「障害者手帳」は交付されないことがあります。僕は交付されていません。市町村などで基準が異なっていて、 地域によってアスペルガー症候群と診断されても交付される人とされない人がいます。 僕の住んでいる愛知県豊田市では、アスペルガー症候群を含めた広汎性発達障害は、重度の自閉症を除いて 交付されません。
この点の問題は、アスペルガー症候群の人はどんなに優秀に見えても、対人関係をまともに築き上げることが難しいから、
学童期には問題がなくても、成人になってから就職するのが非常に不利になってしまうというところにあります。
障害者手帳があると、「障害者枠」としての就職先が用意されているので有利になるのですが、ない場合、
きわめて大きなハンディキャップを負ったまま探さなければならなくなります。
アスペルガー症候群であることは就職に有利には運びません。雇用主に初対面で好印象を与えたとしても、
いざ作業に取りかかると障害が表面化し、あっという間に解雇、、、ということもあるのです! 冗談ではなく本当です。
僕がその一人でした。せっかく雇ってもらえたと思ったのに、暗算の間違いが多いと言われて門前払いに遭いました。
たったの10分です。10分で解雇されてしまいました。でも暗算が上手くできないのは僕のせいではありません。
生まれつき暗算の素質に欠けているのです。このようなことをいくら口頭や文書で説明しても、本人の主張では
普通は誰も受け入れてくれません。一般の作業に困難があることを適切に伝えるために、障害者手帳の交付は
大きな手助けとなるはずです。
これでも「本人の努力不足だ」と言う人は、おそらく障害をまったく理解していません。