いろんな処ぶらりんこ 03’ 立春編



 京都・その2 (散策日: 2月16日(日))

京都滞在最終日。夕べから雨が降っています。それもかなり激しく・・。帰りの新幹線を午後2時半という早い時間にしてしまったので、そうのんびりとしてもいられず、朝食が済んだ後、急ぎ相国寺と境内にある承天閣美術館へ行く事にしました。ここも「京都・冬の特別公開」という事で法堂の天井画「鳴き龍」(狩野光信作)をはじめとする方丈の襖絵、復元修理された浴室の初公開など見どころが盛りだくさん。また相国寺と縁の深い伊藤若冲の画も承天閣美術館に数多く収められています。ダンナが午前9時から開館だと言っていたのでそれを信じ、早々と9時前に相国寺へ。ところが9時近くだと言うのにまったく人がいません。よくよく見ると開館は午前10時から・・になっています。「なーんだ。なんだ。」と家族3人大騒ぎです。(汗&笑) 1時間近くもここで待っているわけにも行かず、今回は相国寺を諦める事に。(涙)


相国寺・承天閣美術館



さあ、これから何処へ行くか。相談の結果青蓮院門跡へ向かう事にしました。最初相国寺と青蓮院、どっちへ行こうか迷いに迷って相国寺に行こうという事にしたのに、このように相国寺に振られてしまい・・・。(涙) これは青不動さんが「こっちへおいで。」とおっしゃっているのだろうと我ら3人、勝手に解釈したのでありました。(汗&笑) 早速タクシーで青蓮院門跡へ。乗ったのがMKタクシーという、普通のタクシーより安い料金で利用できる今話題のタクシーでした。それが・・・、運転手さんがすっごく親切なんです。町家の風情が残る場所を通ってくれたり、説明もとても親切。ほんのわずかの時間しか乗っていないのに、素晴らしいサービスでした。次回もぜひ利用したいと思います。(なかなかつかまらないらしいですが・・・。汗&笑)

青蓮院門跡に到着。お寺の入り口で樹齢800年、名物の楠が私たちを出迎えてくれました。この楠の由来、親鸞上人が植えたものだとか。(親鸞上人は青蓮院で得度しています。)どっしりしていて立派な楠でした。


青蓮院門跡入り口の樹齢800年の楠 青蓮院門跡の門



青蓮院門跡は平安時代、天台宗の祖最澄が比叡山を開くに当たって僧侶の宿坊をいくつも造営、そのひとつの青蓮坊が起源といいます。門跡寺院としての始まりは第十二代の行玄大僧正に鳥羽法皇が帰依、院の御所に準じ、御殿を造営、それを青蓮院と改称したという事です。(この行玄以降、明治に至るまで門主は皇族か五摂家の師弟が務めました。)
早速本堂へ。国宝の不動明王二童子画像(青不動)を拝むためです。本堂の中、あまりにもポンと青不動が祀られてあるので、「えっ!? 本物?」と疑ってしまうほど。入り口でいただいた由緒書に「完全な複製の製作とそれを祀る青不動明王堂の建設計画を進めている。」とあったのでやはり本物・・。(汗) 青不動さんの安全のために、早く「青不動明王堂」の建設をしていただきたいと思いました。 お参りをした後、本堂の廊下からお庭を見渡しました。小堀遠州作の庭園、見事です。雨の庭園もまたしっとりとしていて趣があります。本堂をぐるり、こちらにはご本尊の釈迦如来像(?自信なし 汗)のお厨子が安置されていました。(ご本尊は拝めませんでした。) 次に天皇をはじめ、皇族が参拝した際立ち寄る宸殿を見学。最後に庭へ出て青蓮院を一周しました。 雨が降っていたせいか訪れる人も少なく、静かなゆっくりと時間の流れる素晴らしい時を過ごす事が出来ました。


青蓮院・庭園 本堂側から宸殿を見る 宸殿内 庭より本堂を見る


青蓮院を後にし、次に智積院へ行きました。私と娘は昨年5月、長谷川等伯・久蔵親子の襖絵を見ていたのですが、ダンナがまだだったのでもう一度。今回は時間の都合上、宝物殿のみの見学となりました。相変わらず素晴らしい・・・。ダンナは「こんなに照明を当てて、画が大丈夫なんだろうか・・・。」と心配しておりました。

次に三十三間堂。こちらも昨年訪れた場所です。いつ来ても千体余の千手観音像に圧倒されます。お堂前部に安置される二十八部衆。素晴らしい! 宗達があの有名な国宝「風神雷神図」を書くためデッサンに通ったのでは・・・?等と言われる風神・雷神像、こちらは修復中のため「入院中」でした。(どっちが入院中だか忘れてしまった・・・。汗&笑) 今回ハッとしたのはお堂の裏側。仏像を拝み終わり、お堂の裏手を帰る時、ちょうどご本尊の裏側、こちらでもお参りができるようになっています。そこに鏡(昔の鏡です)が置いてあったのです。「魔が裏手から入ってこないようにしているんだな。」と思いました。うーん、さすがです。

昼食後、京都国立博物館へ行きました。「何かいいもの(国宝級)が展示されていないかな〜♪」などと期待して。 ところがその期待は見事に裏切られました。なーんにもなし。(涙) やはり私の提案通り、養源院へ行くのがベストだったのです。(涙涙・・) ここで午後1時半過ぎ。本日の京都ぶらりんこもタイムアップ。新幹線の時間があるので急ぎ京都駅へ向かいました。


三十三間堂 京都国立博物館


恐ろしいほどの強行軍。(汗) あっという間の3日間でした。しかし、「命の洗濯」のできた貴重な3日間でした♪