【最高点句】

えみこ・牡　丹・宗　匠選 　　練習の恋猫ゆるき猫パンチ　　　　　万　州

牡　丹・緑　山・宗　匠選 　　読み終えるに惜しく目をやる春時雨　たま児

芳　子・えみこ・緑　山選 　　激論もややうわの空春の風邪　　　　たま児

【二点句】

　　　　えみこ・緑　山選 　　経絡を何かが巡る春立てり　　　　　たま児

　　　　芳　子・たま児選 　　八十路して三度の上梓紅椿　　　　　えみこ

　　　　牡　丹・宗　匠選 　　麦青む豆腐売りの声甲高い　　　　　緑　山

　　　　たま児・宗　匠選 　　愚痴を言ふ子の出てひとり春炬燵　　芳　子

　　　　えみこ・宗　匠選 　　妻の座や公魚山と揚げもして　　　　牡　丹

【一点句】

　　　　　　　　緑　山選 　　何をするあてなきままに暮かぬる　　泰　子

　　　　　　　　牡　丹選 　　バスを待つ春の光の中に待つ　　　　緑　山

　　　　　　　　えみこ選 　　春未だき本読みたくも本屋なき　　　雅　馬

　　　　　　　　芳　子選 　　受験期や音沙汰やみし義理の姉　　　牡　丹

　　　　　　　　たま児選 　　いつだっけバレンタインていつだっけ　万州

　　　　　　　　たま児選 　　マンションの小さき保育所黄水仙　　えみこ

　　　　　　　　緑　山選 　　春兆す古書の匂ひもかいでみたり　　たま児

　　　　　　　　牡　丹選 　　暖かや敷居に座わり本開く　　　　　芳　子

　　　　　　　　芳　子選 　　書を置いて二月の山に行きましょう　　万州

　　　　　　　　たま児選 　　下萠えや今日も携帯は受信なし　　　緑　山

　　　　　　　　えみこ選 　　ふるふると輪郭ゆれて春逡巡　　　　牡　丹

　　　　　　　　芳　子選 　　さりげなく交わす言葉に雪解風　　　泰　子

　　　　　　　　たま児選 　　月明かりひときわリラに注がれし　　牡　丹

　　　　　　　　牡　丹選 　　散歩終へ湯に身を沈む余寒かな　　　泰　子

　　　　　　　　緑　山選 　　誰彼に声を掛けたき青き踏む　　　　えみこ

　　　　　　　　宗　匠選 　　一斉に恋猫となる朝うとまし　　　　万　州

【2004/３月例会（111回）のお知らせ】
日　時：3月12日（金）
会　場：芭蕉記念館　本館二階

兼　題：「涅槃」「桜餅」「当季」 で　５句
（日程等は変更になる場合があります）

【兼題解説】
＊「涅槃」は「釈尊の入滅の日」です。「涅槃会」「涅槃図」「涅槃西風」
＊「桜餅」、第１回の席題に因み、毎年この月にはこの題で詠んでいます。
＊「当季」、三月六日の啓蟄以降なので「仲春」となります。