知的障害のない自閉症、アスペルガー症候群の子は、以下の3種類のような様相を示すことが多いです。
といっても、どれか1つに必ず当てはまるとは限らないので注意してください。
- 孤立型
- もっとも「自閉症らしい」タイプといえる孤立型。人がそばに近づいても反応しなかったり、
名前を呼ばれても返事をしなかったり、体に触れたり物を当てられたりしても気づかないタイプです。
- このような子と遊ぼうとか交流を持とうとしても、「遊び」というのが人と遊ぶのではなく、
難しい作業をさせたり、自分にできないことをしてもらいたいだけであるため、ちっとも実感が湧かないでしょう。
- 典型的な「自閉症」では普通にみられる様相ですが、アスペルガー症候群でも幼いころは孤立型になることがあります。
けれども知的能力には異常が認められないため、早期に診断ができることはあまりありません。
- 受身型
- 「普段は孤立しているが、仲のよい友だちが来ると楽しそうに遊ぶ」というタイプの受身型。
年長の人たちからは慕われることが多く、一見すると上手く交流が持てているようにみえます。
しかし、問題のないように思われるところが問題で、教師からあまり関心を示されないことがあるため、
陰でいじめに遭っていても気づいてもらえないなどの被害が起きやすいタイプです。
- 従順で素直すぎることが少なくなく、友人からいろいろ無理な要求をされやすく、
著しいストレスを経験することがあります。目立たないゆえに問題の発覚が遅れてしまい、
思春期の前後になってから深刻な事態に陥ることが多いようです。
- 積極・奇異型
- アスペルガー症候群では典型的ともいえる積極・奇異型。自閉症には見えません。
ようするに積極性があるため、「自閉という言葉のイメージ」と正反対に思われるタイプなのです。
- 自閉より、むしろ「自開」という感じがし、よくしゃべるし、表情も豊かだったり、冗談も言ったりするため、
思春期までは順調な対人関係を築き上げているかのように思われがちです。
しかし実際には、対人関係は非常に一方的な展開をしていて、まったく相互的な交流を持てていないのです。
ただ自分の知識を表明しているだけとか、それに対する他者の意見を聞きたいだけ、批評をしたいだけ、
自分の考えを押しつけているだけだったりします。社会人の年齢に達すると、とくにトラブルメーカーとなります。
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