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16和音にだまされるな

2001/11/29

 16和音機種用の着メロコーナーを作っといて言うのも何ですが、 着メロに 16和音なんて必要ですか?

 いや、楽しいんですよ。 作るのも、聴くのも。 まあ、アラームをセットしておいて、 朝にロッシーニ/ウィリアム・テルとかが鳴り出すと、 まだビックリするんですけど…。

 16和音が必要ないというのは、 どうも全然ハードが追い付いていないと感じられるからです。 ソフト側で5〜8オクターブとか出せて (8オクターブも出る携帯あるのか?)、 16和音や24和音に対応してても、 スピーカーがへなちょこなので、 全然、音源を使い切れないですね。 協和音はまだ多少ましですが、 不協和音を出そうとするとハチャメチャになったりもします。

 あと、 私がファゴット吹きだからよけい思うのかも知れませんが、 低音が弱すぎますね。 まあ、これもほとんどスピーカーの問題で、 音源は頑張って出そうとしてるんだけど、 ほとんど聴こえません。 他の音に混じってしまうと判別不能な状態です。 ちなみに、 今現在発売されているどの携帯でも コントラファゴットや五弦ベースの最低音は出ません。 ですから、 「クラシック音楽でも〜」とか 「オーケストラを〜」とか言っている携帯のCMは嘘です。 上の方はピッコロの音域くらいまではカバーしてるのかな? (クライネソプラニーノリコーダーの音域はたぶん無理です)

 なもんで、 某着メロコーナーの曲では、 7〜9和音程度でおさえています。 まあ、オケを表現しとうと思ったら、 管楽器だけで16音なんて使い切っちゃうから、 音を削るのは当たりまえなんですけどね。 で、低音部も泣く泣く削り (チェロかファゴットを消さなければならないとしたら、 消すのはどうしてもファゴットさ)、 どうしても、ペラペラな曲になってしまうのですね。

 とはいっても、 これは私が新しく持った某機種の話であって、 他の機種はもしかしたら違うのかも知れません。 でもまあ、同じくらいでしょうね。 物理的に考えて、 携帯に収まるサイズのスピーカーの音質ってこんなもんでしょうから。

 ってなわけで、 「16和音」が出せるかどうかと 「16和音」が聴ける(聴くに耐えられる)かどうかは全く別の問題です。

 音の3要素は「音量」「音程」「音色」。 これに時間的な変化が加わって初めて音楽になります。 携帯の着メロ用のフォーマットでは、 曲中で音量、音色は固定なんていうのも少なくないですから、 まだ、 「音の3要素を時間的に変化させる」 という音楽の根本すら満たしていないわけです。 なのに、 「素晴らしい音楽を奏でられる」とでもいいたげな和音。 どうしても音楽がわからない素人をだましているような感じがします。

 一方的な和音競争になってしまって、 音楽自体はどうでもいいというように扱われると悲しいですね。


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