満、奈良の建設業者の暗部の話(汗)、「いやー、やばい人が多いんですよー。」って一番やばいのはあんただろっ・・て突っ込みを入れたくなるのをひたすら我慢。(汗&笑) それにこの運転手さん、異常なほどの汗っかき。汗を拭き拭き、ベラベラとしゃべっている光景がなんとも・・・。(汗) 会津の時といい、観光地のタクシーの運転手さんてユニークな人が多いです。ほんとに。(笑)

さて秋篠寺へ到着。前の席で運転手さんの話の相手をずっとさせられていたダンナ、ぐったりしてました。(笑)「私もお寺の方、ご一緒しましょうか♪?」という運転手さんを「いえいえ、結構です。ここで待っていてください。」と拒否。(汗&笑) 家族3人で静かな秋篠寺を堪能しました。ここの伎芸天像(重文)、美しかった・・。(感涙) 


秋篠寺・門 秋篠寺・本堂


秋篠寺を後にし、最終目的地東大寺へと向かいます。東大寺に着いた時はすでに3時半。大仏殿を見学。昨年の5月以来の大仏様との対面。相変わらず素敵です。(笑) 急ぎ法華堂へ。けっこう坂道が多く大変。(汗&笑) 着いた時には・・・どういうわけか法華堂のサイドにある扉をお寺の人が閉めているところでした。「そ、、そんなーーーーっ。ここまで来て不空羂索観音さんや日光・月光菩薩さんにお会いできないなんてーーーーっ、」体の力が抜けそうになるのを我慢し、入り口へ。「4時半には出てもらいますがいいですか?」と受付の人に言われ、「はい、わかりました。」と急ぎ堂内へ。サイドの扉を閉められて薄暗くなった堂内に不空羂索観音像・日光・月光菩薩像他多くの仏が安置されていました。お堂が閉められるまで、しばし仏様との「対話」の時間を楽しみました。


東大寺・大仏殿 東大寺・大仏 東大寺・法華堂(三月堂)



近鉄奈良駅へ行った時はすでに午後5時をまわっていました。興福寺の宝物殿や北円堂へ行けなかったのは残念でしたが、だいたい計画通りに奈良をまわる事ができてよかったです。第2日目はここで終了。このまま京都へもどりました。