2007/07/20 追加
erudition-0045
ロシ「ヤ」語初級講座(1)……当サイトが「ヤ」と書く理由
当サイトがわざわざロシ「ヤ」と記述する理由を書きつづりました↓。

日本語での表記は「ロシア」が推奨される。また、露和辞典・和露辞典ともに、かの国のことを日本語で「ロシア」と表記している。
……なぜ、私は、わざわざロシ「ヤ」と書くのか、以下に記述する。

日本人を含む外国人に頓着せず、かの国の人は自国をかように表記する。

РОССИЯ
すなわち、
「える・おー・えす・えす・いー・やー」と書く。逐次的にキリル文字をラテンアルファベットにすると、かようになる。
ROSSIYA
すなわち、ローマ字を直接カナ書きするとロシヤである。
より近い発音ならば(アクセントはイにあるので)「ラスィーヤ」である。なお、一般に、アクセントのない「ヤ」は、「イェ」に聞こえるとも言う。すると、「ラスィーヤ(イェ)」に近いかもしれない。ちなみに、英語もロシヤ語も、アクセントのない母音は、微妙に幽玄な発音となる(はずである)。
ちなみに、ロシヤ語において、「イ」の次の「ア」は常に「ヤ」で表記される。なぜならば、その方が彼らにとって(もちろん私にとって)発音しやすいからである。したがって、シの「イ」音の次の「ア」音は、当然ながら、「ヤ」となる。したがって、必然的に、彼らの国は「ロシヤ」であって、「ロシア」ではない。

私も、日本語において、かの国を「ロシア」と書いて良いと思う。ただし、下記の条件を満たす場合に限られる。

日本人が自国の首都「東京」を「とうきょう」ではなく「ときよ」と表記すること。
日本人が「大阪」を「おおさか」ではななく「おさか」と表記すること。
そして、日本人が「日本」を「にっぽん」ではなく「にぽん」と表記すること
以上の条件が満たされれば、私は私的な文書にも、「ロシヤ」と表記することに躊躇するまい。「にぽん」も「ときよ」もない状態では、私のサイトに(基本的に)「ロシア」は、ない。

蘊蓄の上塗り:

キリル文字の法則を考えれば、ブルガリ「ヤ」・セルヴィ「ヤ」となりそうだが、私にロシ「ヤ」ほどの愛着も何もないので、「ア」で表記する。
どこかに書いたが、「ギリシア」という国は、ない。「エラダ」あるいは「エラザ」となる。ダかザで揺れるのは、現代ギリシャ語のデルタ(Δ)が英語のTH(ThisのTH)と同じ発音になっているからである。「でそいずあぺん」か「じすいずあぺん」か……。
で、問題は、「アラビア」……。非常に困ったことに、アラビア語において、YとIは同じ文字だったりする
(ヤー、独立形あるいは接尾形ならば、右向きの蛇の下に点が二つ、以外の位置ならば筆記体のiただし上の点がなく、下に点が二つ)。
実は、アラビア語の発音・文字体系は日本語とも欧米語とも革命的に異なる。意外と「アラビア」という言葉をアラビア語で書くと難しくなるので、ここは発音も文字も簡単な「ケニア」をアラビア語で書いてみよう。
……と言語設定しないと書けないね(爆)。それはともかく。
「ケニア」をアラビア語で書くと、かようになる。
ひらがなの「て」を左右逆にして少し下に向けた文字、「カフ」・上述の「ヤー」・アルファベットiの筆記体の「ヌーン」・「ヤー」・縦棒一本の「アリフ」
……。で、バカヤロは「アリフ」を「A」と同一視する(したから、今日のアルファベットがある)。それはともかく、「ケニア」と書いたアラビア文字を、正確に、ラテンアルファベットに変換してみよう。
KYNY何かの母音の長音
……これらの文字で、アラビア語を発音すると、「キーニヤー」に聞こえよう。詳細は避けるが、「アラビア」という言葉の後ろのほうも「ヤー」に聞こえるはずである。では……私はアラビ「ヤ」と書くのか?
書かない。アラビア語に母音は「ウ」「ア」「イ」の三種類しかない。半母音の「ヤ」が聞こえるのは(原理主義的に考えれば)錯覚である。しかも、そもそも、アラビア語において重要な発音は子音である。イ段の後に「ア」が来ようが「ヤ」が来ようが、知ったことではない(アラビア語の学習が進むと、「ヤ」と書きたくなるかも知れないが)。
さて。わざわざ「ケニア」を出した理由は、最後に「スワヒリ語」(アフリカ東部)で「ケニア」をどう表現するか、検討するためである。
スワヒリ語の文字は、ラテンアルファベットとほぼ同じ。「ああ、それならば学習しやすそうだ」とバカヤロは考える。実は、スワヒリ語の言語構造は、中米現地のマヤ語と似ており、文字どおり欧米・アラブ・トルコ・日本と驚天動地の相違がある(*cf. 0046)のであるが……。ここでは触れない。
スワヒリ語でケニアは「KENYA」と書く。
「おお、では、ケニ『ヤ』と書かなくては」
などと早合点してはならない。
全くの偶然であるが、「NANINUNENO」をスワヒリ語風に発音すると、「ナヌィヌネノ」となる。日本語の「ニ」は、スワヒリ語で「NYI」である。つまり、どのように発音しても日本語で「ニ」と言っている限り、「ア」と発音したくてもスワヒリ語では「KENYA」と聞こえるはずである。したがって、当サイトでは「ケニア」とする。

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