白馬岳周遊スキーツアー 1999年4月
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白馬岳から雪倉へ、そして栂池に戻る3日間のツアーに行って来ました。若い仲間は長ーいルートよりも、傾斜に興味があるようで、別ルートをプランしており、結局1人になってしまったが、好天に恵まれ素晴らしいツアーになりました。


小蓮華から白馬を見る なんて遠いんだ!

第1日】
猿倉から入山の計画であったが、白馬駅前の登山補導所に立ち寄って登山計画書を提出すると、猿倉への自動車乗り入れは明日からだと情報をいただいた。
また、二股には駐車場がないそうで、(本当は少数だがある)仕方なく栂池からの入山を決意する。まあ、栂池に下山の予定なので、その方が車回収の手間が省け好都合なのだが、8時間の長丁場に私の体力が耐えるだろうか? 体力に不安を抱きながらゴンドラ終点の栂の森からの登りが始まる。すでに白馬乗鞍のヘリスキーが始まっており、ヘリが次々に上がって行く。
白馬大池の鞍部で昼食。大池上の大きな斜面を登ったがきつかった。
2612mのピークまで上がると白馬が見えるがあまりの遠さに愕然とする。
このあたりから稜線が露出している部分があり、スキーが使えなくなる。
三国境から先は、夕方の寒い風で雪面がクラストし、所々現れる雪壁が結構恐ろしくなり、アイゼンを使用した。ヘロヘロになりながら日も傾いた白馬山頂に到達。夕食直前の白馬山荘に滑り込む。さすがにスキー靴での8時間歩行はこたえた。おまけに私のとぼとぼと登っていく姿を、白馬村の友人が山麓から高倍率望遠鏡で観察していた。やめてくれー


柳又谷源頭部 この感動は言葉では表現できない!

【第2日】
今日は、このツアーのメイン、柳又谷上部と雪倉北面の滑降が待っている。天気は快晴である。
氷河を思わせる柳又谷上部を標高2400mまで滑降。雪はカリカリのアイスバーンだが、回転しやすく快適。山スキー板の滑走性の悪さに参っていた私は、今回ロシニョールのゲレンデ板を使用した。このような状況では非常に快適であった。(ビンディングは山用です)
 数名が私と同じルートを目指すようで、テレマーカーが滑降してくる姿は本当に絵になる。 15分ほど登り返して鉢ヶ岳の鞍部。そこから鉢ヶ岳の東斜面をトラバースして雪倉岳避難小屋へ到達。 雪倉山頂まではほぼ雪がついていたのでシールのまま登る。山頂には数名のスキーヤーがいたが、皆雪倉メインルートの東面に降りるようだった。 稜線の雪堤通しに北面に向かい、北面のカールめがけて滑降開始。やはりアイスバーンになっているが、悪雪苦手の私にとってはありがたい。何本か美しいシュプールがついている。 1700m付近からは雪がザラメになり、また傾斜も緩くなり気楽な斜面になる。が反面地形が複雑になり、地形図とにらめっこになる。
 1200mあたりまで下ると、瀬戸川をわたる橋を探しているボーダーと出会う。彼とはこのあと、先になったり後になったりしながらツアーの最後までほぼ同行することになる。一緒に探したが、橋は古い2万5000図にある場所よりもずっと下流、標高1150m付近にあった。これは北田紘一氏の「日本スキーツアールート集」に指摘されている通りである。橋のある付近は瀬戸川の川岸がすべて崖になっているので注意が必要である。また橋の前後は不安定なブロックが残っていて通過にも注意が必要。私はピッケルとアイゼンを使用した。
 対岸の急斜面を今日もヘロヘロになりながら最後の力を振り絞って登る。あまりシュプールもない兵馬の平を横切り、蓮華温泉には15時15分着。新装なった、温泉の内湯で汗を流す。 雪倉岳北面のポイントは上部の急斜面と、瀬戸川を渡る橋をスムーズに探すこと、の2点であろう。


雪倉岳北面に残るシュプール うーん満足

【第3日】
ツアー3日目も快晴で明ける。木地屋へ下山するのがポピュラーであるが、これは「滑りを楽しみたい」人にはややもの足りないであろう。最後にもう一滑り、を期待して、振子沢を気力を振りしぼって登り返す。 小蓮華手前の2612mピークより栂池自然園に滑降するラインが滑りたかったのでヘリスキーのスキーヤーに混じって再び乗鞍の大斜面を登る。 2612mピークまでくると滑り出しの斜度が案外きついので少々びびってしまう。どうしようかなーと迷っているとその斜面をテレマーカーのお姉さんとお兄さんがにこにこしながら上がってくるではないですか!下をよく見るとシュプールだらけであった。やや拍子抜けしたものの斜面そのものは栂池自然園まで一直線に見える魅力的なものであった。 ツアーの最後を飾るべく一気滑り!を狙ったが実際には疲れがたまって休み休み、になった。それでも自然園までは20分ほど。振り返って3日間のツアーの余韻に浸る。日帰りツアーの多い私にとって、久々の大きなツアーは日焼けと充実感を残してくれました。

【白馬岳周遊スキーツアー】メンバー 山川(単独)

4/30  栂の森(8:50)−−−天狗原(10:40 11:00)−−−−白馬大池(12:05 12:40)−−−小蓮華岳(15:00)−−−白馬岳(17:10 17:20) 
−−− 白馬山荘(17:35)
      
5/1  白馬山荘(7:00)−−−柳又谷上部−−−雪倉岳(10:05 10:20)−−−瀬戸川鉄橋(12:25 12:55)−−
−−蓮華温泉(15:15)
  
5/2  蓮華温泉(7:00)−−−天狗原(10:15 11:30)−−−−白馬大池(12:00 12:55)−−−2612m(13:20)−−−
−−栂池自然園(13:40) −−− 栂の森(14:10)
   

【参考装備】
山スキー一式板、ブーツはゲレンデ用 ビンディングはエメリー
ピッケル、アイゼン、スキーアイゼン、シールジャケット上下、ツェルト、
ガスコンロ、コッヘル小、グローブ帽子、水筒、行動食、フリース、
高度計、コンパス、地形図、リペア用品(ザック全重量12キロ)


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