あうちすむ - 厄介な思春期

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厄介な思春期

2007-05-08 22:20

「厄介な」という表現は誤解を招く恐れがありますが、当人が思春期について思うのは「厄介」ということなのです。 思春期の始まりが遅れたり、期間が長続きしたりします。中学校から高校にかけての時期に問題が起きやすく、 友だちとなじめない、仲間外れにされる、孤立する、浮いてしまう、といった状況に陥ることがあります。

思春期にみられるアスペルガー症候群に特徴的な様相は、見方を変えれば前述とはまったく別の事態をもたらします。 たとえば「性」にあまり関心を持つようにならない場合などに、ほかのクラスメイトの同性と比較して「落ち着いている」 と教師から賞賛されることがあります。しかし当人には、なぜ褒められたのかは少しも理解することができません。 また、性を意識しないために、かえって性的な表現の言葉を連呼してしまうこともあります。その言葉の持つ意味を 十分に理解していないからです。こんなことをすれば、周囲の人たちは引いていってしまいます。

「性」の問題は特別に憂慮すべきであると考えています。アスペルガー症候群の子は、もともと理論的に物事を 考えるのが得意なので、恥ずかしがるとか気が散るといったことがあまりなく、先生よりも教えるのが上手い ことさえあります。けれども「性」の情緒的な部分はなかなか理解することができません。 頭で理解するだけでなく、その知識を実際にどのように活用すればよいのかも考えなければなりません。 性の被害者になることが多いようですが、逆に、誰かから上手く利用されてしまえば加害者にもなりうるからです。

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