ただ数をこなしていても、「練習した気がする」だけで実際にはほとんど糧になっていません。
「クロッキー」や「30秒ドローイング」などを行う際は要注意です。
数をこなしているような気になるだけで実は上達していないことがあるからです。
それどころか「わずか30秒で練習ができる」と考え、絵を描くことのハードルが下がったかのように錯覚し、
「落書き」や「ラフスケッチ」で満足してしまい、それで成長限界に達することさえあります。
どんなに言い訳をしても、絵を描くことに関して「時間をかけることを惜しむ」ようでは素質はゼロです。
たとえばスポーツの場合、いくら教科書を読んで勉強したつもりでも、実際に体を動かさなくては何の役にも立ちません。
野球に関する知識だけで選手になれるのだとしたら、熱心な観客やファンに試合をやらせればいいという話になってしまいます。
それが絶対にありえないのと同じように、絵を描くことについても、自分をただ客観的に見ているだけでは少しも進歩しないのです。
実在の人物や静物を「デッサン」することに抵抗があるなら、紙面やモニター上の絵を「模写」することでもいいです。
ただし、少なくとも2時間は没頭してください。
数分で疲れたり投げ出したりするような人には素質がありません。別の目標に進むべきです。
素質のある人にとって「2時間」という時間は、デッサンをするのには到底足りないと感じられます。
これは絵を描くのが早いとか遅いという作業スピードの問題ではなく、対象をよく観察するためには長い時間が必要だからです。
時間をかけて実物そっくりにデッサンすることこそが、ただ数をこなすことよりもはるかに重要なポイントなのですから。
YouTubeのクリエイター ハンドブックを見ていて気づいたのですが、このようなことを一人で実践するとうつ病のリスクが高まるように思われます。
その内容を大ざっぱにいうと、
・視聴者の関心に合わせよ
・動画を最後まで見てもらえるように工夫せよ
・視聴者に自分のチャンネルを登録するように働きかけよ
・視聴者の心を引くために出演者の顔が見えるようにせよ
・定期的にアップロード・更新せよ
・もっと多くの視聴者を得るために常に改善・反省せよ
・視聴者とコメントで交流し、また積極的に他のチャンネルにコメントせよ
…という具合になっています。
もはや娯楽の域を超えているではありませんか。
動画の撮影・編集・公開・宣伝・交流……
これらを自分一人ないし限られた人員だけで行うというのは非常に大きな負担です。
しかもそれに見合った報酬は決して得ることができません。
娯楽で行うことが望ましいのであって、自らの精神をすり減らしてまで没頭する必要はありません。
初めのうちは動画編集が面白く、コメントのやり取りを頻繁に行うことも辞さないものですが、
やがて「いいね!」「コメントありがとう!」というだけの形式的な交流が憂鬱になり、
今まで熱心に取り組んでいた活動が急激に冷め、離れていってしまうのです。
YouTubeに限らず、さまざまな「配信サイト」では、出演者の目が死んでいるように見えることが多いようです。
人気のあるチャンネルでは特に、常に大人数の視聴者がいるわけですから、その期待に応えようと懸命な努力があるはずであり、
少なからず無理をして、精神を病み、言動はハイテンションであっても「目が死んでいる」ような状態に陥りやすいのです。
また高評価を得るときはよくても、低評価がつけられると気分が悪くなり、その繰り返しで憂鬱になる人も多いです。
一見、高評価の多いチャンネルであっても、実際には「内輪」だけの視聴者で固められていて、妥当な評価ではないこともあります。
そういう人が不特定多数の視聴者からの厳しい評価にさらされると、強いショックを受けることも珍しくありません。
娯楽にあまり熱心になると、自分が苦しくなるだけです。
ロッカーがwwwwwずらりと並んだww場所wwwwwwww
誰も触れていないのにwwwwww突然開くwwwwwwwロッカーの扉wwwwwwwww
そしてwwwwwwロッカーからのぞくwwwwwww不気味な顔wwwwwwwwwwwwww
「毎日A4の用紙に10枚も20枚も描けば上達する」などというのは間違いです。
「10枚も20枚も描くこと」が目的になってしまい、肝心の画力や作品としての完成度を高めることには貢献しないからです!
「あぁ、今日はまだ9枚しか描いていないから、なんとしてもあと1枚描かなくては…」
そんな動機で絵を練習しては100枚描いても200枚描いても意味がありません。
数多く描けば練習したつもりになってしまう。
努力しているつもりで上達の妨げとなっているのが、「ラフスケッチ」や「クロッキー」だけを続けることです。
ラフを数多く描き、いろいろなポーズの人物、モチーフ、構図などをたくさん描くというのは、いかにも練習量が豊富なような気がします。
しかし実際には、あいまいな形をあいまいな線で描いているだけですから、モチーフを正確に把握できていないし、仕上げることもできません。
本当に大切なのは、「練習」と「本番」を区別せず、一度描いたら最後まで完成させるということです。
道具に迷う必要はありません。
スケッチブックと鉛筆と消しゴムとペンがあれば十分です。
そして鉛筆は質のいいものを使うに越したことはなく、1ダース100円のものよりも1本100円のものを選べばいいです。
三菱の「ユニ」とトンボの「モノ」はどちらがいいのか迷う人もいるかもしれません。
サラサラとした柔らかな書き味が好きな人はユニ。
カリカリとした滑らかな書き味が好きな人はモノ。
( =^ω^)にゃんにゃんお!