2007/07/29 追加
erudition-0047
音楽学初歩……フーガの理論
ちょっと調べれば解りそうな程度の「フーガ」についてです。

フーガの理論:
要するに輪唱の応用。
第一声が主調で始まり、第二声は遅れて属調(もしくは下属調)で参加する。
さらに遅れて第三声が主調で参加する(これでメロディーラインが同時に三つ)。
さらに遅れて第四声が属調(もしくは下属調)で参加する(これでメロディーラインが同時に四つ)。

たとえば:
「どみどみ・そそそ・ふぁそふぁみれふぁ・みふぁみれど」とテーマをCメジャーで第一声が奏でたとすると、
第二声はかようになる。

「そしそし・れれれ・どれどしらど・しどしらそ(Gメジャー、Cから見て、五つ上)」
あるいは、かようになる。
「ふぁらふぁら・どどど・しフラットどしフラットらそしフラット・らしフラットらそふぁ(Fメジャー、Cから見て、五つ下)」
もちろん、第二声とか第四声とかテーマを歌っているとき、第一声とか第三とかサボるわけにはいかない。Gメジャーパターンならば
「そ・ん・そ・ん・そらしどれ・ららふぁシャープら・らら、そふぁみれ」
などと伴奏に甘んじたことをする必要がある。なおかつ、次に主調(この例ならばCメジャー)に戻る必要がある。
Gメジャーでダラダラ流すと、Cメジャーに戻れない。ここで、無理なく、不自然ではないように、GからCに転調を導く必要があるのである。

簡易(安易?)に変奏を作れるためか、古典期においては、重宝された、らしい。しかし、やはり簡易(安易?)だったためか、ハイドンは

フーガから脱却することにより大家になった
などと評する人も出るぐらいである。

ちなみに、フーガは、「遁走曲」と訳される。「逃げていく曲」……。何が「逃げる」のか、よくわからないが、
五度(あるいは四度)ずつズレてたたみかけている様子が、「逃げていく」ように見えたのか、解らない。
#そこは、イタリア人のセンスによるのであろう (フーガは、イタリア語、「逃走」)。
なお、表ページに掲載曲は、本当に、「激しく逃げようとしている」ようにも聞こえる。
#それはMIDIがアップテンポなだけかw。