関田山脈 平丸峠 スキーによる「パスハンティング」(峠越え)2011年1月8日(土)

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自転車の世界では「峠越え:パスハンティング」というジャンルが確立しており、かなりのファンがいるようです。
冬季通行止めになる豪雪地の車道をスキーで峠越えすることは、豪快な滑降とは一味違ったスキーの魅力がありなかなか興味深く楽しいものです。
特に山の中が寡雪で藪が埋まりきらないコンディションの時には、こんなスキーもよいでしょう。(使用ギアはこれ)

関田山脈は、わずか数十キロの距離の間に信州と越後を結ぶ峠道が16個ある。(数え方によってはそれ以上ある)
古代から近世まで、生活、通商の道として使われてきた重要な峠道であった。平丸峠もそのひとつで、江戸時代には高田からこの峠を越えて、野沢温泉に湯治にいく人がたくさんいたそうである。
豪雪地帯であり、まさか冬は通らなかっただろう、と思っていたが、冬季にも海産物や酒、和紙などを運搬するために通行されていた記録がたくさんある。
峠の両側の住民が当番で「雪踏み」をして道が通れるようにしていたそうであるが、雪が一回ふれば簡単に道など消えてしまうこの地のこと、並大抵の苦労ではなかったように思える。

古の人の峠越えに思いをはせ、スキーという新しい道具を手に入れた現代人が越後目指して峠を越えていく・・・
今年はまだ雪が少ないようで、平丸峠で1.5m越後側 上平丸で1m足らずしかない。


メンバー  山川
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1月9日(土) 快晴 

JR飯山駅(8:20)====信濃平(8:37)---信濃平スキー場跡---平丸峠---桂池(11:20-11:40)---屏風岩公園---

上平丸(13:35-14:30)====JR新井駅(15:07-16:10)
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JR飯山駅から小境線のバスにのる。スキーを持って乗り込むと、運転手さんが「信濃平のスキー場はもうやってないですよ」と教えてくれる。まさか、山越えをする酔狂な輩がいるとは思っていないようだ。
顔戸集落のはずれでスキーを履き、閉鎖した信濃平スキー場跡を登る。
スキー場跡からは、踝上くらいのラッセルだ。天気がよく大汗をかかされる。

同じ冬山でも寒かった正月の南アルプスとはえらい違いだ。


黒岩山の東面
45度を越す、急斜面である。ヒマラヤ襞を思わせるスパイン状の斜面が見える。
斜度的には、エクストリームスキーヤーの心をそそる斜面ではあるが、この斜面は雪崩の誘発斜面であり、自分だけではなく山ろくの人間も危険に巻き込むので踏み込むべきではないだろう。

【カーブミラーにより記念撮影】
そもそもカーブミラーがこんなに露出しているということは雪の少なさを物語る

平丸峠付近
背後には根子岳から志賀高原に連なる山々が見渡せる。

桂池 一面の雪原になっている。池の上を歩いて見たくなるが、標高の低い関田山脈では氷結の甘い部分もあるのでやたらに乗らないほうが身のためだ。。

桂池横の標識
この標識が露出していること事体珍しい。

太郎清水 顔を出しているのは信越トレイルの案内図
ここは信越トレイルが通過している。雪が少なく、夏の面影も残している。

ラッセル部分が多いので、峠からシールをはずすかそのまま歩くか迷ったが、やはりスキーを使う以上、標高差400m以上下れるのだから外して滑るべきだろう。
実際には下りもラッセルの部分が多く、あまり長く滑れないがそれでもストライドが大きくとれるのでペースが上がる。コースは車道をたどるだけなので容易だが、両岸から雪崩が落ちる危険もあるので、すばやく通過すべき。雪がしまる時期なら面白いようにスキーが走り、あっという間に下山できるだろう。



屏風岩の滝
この峠道は、結構見どころが多い。滝は埋まらず露出して水が流れている。
屏風岩付近は地形が複雑で雪が多いと車道がわかりにくい。地形図で確認しながら通過する必要がある。
雪の踏み抜きによる水路、渓谷への落下は大変危険である。



【上】
屏風岩通過後の水田地帯
【下】峠越えを無事終えて上平丸へ
14:30を逃すともうバスはない。バスを待っていたら「バス」ではなく「ワゴン車」がきた。
平丸から新井への車道には、途中に「雪中避難小屋」がある。荒れると身動きがとれなくなるのか?すごい地域である。

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