実は今年のお正月にゲームキューブを買いました。 ソフトは2つ。ピクミンと大乱闘スマッシュブラザーズDXです。 (※このページは決してソフトレビューとかじゃないです)
で、最初はピクミン。
ピクミンといえば、 愛の歌「今日もはこぶ、たたかう、ふえる、そして、たべられる〜♪」という、 なんとも斬新な歌詞と独特な歌声のCMソングによって一躍有名になったゲームですよね。
世間一般では愛の歌は癒し系らしいのですが、 私はちょっとこの歌詞では癒されないですね。 あ、もちろん「愛の歌」は大好きですよ。 ヴォーカルの方の独特な歌声と切ないメロディー、素朴な伴奏。 そしてこの歌詞。 全部好きです。 ただ、これで私が癒されることはないっていうだけです。
で、この歌とCMで見るピクミンの愛らしさにだまされて、 私はこのゲームを世間一般にいう「癒し系」のゲームだと思っていたんです。
…実際にやってみて、その考えは思いっきり否定されました。 ピクミンってゲームはあまりに残酷で悲しくなるゲームです。
このゲームを実際にやってみて「癒される〜(はあと)」なんていう奴は血も涙もねー!
まず、このゲームのストーリーを知っていますか?
簡単に言うと…
- ゲームの主人公、オリマーさんの乗った宇宙船が故障して某惑星(たぶん地球)に墜落。
- その惑星にはオリマーさんにとって猛毒である酸素が充満している。
- 生命維持装置は30日間しかもたない。
- 宇宙船のパーツは30個にわかれて、あたりに飛び散ってしまった。
- というわけで、30日間で30個のパーツを集めてその惑星を飛び立たないと命はない。
という設定。 なんともブラックです。
で、ピクミンにその作業を手伝ってもらうんですけど、 この作業が「愛の歌」そのまんまなんですよ。
オリマーがピクミンをひっこ抜くと、 ピクミンはオリマーのまわりをついてきて、 オリマーの命令にとことん従います。 宇宙船のパーツを運んでくれたり、 敵(某惑星に住む猛獣?)と戦ってくれたりします。
ただし、この敵との戦い方が狂悪です。 オリマーが近くをついてきているピクミンをつかんで敵に向かって放り投げるんですよ。 自分を慕ってついてくる、あのとても愛らしいピクミンを鉄砲弾に使わなければならないんです。 敵の足もとにピクミンを投げつけ敵を足止めし、 そいつらが敵に喰われている間に(敵の足元は一番喰われやすい)、 敵の背後にまわり、またピクミンを投げつける。 ってのが主な戦い方です。
ピクミンがあまりに愛らしいためにオリマーの行動の狂悪さは何倍も凄まじく感じられます。
しかも、ピクミンは文句一つ言いません。 命令されるままに奴隷のように働きます。 その姿は健気ですらあります。
でも、そのピクミンたちを鉄砲弾のように使わなければオリマー自身が死んでしまうのです。 それでもやっぱり、 ピクミンがあまりに健気であるためにオリマーの行動は凄まじく狂悪に感じられるのです。
このジレンマに耐えつつ、 私の操作するオリマーさんは地道に宇宙船のパーツを集めていました。 でも、最初のプレイでは、 プレイヤーたる私がこのゲームのコツを理解するのにピクミンの時間で15日間もかかってしまい、 オリマーさんは30日間で15個のパーツを集めることしかできませんでした。
もちろん、 オリマーは惑星からの脱出失敗。 それは予想していたのですが、 エンディングがこれまたブラックでした。
これ以上はネタバレになってしまうので語るのはやめましょう。 でも、夢に出てきそうなブラックなエンディングだったのは間違いありません。 気になる方は是非プレイしてみて下さい。
癒されないこと請け合いです。 癒されたい方は他のゲームをプレイする方が懸命です。 爽快でもありません。 心を鬼にする必要があります。 ピクミンの犠牲の上にオリマーの命があります。
なかなか2度目のプレイをする気分になれません。 もう1度プレイすればきっとオリマーを助けられると思うのですが、 前回のプレイよりももっとピクミンの命が犠牲になると思うのです…。
ここで終わってもいいのですが、少々フォロー。
ゲーム(パズルゲームかな?)としては面白いです。 あと、ピクミンは可愛いです。 まあ、だからこそ狂悪な部分が目立つんだけど…。(←フォローになってません)