BLACK and WHITE
〜 第3話 〜
彼には僕に無い全てを持っていた。 僕が欲しいと思う全てを手中に収めていた。 僕がどれだけ頑張っても、絶対に手に入らないものを彼は手に入れている。 悔しくて堪らない日々が続き、僕は彼に対して憎しみにも似た感情がふつふつと湧き上がっていた。 長い間、僕はその感情を押し殺して生きてきた。 そう、途方も無いほどの長い時間だった。 …それがもう二年も過ぎた。 半ば諦めかけていた時、僕にチャンスが訪れた。 輝くような才能を持ったあの子。 まるで彼が再び現れたようだった。 彼もあの子の事をとても気にしていた。 だから部の規則を破ってまで、あの子と学校の外で試合をしたんだろう。 隠しているみたいだけど、僕は気が付いているんだ。 だって隠していても分かるよ、凄く不自然だったもの。 そう、あの子の存在が僕に彼への『復讐心』を生まれさせた。 彼からあの子を奪う。 それが僕にたった一つ残された復讐。 奪うといっても、もう彼とあの子はお互いを想い合っているから、僕が間に入るのは難しいに違いない。 それは今日の出来事で判明した。 でも、あの子の『身体』に僕を残したら彼はどうするかな? どうやらまだ彼はあの子の身体の奥には触れていないみたいだし。 これは僕の推測だけど普段の部活を見てみたら、全く違和感が無いからね。 身体の関係があるのなら、どこかに支障があるはずだから。 僕は男とはした事無いけど、女の子でもした後ってちょっと身体がだるそうだからね。 ふふ、楽しみ。 彼が大切にしているものをこの僕が奪う…。 あぁ、彼の悔しそうな顔が脳裏に浮かぶよ。 |
何かが起こる…。