12月12日 ホムス(脳性麻痺センター)
障害児のためのコンサート
ホムス脳性麻痺センターには約80名の子供達が通学している。前回の演奏旅
行での公演は生徒だけではなく教師、父兄からも評判が高く、再演への強い希望
があり、実現した。
それは学校長のお世辞では全くなく、生徒や父兄は公演前から出演者の名前
を覚えているなど、並々ならぬ期待感の中、コンサートは行われた。
プログラムは仁のメンバーによる演奏と、生徒の演奏から構成された。ここホ
ムスの人々は地域柄、時には破目を外すくらい明るい人々が多く、子供たちも演
奏に耳を傾けてくれるかどうか懸念もあった。ところが始まってみると、普段は落
ち着かない子供までも真剣に演奏に聞き入り、演奏が終わると満面の笑みと拍手
の喝采をもって迎えてくれた。特にクラベスを使った打楽器の合奏曲やアカペラ
による「大きな古時計」は、彼らにとって聴いたことのない珍しい響きであったよ
うで、評判が良かった。学校長によれば、この演奏で子供たちの合奏への関心が
非常に高まったという。
その生徒たちの演奏も、本番では練習以上の成果を出したようだ。日本から寄
付された鍵盤ハーモニカでの合奏は、彼らの可能性を感じさせるものだった。こ
の演奏会に臨むにあたり、学校長は毎週1度の生徒同士の練習発表の場をカリキュ
ラムに取り入れるなど、学校をあげて精力的に取り組んだ成果が表れていたと感
じる。
子供たちの熱演は会場を沸かせた 仁の演奏に子供たちは大喜び
このような学校の姿勢は、子供たちが目標をもって一つのことに挑戦すること
の大切さを知る機会を作ることになり、非常に高い価値があるものと考える。さら
に、障害者施設という外部と接する機会が極めて限られた施設にとって、生徒の
練習の成果を発表する数少ない場での真剣な取り組み方は、尊敬に値する。
このような場に招かれ、参加することができたのは、むしろ私たちにとって多く
を学ぶ貴重な機会となった。
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