どんなに新しくても、その世代にはその世代の性能指標というものがありますから、
新しいものが必ず高性能というわけではないのです。
また、性能の指標は処理能力の速さや正確性といったものだけではなく、
電力効率や環境への配慮などといったものもあります。
たとえば消費電力を抑えるという「性能向上」を図った新製品があっても、
処理能力は旧製品と変わらない、ということがあるのです。
さらに実際的に考えれば、性能は新旧よりも「値段相応」であることのほうがほとんどです。
新しい製品にも当然、値段の安い「廉価版」というものがあって、
値段の高いものに比べて性能が低く設計されています。
新しくて安い製品よりは、古くて高い製品のほうが高性能であることが多いです。
新製品が発売されると、旧製品の在庫が安く売り出されることがあります。
「これはチャンスだ!」と思う人も大勢いるでしょう。
ちょっと待ってください。いくら在庫を処分するといっても、ハイスペックなパソコンが
激安で売られるようなことは決してありません。
仕様をよく見てください。本当に要求する性能を満たしているか調べてください。
「安いものは、やっぱり性能も低い」ことがわかると思います。
新しい製品には、その性能にさまざまなセールスポイントが盛り込まれています。
「旧製品より20%の性能アップを実現!」「画期的な技術で高性能かつ省エネに!」
このようなキャッチコピーに気を取られて、旧製品の本当の実力(性能)が見えなく
なってしまうことがあります。製品に用いられている技術はたしかに進歩している
かもしれませんが、同程度の値段で劇的な性能アップはまずないと思ってください。
「古くても安定している」製品はたくさんあるのです。
特にグラフィックボードの製品は「リネーム」といって、同じ装置の名前を変えて、
新製品として販売することが多々あるため、「新しいものは高性能」という一般的な常識が
なかなか通用しない世界でもあります。
たとえばGeForce GTS 250というグラフィックボードは、旧製品のGeForce 9800 GTX+の
リネームとされています。古くても9800 GTX+は当時のハイエンドであったため、
GTS 250にリネームされた現在でも、その性能は十分に発揮されています。
「新製品だから優秀なんだ」と思わずに、旧製品や関連する情報についても
よく調べてみることが大切です。