塗装は、まず準備作業から入ります。自宅の車庫に養生をして、毎度使っているスツールの上にダンボールの支えをつけて専用台にしました。それから、まずスカートの前後、タイヤハウス側に向く面は、艶消し黒で塗装することにして、先に塗りました。乾燥したら、右写真のように角Rを残してマスキングします。
っで、いよいよ塗装ですが、今回はVW純正の塗料1リットル缶を使ってみました。ソフト99の調色缶スプレーはなかなかのものなのですが、データでの調色のため色合わせがイマイチの感もあり、純正塗料ならもう少し色が合いやすいかと思った次第です。純正塗料の1リットル缶はディーラーに注文すると1万円ちょっとで購入できます。ガンを使ったからと言って、本格的に調色までできるわけではないのですが、今まで缶スプレーとピースコン(エアブラシ)くらいしか使ったことがなかったので、いつかは本格的なガンを持ってみたかったというのも、ひとつの理由です。
今回はこの塗料を吹き付けるために、小型のコンプレッサーとスプレーガンを購入しました。コンプレッサーには、必要最低限の装備として、ミストセパレータを取りつけました。ガンも含めて全部で2万弱です。っが、結論から言うとコンプレッサーはもう少し大きい(できれば1馬力くらいの)ものを買うのが正解、スプレーガンは安物はダメで、アネスト岩田の口径1.3mmのものがお奨めのようです。私は安物を買って、やや失敗したという感じです。スプレーが上手く微粒化せず、キリの状態は正直言って缶スプレー以下です。
塗料は、ストレーナを通してカップに注ぎます。そのままでは濃すぎるので1.5倍から2倍程度に希釈して吹きます。実際にやってみた感触としては、ガンを使って吹くのは缶スプレーよりも格段に難しいです。ガンの調整だけでも、ノズル開度、スプレーエア量、パターンエア量の調節があり、それに塗料の希釈具合も重要な要素として関係してきます。今回は、板金塗装のプロフィットさんにいろいろとアドバイスをもらいながら、挑戦しましたが、かなり難しかったというのが正直なところ。
なので、ちょっとスポイラーを塗ろうという程度の場合は、私としては調色缶スプレーの方をお奨めします。コンプレッサーとガンを使っての塗装は、缶スプレーならほぼ完璧に吹けるというくらいの腕前で、しかもこれから本格的に塗装の腕を磨こうという意気込みの方にしか奨められないという感じです。詳細にご興味の方は、メール頂ければ分かる範囲でお答えいたします。
左は色吹きが終わった状態。念のためここで一旦マスキングを剥がしてクリアの前に貼り直したのですが、そこまでする必要はなかったかもしれません。今回は色吹きもしっかりとウェットに吹いてから十分に乾燥させて、クリアに進みました。っが、クリアを吹く段階になって雨が降ってきてしまい、直接塗面に雨が掛かるわけではないのですが、湿度が高くて塗膜が濁るので、大変でした。
何とか、塗装の状態はそこそこに仕上がったのですが、塗り終わって色を確認したら、これがひどく色違いです。右写真の真ん中に置いてあるのは給油口の蓋です。写真ではわかりにくいですが、明らかに赤黒く、とくにスカシが真っ黒にストンと落ちてしまっています。これは看過できないレベル。横で見ていた家内ですら、「うちの車って、こんなに黒かったっけ?」というくらいです。
理由はいくつか考えられますが、大きな理由は色吹きの仕上げに、板金屋さんでもらったデュポンの塗料を混ぜて使ったことです。もらった塗料の缶を十分い振らなかったことも色違いを増長したと思います。もう一つは希釈が薄すぎたこと、その割にウェットに吹きすぎて重い粒子が沈んでしまったことが原因だと思われます。いずれにしても、塗り直すしかありません(涙)。
っで、先週塗ったばかりの塗装をペーパーで落としていきます。全部落としてサフェから吹き直すか、肌を殺すだけにして足付けして上から吹いてしまうかは、微妙なところ。一長一短あると思いますが、今回は足付けだけして上から吹くことにしました。表面に深いキズをつけないために、粗めのヤスリは使えません。#800で肌を殺して、#1200で足付けをしました。
二回目は、一応テストピースを使って色を確認してみました。違っていたからといって調色できるわけでもないのですが、全部完成してから色違いに気付くよりは事前であれば何とか処置のしようもあるだろうということで確認した次第です。その結果、VW純正の缶はそこそこの感じでしたので、そのまま塗ることにしました。希釈は前回よりも若干濃いめに調整しました。
あとは、いつもどおり脱脂をして、色吹き、乾燥、クリアと吹いていきます。色吹きは、一旦塗った物の上塗りなので下地を完全に隠蔽する必要はなく、極薄く塗ればOKです。厚くしすぎると塗膜全体の厚みが増えてしまい、耐久性が落ちるので、できるだけ薄目に、手早く粒子を揃えて塗り終えます。右写真はクリアを吹いているところです(右手で吹きながら左手でシャッターを切ってます)が、このときは天気が良かったので一気に厚塗りしても塗膜が濁らず、一回目よりもずっと楽に吹けました。やはり、素人塗装の場合、天気を選ぶのは重要な要素です。
塗り終わったら、一週間ほど乾燥させて、ぶつ切り(取り込んだ埃を削ること)です。いままでフロントとリアのリップはいずれも鏡面で仕上げたのですが、プロは塗り肌で仕上げるということを学んだので、今回は、塗り肌仕上げを目指しました。塗装で言うところの肌とは、スプレーで吹いて乾燥したあとの、表面の微妙な凸凹のことで、これを残して仕上げるのが塗り肌仕上げ、殺して(平らに削って)磨いて仕上げるのが鏡面仕上げです。鏡面仕上げは手間さえ掛ければできますが、塗り肌仕上げは塗装の肌が綺麗じゃないと成り立ちません。
肌の調子は、細かすぎない一定のリズムで、ごく緩やかに凸凹しているのが理想です。今回はクリアを吹く段階から肌をできるだけ綺麗に作るように意識しました。ブツの切り方も肌を殺すのと活かすのでは違ってきます。大きなブツは#1500くらいの耐水研磨紙を使って平らにしますが、細かなブツは#3000くらいのバフレックスという耐水研磨フィルムで削っていきます。バフレックスは、プロフィットさんで分けていただいたものですが、名刺大くらいのサイズでサイドスカート左右を磨けてしまいます。使用感も最高で、優れ物です。また、ブツのないところは削らないようにしますので、削り終わりは左写真のようにまだら模様になります。
磨きはコンパウンドで手磨きですが、今回はこれもプロフィットさんで分けていただいた3M製のコンパウンドを併用しました。3M製のコンパウンドは一般の素人用よりも研磨効率が良く、とくに新車塗装のような硬い塗膜によく食い付きます。今回のような自家塗装の場合は、塗膜がそれ程硬くないので、ソフト99シリーズの極細目から鏡面用などを使って磨いても十分と思います。
これが仕上がりの状態です。全体としては綺麗に像が写り込んでいますが、輪郭が微妙に波打ってます。これが塗り肌です。吹き付ける際に、被塗装面を上向きにして、かなりボッテリと厚塗りしたので、肌の調子は凸凹が緩やかでピッチも大きなものになっています。まあ、素人塗装にしては上出来じゃないかと、自画自賛モードです。
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