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不存在のものとの取引き 1月24日 Le Monde Avec AFP et Reuters 大量破壊兵器発見の任務を負ったISG(イラク調査団)の責任者デヴィッド・ケイ(David Kay)は、バグダッドの政権は禁止された兵器を貯蔵していたとは思わない、と辞任するときに断言した。 コリン・パウエル(Colin Powell)国務長官は、大量破壊兵器が存在するかしないかは宙ぶらりんの疑問のままである、と語った。〈彼らがそれを持っていたなら、どこへ行ったか?持っていなかったら、なぜそのことがあらかじめ知られなかったか?〉 1月25日 Le Monde Avec AFP デヴィッド・ケイは、サンディ・テレグラフ(Sunday Telegraph)のインタヴューで、イラクの大量破壊兵器の一部は戦争の直前シリアに移送された、と断言した。〈その証拠は見つかった。〉 1月30日 New
York Times By RICHARD W. STEVENSON 29日、コンドレーザ・ライス(Condoleezza Rice, the national security adviser)は、三つのTVモーニング・ニュースに出て、たとえ大量破壊兵器が存在しなかったことが認められても、戦争は正当であるというメッセージを送った。〈サダム・フセインとともに、私たちは誰かと取り引きしていた、その誰かとは大量破壊兵器を使ったことがあり、二度隣人を攻撃して、彼の国でテロリストらが動き回るのを許し、彼の国の外でテロリストらに資金を供給していたものです。〉 "With Saddam Hussein, we were dealing with
somebody who had used weapons of mass destruction, who had attacked his
neighbors twice, who was allowing terrorists to run in his country and was
funding terrorists outside of his country," Ms. Rice said on the
"Early Show" on CBS. 〈そんなわけで、大量破壊兵器の報告を拒否したり開発計画を隠す努力をしたという彼の歴史を考えると、これは世界の非常に危険な地域にいる非常に危険な人間でした。〉 "Given that, and his history
of refusing to account for his weapons of mass destruction and his efforts to
conceal his programs, this was a very dangerous man in a very dangerous part
of the world," she added 〈疑いもなく、私たちはイラクに戻って、私たちが見つけようと考えたものと実際に見つけたものとを較べる必要があるでしょう。〉〈そのとき、私が思うに、どれほど核増殖の問題で高度に秘密主義の体制と取引きしたかということについて重大な疑問が起きます。この体制は大量破壊兵器を獲得するために二元的利用のテクノロジーを使っているのです。〉 There is no doubt "that we're
going to need to go back and compare what we thought we would find with what
we found," she said on "Good Morning America" on ABC.
"And at that time, I think there are important questions about how we
deal with the proliferation problem with highly secretive regimes that are
using dual-use technologies to acquire weapons of mass destruction." 〈事実は、世界にとって問題である大量破壊兵器プログラムが過大評価ではなくて常に低く見積もられつづけてということです。〉〈核計画の拡張と性質を隠そうと彼らができることは何でもやっている非常に閉鎖的な社会との取引きの問題です。〉 "The fact is, it's usually
been underestimation of programs of weapons of mass destruction, not
overestimation, that has been the problem for the world," she told ABC.
On CBS, she cited "a problem of dealing with very closed societies that
are doing everything they can to hide the extent and nature of their
programs." ★イラクでの調査は85%しか済んでいないが、ケイは、判断はみんな間違いだったと感情的に広言して世論を騒がせた。 それに反論したアメリカ政府の発言は、正解を教えないで考えさせようとする教師の態度のようだ。そして、イラク攻撃の正当化には核時代の国際テロリスムに関するかぎり、真実味がある。疑わしい権力集団は処罰しなければ犠牲が大きい、ということだ。その〈誰か〉とは、これもやはり宙ぶらりんの疑問で言われたが、1945年第2次世界大戦が終わって以来冷戦の間アメリカが世話をした双面の怪物的な《不存在》なのだから、責任を少しでも感じて国際経済においてもカタストロフが起きないように慎重に扱うべきだろう。 ★ |
Updated 2004.2.4 日本人が自由と言えないときに 自衛隊が出る ☆2月3日午後、イラクに向けて陸上自衛隊の本隊が新千歳空港から出発した。BBCによれば、イラク復興の基盤整備、主に水と薬の供給のためである。第一陣隊長清田安志一佐は、こう語った〔1〕。〈日本の代表としてイラクの国民のため、日本を含めた世界の安定のため、精一杯努力したい。〉 安定とは、自民党が選挙で国民の選択を迫るときに投げつける常套句である。海外に出かけて〈日本の安定のために〉と言うのは決まりが悪いので、仕方なく〈世界の安定〉と恰好をつけたにすぎない。徳川時代は世界史でも例がないほど300年の安定した社会だったが、民主主義はもちろん人間という概念さえ持てなかった反自由体制を肯定する国民はいないはずだ。 小泉純一郎首相は、去年12月9日自衛隊派遣の基本計画を決定したとき、議会の先導者らしい認識を披露した。〈日本国の理念、国家としての意思が問われている。〉〈これはイラクの人道復興支援のために活動してもらうということです。武力行使はいたしません。戦闘行為も参加いたしません。〉 国家としての意思は、憲法にしたがうかぎり主権者である国民の意思を道路として走らなければいけない。今度のように緊急性がない事態では、少なくとも事前に国民の代表機関である国会の承認を得る手続きが必要だと思う。 決定された意思は、日本国の理念に反するものであってはならないが、首相がその言葉でどんな内容を指示しようとしたのか?憲法が規定する理念だとすれば、自由の尊重を知らん顔で消すことはできないのだが、それについて国際テロとの戦いのスタートからブッシュ大統領がイラク攻撃の理由として執拗なほど繰り返したけれども、日本政府は古い伝説の中で聞いた科白のような、あるいは、握り飯を包んだ新聞紙の黒い活字を見るような、デモクラシーの栄養失調症的な態度をつづけている。
自由を暗殺すれば、いずれ自分も生きるのが困難になる。小泉首相が言った〈人道〉をアメリカ語にどう翻訳すればいいのか、HHJは分からない。 日本の社会的な掟である〈自分を殺すこと〉、か? BBC NEWS Last Updated: Monday, 26 January,
2004, 11:56 GMT 日本の軍隊が第2次世界大戦後はじめて戦闘地域に参加する。 日本の憲法は国際紛争において武力の行使を禁じている。しかし、日本政府は、国は自衛隊を動かす権利があると主張する。 共同通信 2004年2月2日
アーミテージ(Richard L.
Armitage)米国務副長官は2日午後〔2〕日本記者クラブで会見し、日本の憲法改正や集団的自衛権の行使に関する解釈見直しについて「もう少し(解釈に)柔軟性があったらいいと考えている」と注文を付けた。 国会は2日、衆院での自衛隊イラク派遣承認案件などの与党単独採決に反発する野党が参院予算委員会の出席を拒否、終日空転した。 ☆ 1 TBSi 2 米 : アメリカ合衆国 憲法と自衛隊の問題に安全に接近するために |
Updated 2004.2.10 モスクワ で カミカゼ
D ☆2月6日、朝のラッシュアワーにモスクワの地下鉄で爆破テロが起き、少なくとも39人が死亡、100人以上が負傷する血まみれの大惨事になった。カミカゼテロと見られている。モスクワでは、金属探知機の使用とプラットフォームの警備でテロ警戒態勢を強めていた。あるアナリストは、モスクワで安全保障は無理だ、大都会で、そのうえ警察が腐敗しているから、と語った。 プーチン(Vladimir
Poutine)大統領はチェチェン独立派の反抗と断定して、〈国際テロは21世紀のペストだ。ロシアは彼らを除去する。〉しかし、チェチェン共和国マスカドフ(Aslan Maskhadov) 大統領は、常にテロという手段に反対しているが、地下鉄テロでも役割はないと関係を否認した。〔1〕 共同通信 23:52 2004/02/07 小泉純一郎首相は7日昼、東京都内での「北方領土返還要求全国大会」に出席した。首相はあいさつで北方4島の帰属を明確にして日ロ平和条約締結を目指す考えを強調し、環境整備のためロシアとの交流を促進し、信頼関係構築に取り組む意欲を表明〔2〕。 TBSi 2004.1.30 ユーラシア新世紀 ジャーナリスト 藤村幹雄 択捉(エトロフ)島は宝島〔3〕---北方領土の択捉島がレアメタルや貴金属の宝庫であることは、あまり知られていない。特に、島の北部にあるクドリャブイ火山は、火山ガスが戦略物資のレニウムなどを含有しており、開発が成功すれば、世界全体の生産量にも匹敵し得るという〔4〕。 ☆自衛隊がイラクに足を踏み入れるとき、国際テロ組織が予告した東京テロを恐れていると、モスクワで悲惨なカミカゼが吹いた。犠牲になられた市民と遺族の人たちに哀悼の意を捧げる。この心理的なインパクトは東京でも深刻だろう。 ところで、チェチェンとロシアの争いには石油資源という軸がある。日本とロシアの間には、高価な金属資源が眠る北方領土がある。この経済的な価値と歴史的な情念と政治宣伝は、猛烈な化学反応を起こすにちがいない。小泉首相は平和条約実現のために相互的な信頼を築き上げる意思を表明したが、寝ぼけているとしか思えない。タイミングがいいのか悪いのか? ☆ D 1 AFP, Le
Monde, Washington Post, New York Times 2 政府は1855年2月7日に日露通好条約が結ばれ、北方4島が日本の領土と確認されたことから、この日を「北方領土の日」と定めている。 3 エトロフ島は1941年11月パール・ハーバー奇襲に向かう日本帝国海軍の出撃地で、人間の記憶に深く名前が刻まれている島である。日本には、その〈名誉の返還〉を要求する権利はない。 4 航空宇宙機器やミサイル部品、石油精製の触媒などに利用される戦略物資。 北方領土に関する会話に参加してみる |
Updated 2004.2.12 ロシアと日本の間で戦争の序曲
読売新聞 Web 2月8日 01時46分 更新 【モスクワ=古本朗】〈ロシアのプーチン政権は今月中旬、米国との核戦争を想定した軍事演習を実施する。〉 〈露軍筋によると、演習には戦略爆撃機、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、核ミサイル搭載の原潜から成る「戦略核戦力の3本柱」がすべて参加、首都を襲う敵ICBMの迎撃を担う宇宙軍師団まで動員される。〉 〈「7時間の世界核戦争」とあだ名された1982年の旧ソ連軍演習以来、これほどの規模の演習は初めてで、米国を念頭に置いたものであるのは明白。〉(明白である理由は言わない!) KYODO(共同通信) 2004年02月10日(火) 〈日本がロシアに宣戦布告してから100年目に当たる10日午前、自民、民主両党の有志国会議員らによる超党派の「日露戦争に学ぶ会」が発足、中曽根康弘元首相のほか自民党33人、民主党10人が明治天皇を祭った明治神宮を参拝した。同会には自民党から亀井派の亀井静香元政調会長や橋本派の藤井孝男元運輸相らが、また民主党からは鳩山由紀夫前代表ら保守系議員が参加。将来の政界再編も視野に日本の国家像について議論を重ねるという。〉 産経新聞
2004年02月11日(水) 小泉首相は、〈靖国神社参拝について中国と韓国がA級戦犯の合祀(ごうし)を理由に反発していることに対し、「戦没者に哀悼の誠をささげるのは人間として自然な感情だ。」〉 HALF AND HALF JOURNAL ☆アメリカに戦争を仕掛けて無条件降伏すれば、極東の島国のようにアメリカは驚異的な経済繁栄を可能にしてくれるというので、ある小国がアメリカに宣戦布告した。作者の名は忘れたが、フランスにそんなユーモア小説があった。犠牲がなければ、おもしろい政治戦略である。食糧と文化と教育がただでたっぷりもらえ、おまけに民主主義的な憲法も混乱なく制定できる。言うことはない。これは9.11テロ事件後の北朝鮮の心理の背景にちらっと浮かんだものだ。しかしながら、あろうことか、最近次々と飛んでくる情報は日本政府がロシアに対して同じレールを再び自暴自棄的に走ろうと企んでいると想像させるに十分である。こんな過激なジョークは、国会議事堂にいる正体不明の権力つまり自民党その他と謀略機関がおかしな鋳型を作って市民の思考をはめ込むからである、と先に弁解しておこう。 ロシアは、そうなれば、気前よく敗戦国に各種取り揃えた贈物をもたらすだろうか?北秋田の住民の中には〈ダー〉と答える者が結構いるかもしれない。ロシア語では〈そうだ〉という肯定の意味だが、この地方では否定的な返事である。常識的に考えれば、第2次世界大戦後のプランにあったように北海道占領ではないだろうか? アメリカは、その事態を傍観するはずである。ロシアとの戦争は破滅的だから、というのではない。日本の政治が日米安保条約の前提条件を裏切ることに懸命だったから、である。条約はこう始めている。〈日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、〉1960年1月19日ワシントンで署名された改定条約の前文は、あえて民主主義を想起させた。 憎悪を超えた理想社会の実現を叩き潰してきたものは、何だったのか?小泉首相はその一つを語った。〈自然の感情である〉しかし、政治が焼き餅や支配欲で動いていいわけがない。 ☆ HHJの古い記事でロシアが中国と日本で何をしたか、読む |
Cyber Terrorism
Updated 2004.3.3 消えた幽霊データ放送 ☆2002年8月号で、HHJは〈幽霊データ放送〉を書いた。正式には地上波データ放送と言われているこの方式は、TVの電波の隙間に他の情報を乗せて送る。半分半分放送局長はNECのVALUE STARで見て種類別に簡単に紹介した。データ放送は〈表面の意味に裏の意味を混ぜるとか、行間に意味を込めるとかいうのと、そっくりなやり方だ。〉 ところが、ニュースをリアルタイムに流してくれる便利な文字放送は、いつの間にか出なくなった。PCの不調か、と思って暗然としたが、調べてみると、そうでなかった。去年暮れにインターネットで問い合わせる精神的な余裕ができた。呆れたことに、ADAMS放送と文字放送を経営していたテレビ朝日データは、朝日レタービジョンと合併してテレビ朝日データビジョンに社名を変更していた。メイルを送ると、2003年4月から文字放送の放送エリアは関東地区のみに限定されたというそっけない返事がきた。 確か2年前、テレビ朝日のアクチュアルな番組〈ザ・スクープ〉が関東地区限定に縮小されて、視聴者が抗議行動を起こした。放送縮小の理由は、HPで番組担当者たちの要領を得ない話を読んだけれど、視聴率の低下、としか推察しようがない。問題はサンデー毎日の編集長だった鳥越俊太郎キャスターの〈ニュースの仮面を剥ぐ〉というハードさだろう。 1月7日、そのメイルを受け取ってまもなくOutlook にレジストレーション・エラーの表示が出て、使用不能になった。e-MAILを送受信するシステムの方は順調だった。 問い合わせへの回答- Outlook expressを再インストールすること。 NBCは、映像が見れなくなった。ウィンドーズの最新版メディア・プレイヤー9にアップグレードしなければ、ヴィデオが映らないようにシステムを改変したのだ。無料で新しいプレイヤーをインストールできるが、デザインが悪く、〈読み込んでいます〉と大きく画面に余計な説明が出る。プレイヤーを選ぶ自由を残すべきだ。 ☆ |
Updated 2003.12.29 狼役の声優のそれから D
★HHJは、12月19日、外務省HPのフォームを通して、次のような要望を送った。誤解を防ぐために言い添えれば、どこか他の国の外務省でなく日本の、である。 日本海の東と西の正常な交流は、拉致問題の感情的な対立で完全に行き詰まっている。冷戦構造に代わる新しい世界観を準備しなかったために、これからどんな構造化を試みるべきか、日本の政治は混濁の中である。ヨーロッパとアメリカから見れば、状況喜劇である。 HHJは、政府の行方不明者調査リストの欄外にもう一人の所在確認の追加を要望したい。NHK人形劇〈ブーフーウー〉で狼の声を演じていた在日朝鮮人の俳優である。読者のミネムラコウイチさんから寄せられたホットメイル(Fri.23 MAY 2003) によれば、〈日本名は永山一夫という在日朝鮮人の俳優でした。昭和46年10/24に北朝鮮へ帰還。第百六十一次船だそうです。朝鮮名はコン・ヒョンスンで当時36歳。一家で引き上げたそうですが、その後の消息は不明。やはり当時、新聞やニュースで話題になったそうで、黒柳徹子さんや当時の関係者も折りに触れて話題にしているそうですが、最後は同じように引き上げた歌手の永田絃次郎のように、粛清か餓死で亡くなっているのではないか、という説が有力だそうです。 このフォームに、読者の声をいっぱい送りたいと思う。フランスからの報道(Le Monde)によれば、帰還運動で北朝鮮に渡った在日朝鮮人のいる強制収容所があるということである。 ところで、HNKの人形劇〈ブーフーウー〉に出演していた狼役の声優を気遣う声は、カリフォルニアにもあった。Asahi.comの投書欄(2002.10.31)から引用する。 それから北朝鮮の情報が入る度、思い出す人の中に狼さんがいました。黒柳徹子さんの随筆でも狼さんのことを書かれているので、きっと黒柳さんも思っていただろうと思います。北朝鮮でも俳優をすると言って帰られたそうですから、もし山田(洋次)監督が日朝合作映画を作られるのなら、永山一夫さんが出演されたら、どんなにいいでしょうか。 私はまだ永山さんがお元気で活躍されていることを信じたいです。杉本良吉さんの様なことになっていなければいいと思うばかりです。---W.Y
★ D |
Updated
2004.1.14 狼役の声優のそれからについてe-メイル作戦 1月10日送付 上の記事を添えて ◆法務省---国交のない国にそのような問題で安否を問うのは何らかの法に触れるかという質問。開封通知あり。 ◆民主党---政党の主体性とヒューマニズムの度合いが試される。 ◆公明党---政党の主体性とヒューマニズムの度合いが試される。 ◆日本共産党---政党の主体性とヒューマニズムの度合いが試される。開封通知あり。 ◆社民党---政党の主体性とヒューマニズムの度合いが試される。 (13日送付) 各野党は国会や他の公式の場でその問題に光を当てるべきである。 ◆秋田県庁---韓国・秋田直行便の利用に補助金を出しているが、虚妄の国際交流は怪我の元であり、隣人の不幸を傍観するべきではない。(10日送付) |
Updated
2004.1.20 これは人質の秘密情報戦か?
H ☆去年の2月NHKの人形劇〈ブーフーウー〉を追想するHPを見たとき、それに関する読者の声は載っていなかった〔1〕。暮れに再び開くと、〈情報提供〉という通信欄に、想い出話が出ていた。北朝鮮に帰った狼役の声優永田一夫を心配するとか、共演者の一人黒柳徹子が〈徹子の部屋〉という対談番組でその出来事について語ったとか。どこからどういうルートで北朝鮮の秘密情報が伝わるのか、狼の声を巧みに演じた俳優の生命については絶望的なトーンである。それを翻訳すれば、〈もうこの問題は終わったのだよ!〉となるだろう。HHJの疑問は、しかし、さらに広がる。 1
テレビ朝日特に久米宏の〈ニュース・ステーション〉が、北朝鮮報道に他の放送局よりも格段に力を入れながらそのタイムリーな問題についてのHHJ情報を黙殺し続けていた理由は何か?情報公開は暴虐を抑制するが。 2
黒柳徹子はユニセフ親善大使として以前そのニュース番組に出たことがあるが、狼役の声優が陥った残酷な状況に少しでも希望の窓を開けるために、その効果が期待できるニュース番組で広く話題にしたいと提案したことがあったか? 3
人形劇の共演者たちと彼を知る関係者(劇団やNHK)が、70年代から残酷なドラマを内輪で眺めるだけだったとすれば、狼役の声優は《人質》として脅迫の材料にされていたのではないか?〈粛清〉〈餓死〉など経由の曖昧な秘密情報の存在は、この疑いを強める。人質なら、殺されていない可能性がある。 今必要なのは、公正なルートを経た客観的な情報の報道だろう。 ☆ 1
個人が作成したHP 今もなおHHJ編集長にひそかに悪影響を及ぼしている番組とは? |
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