幕末ぶらりんこ 04’
・・・幕末関係・・・


この話は「いろんな処ぶらりんこ・京都永観堂と青蓮院」の続きです。

「幾松」(訪問日:3月8日)

青蓮院から四条大橋へ。歩いていくうちに日が射してきました。旅行3日目でようやくお日様に会う事ができました〜♪ 橋のところで、京都南座をパチリ。鴨川をパチリ。時間は午前11時。「幾松」は正午に予約を入れてあるので、ゆっくりとメインストリート、三条に向かって歩いて行きました。


京都南座 四条大橋から見る鴨川


ここで私は大失敗!幕末関係のガイドブックを駅のロッカーに預けたボストンの中へ忘れてきてしまったのです。(涙) メインストリートをまっすぐ三条までやってきました。途中、いろいろな史跡があったらしいですが、すべて見過ごし。(滝汗)こちらはまた日を改めてぶらりんこしたいと思います。 そう思っているうちに京都ホテルオークラ前までやってきました。ここは幕末、長州藩邸があった場所です。あ、いました、いました。桂小五郎さん。「あんた、いつも俺の悪口言ってるおばさんだろっ。何しに来た。」っていう顔してますね。(汗&笑)そうしたら、ダンナが、「おーい、桂の銅像の前で記念写真とろうぜ。」と言い出したのです。(汗)「え〜。」と思いながら、しかたなく家族全員で記念撮影。(汗) 単独で小五郎さんをパチリ。何故か銅像の小五郎さん、全部の写真、面白くなさそうな、気にくわなそうな顔で撮れていました。(汗&笑) 小休憩を取り、いざ!御用改め。「幾松」へまいります。

正午には少し早かったのですが、「幾松」へやってきました。 「幾松」の前、高瀬川の向こう岸に大村益次郎と佐久間象山の遭難碑がありました。

京都ホテル・オークラ
桂小五郎の銅像
大村益次郎と佐久間象山の遭難碑


鰻の寝床のような長い露地を入ったところに玄関。玄関では雑誌のカメラマンが写真撮影をしていました。うーん、それにしても、立派な玄関ですね。


「幾松」 「幾松」玄関


この料理旅館「幾松」は元々は長州藩の控え屋敷。(建物は1810年ごろ建造。) 幕末に活躍した長州藩士、桂小五郎(木戸孝允)とその愛人・幾松(後の松子夫人)ゆかりの部屋が現在も残されています。 新選組ファンの私、ここは敵陣視察とばかり、今回「御用改め」かたがた、「幾松」さんにお邪魔する事にしました。(汗&笑) 通された部屋は「東山」。鴨川が目の前に広がっています。大文字の山も見える、素敵な部屋でした。


「幾松」内 個室「東山」


食事の前、娘からきついお達し。「ママ、絶対に桂小五郎の悪口とか言っちゃダメだよ。お店の人が気を悪くするから。そうだ!小五郎の事は、「Kさん」って言いなさい。わかった?」「・・・(汗)はい、わかりました・・ブツブツ。」 そこへ担当の仲居さんが。「お食事の前に「歴史の部屋」へご案内致します。」・・との事。 「幾松の部屋」へ案内されました。わざわざご主人が出てこられ、部屋の説明をして下さいました。木戸孝允が亡くなった後、松子夫人は明治19年に亡くなるまで、この長州藩別邸、「幾松の部屋」で余生を過ごしたそうです。天井は吊り天井。部屋右側の戸棚の中に引き紐があって、それを引くと天井が落ちるしかけになっているとか。(現在は固定)廊下の戸板を剥がすとそこには階段がついていて、鴨川へ抜けられるようになっている。長州藩士はいざという時のために、色々と考えていたようです。例の有名な長持もありました。幾松がお酒を買って控え屋敷に入っていくのを新選組隊士が見かけ、近藤勇に通報。「これは桂がいるな。」と判断。近藤率いる新選組が御用改めに控え屋敷に踏み込んだ。刀に手をかける桂(うーん、ほんまかいな。汗)を説得。部屋の長持に隠れさす幾松。新選組は片っ端から部屋を捜索。最後に一番奥にある「幾松の部屋」へと踏み込んだ。幾松は何食わぬ顔で、この長持の前で三味線を弾いている。この長持のふたを開ける開けないでの近藤勇と幾松の遣り取り。これはすごいです! 愛する人を守るための命を張った幾松の大芝居。最後、近藤勇が手を引いたところで、この話は終わるのですが、ご主人曰く、「最後まで毅然とした態度の幾松も立派。その心意気を酌んだ近藤勇も立派。」とおっしゃっていましたが、確かにその通りだと思います。長持の中に桂がいる事は、近藤局長もわかっていたと思うので。武士の時代って、こういうエピソードってけっこうありますね。「お前の心意気に免じて、今日のところは見逃してやろう。」というのです。ある意味、現代の人たちより、心に余裕があったのかもしれません。いいな〜。こういう話は。(笑)


幾松の部屋 幾松の部屋
吊り天井
桂小五郎が隠れたという
長持


明治23年にご主人の先々代がこの屋敷を引き取り、現在の料理旅館になさったのだそうです。説明が終わり、部屋へと戻りました。


「幾松」内 一階廊下

「幾松」さんのお食事、素晴らしく美味しかったです♪♪ もう、お盆の上の世界は春一色。 お造りも新鮮そのもの。若狭から運んできたのでしょう。何と言ってもお酒! 「うちでは、特別のお酒をお出ししています。」と仲居さん。京都市内にある料亭専門の造り酒屋さんから直接買っているのだそうです。大喜びなのはダンナ。「うまい♪うまい♪」を連発。いつの間にやら、5本もお銚子を頼んでおりました。。(えっ!? もしかして・・6本・・(はぁ・・溜息))しかし、仲居さんのサービスのよさ、お話のうまさには恐れ入りました。 「夏の川床(ゆか)、うちは100名は大丈夫どす。ぜひ来ておくれやす〜。(にこにこ)」 敵陣視察のつもりが・・・とんでもない。なんだか、ミイラ取りがミイラになってしまったような・・・すっかり「幾松」マジックにかけられてしまいました。(笑)


昼の会席(先付)


すべてにおいて大満足。「幾松」はやはり、只者ではありませんでした。すっかり心を奪われた私。(汗&笑) またぜひ来てみたいです。(さあ!「幾松」貯金しなきゃ。汗&笑) 「幾松」を後にし、帰りの新幹線に乗るため、京都駅へ向かいました。

後日、KKベストセラーズが出版の「別冊 一個人」の京都特集をを購入。「幾松」が出ておりました。何でも「幾松の部屋」を凌ぐ、各界の名士32名の寄せ書きが天井に残る小松宮殿下が愛した茶室というのがあるんだそうです。「幾松」も奥が深い・・。(汗)

今回の旅行、本当に充実していました。貴重な経験もありました。 来年、また京都に来られるといいな〜。(願望)


「幾松」DATA
・住所: 京都市中京区木屋町通押小路下ル東側上樵木町  ・電話: 075−231−12324
・営業時間: 11:30〜14:30 17:30〜20:00 (無休)