フーガの理論:
要するに輪唱の応用。
第一声が主調で始まり、第二声は遅れて属調(もしくは下属調)で参加する。
さらに遅れて第三声が主調で参加する(これでメロディーラインが同時に三つ)。
さらに遅れて第四声が属調(もしくは下属調)で参加する(これでメロディーラインが同時に四つ)。
たとえば:
「どみどみ・そそそ・ふぁそふぁみれふぁ・みふぁみれど」とテーマをCメジャーで第一声が奏でたとすると、
第二声はかようになる。
「そしそし・れれれ・どれどしらど・しどしらそ(Gメジャー、Cから見て、五つ上)」あるいは、かようになる。
「ふぁらふぁら・どどど・しフラットどしフラットらそしフラット・らしフラットらそふぁ(Fメジャー、Cから見て、五つ下)」もちろん、第二声とか第四声とかテーマを歌っているとき、第一声とか第三とかサボるわけにはいかない。Gメジャーパターンならば
「そ・ん・そ・ん・そらしどれ・ららふぁシャープら・らら、そふぁみれ」などと伴奏に甘んじたことをする必要がある。なおかつ、次に主調(この例ならばCメジャー)に戻る必要がある。
簡易(安易?)に変奏を作れるためか、古典期においては、重宝された、らしい。しかし、やはり簡易(安易?)だったためか、ハイドンは
フーガから脱却することにより大家になったなどと評する人も出るぐらいである。
ちなみに、フーガは、「遁走曲」と訳される。「逃げていく曲」……。何が「逃げる」のか、よくわからないが、
五度(あるいは四度)ずつズレてたたみかけている様子が、「逃げていく」ように見えたのか、解らない。
#そこは、イタリア人のセンスによるのであろう
(フーガは、イタリア語、「逃走」)。
なお、表ページに掲載曲は、本当に、「激しく逃げようとしている」ようにも聞こえる。
#それはMIDIがアップテンポなだけかw。