2.初倫敦(はつろんどん)

ロンドン・スコットランド編目次へコーナーのトップページへ戻るHOMEへ戻る

←前へ戻る 次へ進む→


 ヒースローの入国管理は厳しく愛想が悪いので有名…というのがガイドブックの説明。どんなに恐ろしいのかとひやひやしながら受けたが、ホテルの名前がしっかりしてたのと、滞在日数8日ということがあったのか、あっさり通過。拍子抜けした。
 建物はなんだか日本と同じような風情。こげ茶地に黄色の案内表示灯と英語だけの垂れ幕が唯一外国っぽい雰囲気を演出している。ウィーンやフランクフルトの時はそんなこともなかったんだけど…。
 まずはAMEXオフィスで換金。降り立ったTerminal 3でのオフィスの場所がわからなかったので、Terminal 4まで行って両替することに。3から4までは、日本でいう成田エキスプレスみたいな列車がただで連れて行ってくれる。その車両がまた日本の特急みたいな…中には液晶のモニターがついてて、英語で案内がされているものの、こういうサービスってすごく日本的なんですが…(^^;;
 Terminal 4のオフィスで換金…と思ったら何を焦っていたのか、換金前のトラベラーズチェックをガイドブックごと全額カウンターに置き忘れ(;´Д`)気がついたからよかったものの、エライことになるとこだった…。
 Terminal 4からは地下鉄でロンドン市内へ――成田エクスプレスみたいなやつ(名前忘れた)のほうがずっと早く着くのだが、値段が高いのでパス。在来の地下鉄「ピカデリー・ライン」で、宿の近くのラッセル・スクエア駅まででることにした。
 まず、キップ売り場が自動。ただしお札は使えない(;´Д`)空港なのに…旅行者って普通硬貨持ってないよな…。ということで窓口でオジサンから1日券を買い、自動改札へ…しかし何度入れても改札機に通ってくれない。どうやって入れるんだ???と困っていたら、近くのお姉さんが入れてくれた。なんか微妙な角度があるらしく、おねえさんがやると何事もなく通った。

 ホームにやってきた電車を見て、その天井の低さ、かまぼこ状の形に驚いた。何しろ、入り口のドアがかまぼこ型をした列車の屋根の4分の1ぐらいまで続いている。都営大江戸線をさらにコンパクトにしたような形だ。
 車内はさらに狭い。両側にベンチシートがあって、ひじかけが丁寧についているのが面白いが、両サイドのベンチシートの間には人が一人通れるぐらいの幅しかない。全員が座ってしまうと、その間には一人立っているのが精一杯だろう。普通の日本の電車と比べて、半分ちょっとぐらいしか幅がないんではないだろうか?
 しかも、列車の歴史の長いイギリスだけあって、当然のことながら設備も老朽化している。車両は新型なものの、線路の整備は悪く、スピードが上がるとがたがたどころかぴょんぴょん飛び跳ねて進む。日本の電車なら、安定して走っていれば書き物ぐらいは普通にできるが、イギリスの地下鉄では絶対にムリ!メモ書こうとしてあまりの振動に断念した。
 駅の雰囲気は広告とかが、いかにも東京チックで、外国にいる気がしない。列車内にも小さな電光掲示板があって、「この列車はコックフォスターズ行き」と常に流れているし、何より駅に着く前やホームで放送がある!ヨーロッパではそんなの無いと思ってたのに…。
 アナウンスでは駅名をいうこともあれば、電車とホームに隙間がある時には「隙間に注意(Mind the Gap)」というアナウンスが流れる。車内放送でのこのアナウンス(おそらく Please mind the gap between the train and the platform:列車とホームの隙間にご注意ください と言っている)が歌うような発音で、もしかしたらコレを完璧に真似られたら英語流ちょうになるかもしんない!と必死に練習してみたり…でもこれが意外と難しい。一度聞くとなかなか忘れられないフレーズである。

 そんな日本チックな電車にゆられること1時間。やっとラッセル・スクエア駅に到着。地図を見ながら散々迷って、やっとこさ宿に到着。宿の人は愛想の良くも悪くもない人だった。
 部屋は思ったより悪くなかった。小さい部屋で、シングルベッドとテレビ、小さな洗面台に、窓が一つ。バス・トイレは共同で、部屋を出てすぐのところにあった。狭いが、居心地のいい部屋だ。

 初めてのロンドン、といっても午後6時を回っているので、見るところは限られてくる。まずはいろいろ観光をしたい、と、目をつけていた聖堂へ向かうことにした。地下鉄に乗り、「ヴィクトリア」駅を目指す。
 ロンドンにはとにかくアジア人が多い。特に日本・韓国系の人が本当に多くて、地下鉄に乗ると必ず一人はいる。アジア人に人気のある土地、ということか。
 「ヴィクトリア」駅から「チャリングクロス」駅までの間にある、ウエストミンスター大聖堂。ウエストミンスター寺院とは別物だが、それでも立派な聖堂である。ヨーロッパ教会の様式どおり、天井がやたらと高く、上のほうは真っ暗。
 聖堂に入った時、丁度ミサをやっていた。賛美歌が美しく響き渡り、牧師による説教がある。声も音もよく響き、天井から跳ね返った音が降ってくるように聞こえる。荘厳な、しかしおだやかな空間。全く無宗教な私でも、これには心を奪われた。心に傷を負った人なら、きっとすがりたくなることだろう。
 ここからウェストミンスター寺院までは歩いてまっすぐ。道はオフィス街のたたずまいで、スターバックスがいくつか…ここ丸の内とかじゃないよね…??やっぱり外国来てる気がしない。道路も車両が左側通行だし。
 ウェストミンスター寺院とビッグベン(国会議事堂)は丁度すぐ側にあった。オレンジ色のライトですべてがセピア色。本当に美しい。そのままテムズ川の側を歩いていたら、ビッグベンが午後7時半の時報を…

きぃ〜ん こぉ〜ん かぁ〜ん こぉぉ〜〜ん…
 なんか聞き覚えのある、と思ったら学校で鳴るアレじゃないですか(゜▽、゜) 元祖「学校の鐘」、生演奏ですよっ(謎爆
 テムズ川の向こうに見える大きな観覧車は、葛西の観覧車が出来る直前にできた、世界一を誇る大観覧車。時間的な問題で乗るのはあきらめたものの、確かにスゴい。柱とかスポーク部分とかやたら太いし、葛西の観覧車よりずっとゴツい印象だった。

 景色のいいテムズ川をふらふら散歩しながら、「チャリングクロス」駅へ。ここは国鉄も乗り入れている大きな駅で、ここの駅前にインターネットカフェがあるのをチェックしていた。ここから日本の自分のページの掲示板へ書き込みをしよう、というわけで。
 その前に晩御飯を、マクドナルドで…いやこの手は使いたくなかったんですが、いい店知らなかったから。店員の態度がなんか凄く悪い…店の内装が日本と同じ、ついでに味も日本と同じ…なんだかなぁ。ドイツみたいにポテトだけ激ウマとかそういうことはなかった。
 ネットカフェはチケットが自動販売、ということでやたらと使いやすく出来ている。ただ日本語入力はできないし、BBSとしてコーナーを設けておいた自分のページの掲示板が、10002番のポートとかいうとんでもない部分を使って通信してるせいで見られない。しかたないのでゲストブックとして使っていたところにローマ字で書き込むことになった。

 帰りはバスで帰ることにしたのだが、これがまた一苦労。とりあえずホテル前を通るバスの番号だけはわかって、それに乗ったのはいいものの、停留所の放送はナシ。ということで、ホテルの前に来たところですかさずSTOPボタンを押し、次のバス停で降りて戻ることになった。
 しかしバスの運ちゃんといい、マクドナルドの店員といい、黒人でかつ愛想が悪い。ホテルや銀行の人たちは色が白いか、黒でも薄いことを考えると、これがイギリスの階級社会というヤツなのかもしれない。

 ホテルに戻り、備え付けの紅茶を入れる。その前に普通に水を口に含んでみたが…まずい。まずすぎる。日本の自宅の水も致命的なぐらいマズいのだが、ロンドンの水はそれを超えている。これでは紅茶ナシには飲めないわ。というか紅茶自身もおいしくないし(;´Д`)だめだってロンドンの水!まずいって!!
 テレビをつけると、POPミュージシャンらしき人のトーク番組をやっていた。なんかしきりに笑っているところを見ると、日本の「Hey Hey Hey」に近い番組だろうか。日本でやってても全然違和感がない。

 結論:ロンドンは東京そっくり。外国に来た気があんまりしません。

(03/1/21)
このページの先頭へ戻る


←前へ戻る 次へ進む→

初倫敦(はつろんどん)編トップページへコーナーのトップページへ戻るHOMEへ戻る