「そらおと」には、SF的な兵器が頻出する。また、漫画という表現媒体の特質上、「表現された事物を写実的に看取してはならない」というお約束が存在する。
というのは、(「デト・トネドラ」にも記述したが)登場人物の背後に燃え盛る炎が描かれてあっても、「火事に巻き込まれた」のではなく「火を発しかねない程の怒りの漫符」と受け取らねばならないからである。それはともかく。
「そらおと」の「武器」「装置」には、「われわれのテクノロジーと同じ物」もある。しかし、額面どおりに受け取るのは危険だろう。
電波を投射して反射波を受け取って(主に)金属物体を探知する装置、と考えないほうが無難である(同様に、「ステルス」もわれわれの「レーダー」に対して隠密性がある、と考えないほうがよい)。
ここは、SF的に「三次元的な何か」すなわち「存在そのもの」を何らかのテクノロジーにより検出するシステム、と考えたほうが良さそうである。 たとえば、第6巻177ページのニンフのセリフ:レーダー性能がかなり落ちてるから/水はちょっと探知できないかも……いや、超音波を使えるなら、地中の液体の検知ってできるのでは?
という疑問は封印しよう。質問者(生徒会長・女性)が、わざわざ「レーダーで」と言っているのであるから。SF的な物体検知機能がある、という考察は、 他にも証拠がある。
たとえば、アストレアが「釣り針の餌(遠隔地・水中)」の「匂い」を嗅ぎ分けた事を想起されたい。空中・水中に浮遊する分子を捕捉したというよりも、 むしろSF的に「遠隔地の摂食可能な物質の概要を検知した」という事を「匂いがする」と表現した方が、自然(?)である。
さらに第10巻、ニンフが「レーダー」を用いて竜巻の中にエンジェロイドを発見するシーンのインターフェースと、第2巻ニンフがαに 「ねえ……いいかげんアルテミスの捕捉解除してくんない?/頭の中ミサイルアラート鳴りっぱなしでおかしくなりそうなんだけど!」と不平を述べるシーンの インターフェースが酷似している。
グローバルデザインとして統一されているとも考えられるが、同一の「レーダー」システムを利用しているとも考えられる。
エンジェロイドを発見するのは、通常のレーダーでも可能(?)であろうが、「自らターゲット・ロックされている」と検知可能なシステムと判断するほうが、 無理からぬ。
「そらおと」においては、「探知妨害」あるいは「(好人物と)誤解させる」という文脈に用いられる。
詳細は、ネタバレになるので記述を避けるが、シナプスには「生命体の頭脳について、惑星規模に干渉する能力がある」事が証明されている (Ζ登場直前のシーン)。
また、後述のように、実際に「惑星規模」を超え、次元を超えた干渉が可能である。
「粉々にしてやる」効果不明。ただし、「敵を粉々にする意図」のある兵器と想像できる。
「ドオオオオン」砂埃、地面が抉られる。この描写のみならば、音速を超えた物体の発射・発生する衝撃波を用いた兵器と判断可能ではある。しかし、後述の理由により、この方法は却下される。
「ドカアアア」と「竜巻」を乱す。「竜巻」の正体が不明(一応、気象兵器? デメテルの現象らしいが)であるため、乱したのが何物かは不明。
石化した主人公・アストレアにヒビを入れて「ゴバン」と砕き割る。ただし、この「石化」および破砕は、あくまでも漫符と受け取るべきである。
- 前頁に続いて、同じ(?)町の動物園の動物たちが目を回し落涙
- Ζの目を回しノックアウト
- 作物が「しおしおしお」と枯れ、「バラバラッ!!」と粒子状に散る
- さらに前頁から続いて、シンガポール・ニューヨークと思しき都市に到達する
- 月・金星・水星と思しき衛星・惑星に到達し部分的な亀裂・破損を生じさせる
さらにさらに続いて、太陽に影響をもたらす原文では「太陽が欠けた」とあるが、字義どおり受け取らないほうが無難。なお、太陽と比較して惑星が大きいような気もするが、 あくまでもイメージと理解しよう。
- 人々から言葉を(一時的に)奪う(テレビ番組・人々の会話・犬の鳴き声が全部「ホゲ」になる)。
- 結果として「世界中の紛争が終結」「人類は有史以来初めて平和を手にする」 (アメリカ合衆国大統領と思しき人物と、アラブ系テロリスト・リーダーと思しき人物が、二人揃って笑顔で握手する)