9.サイドスカート装着 (2/5ページ)

    

形状の修正が大ざっぱに済んだところで、今度はボディへのフィティングを出していきます。ロッカーパネルに接触する面を写真のようにヤスリで整えていきますが、ロッカーパネルの面に合うように、かつ横から見た際の上端のラインが一致するように、何度もあてがってみながら削っていきます。形状をピッタリフィットさせるためには、裏側からだけでなく、表側からも削る必要があります。購入した状態のスカート上端はあくまで素材だと考えて、そこから削り出して形を作るというくらいの捉え方が必要です。この部分のフィッティングが仕上がりに大きく影響しますので、妥協せずに丁寧に削っていきます。

    

 フィッティングがある程度出たら、取り付け加工を行って行きます。ロッカーパネルと接触する部分は、塗装後に両面テープで固定します。接着固定の方が面倒がなく、かつ確実ですが、あえて両面テープを使うのは、万一ぶつけて割ったりした場合に取り外して修理できるようにしておくためです。両面テープで固定するには、テープなしのネジ止めだけで完全にフィッティングと固定強度が確保さるくらいにする必要があり、前側2ヶ所、後ろ側2ヶ所、中央下部1ヶ所でネジ止めします。この時点で、そのための穴開け加工をしておくわけです。穴開けは、タイヤを前後とも取り外して、型紙を使って取り付け位置と角度を決めて、穴位置を写し取っていきます。

    

 前側はインナーフェンダーを止めているネジと1箇所を共締めし、加えてもう一箇所インナーフェンダーに穴開けしてネジとナットで止めます。ネジ穴は右写真のように長穴にしておき、あとで取り付け角度(横への張り出し具合)を調整できるようにしておきます。

    

 後ろ側は、インナーフェンダーとスカートのオーバーラップが少なく、適当な穴開け位置が確保できないので、アルミ板(2mm厚)で取り付けブラケットを作りました。左写真がブラケットで、これをインナーフェンダーにリベット4箇所で固定しました。対応する穴は、右写真のようにやはり長穴にしてあります。

    

 後ろの上側は、ボディに固定する相手がないので、5mm厚のアルミ板で固定用ブロックを作って、これをボディの縁に引っ掛けて固定するようにしました。ブロックは、とりあえず写真のような感じに四角く作り、フィッティングを見ながら形状を合わせていきます。

    

 それから、中央下部の固定です。ここはサイドシルの下がり壁にネジ止めします。固定の調整しろを確保するため、固定用のブラケットはツーピース構造にして、上下と奥行きに自由度を持たせました。上の写真は、ボディ側の固定ブラケットを製作しているところですが、このあと本固定の際にはこれでは寸法がイマイチで、結局このブラケットは再製作しています。

    

 ボディ側には固定用の穴を開けます。今回は、へんな職業意識が顔を出してしまい、ナット掛けはキライ、ブラケットに直タップで固定調整の作業性を良くしよう、などと考えてボディ側に長穴を開けてしまったのですが、あとで考えるとこれは誤りです。丸穴ならまず問題ないでしょうが、デカイ長穴を開けるとボディ剛性への影響が心配です。べつにこのブラケットを量産するわけではなく、固定調整なんて一回しかやらないので、作業性は多少悪くてもボディ側を丸穴かタップにしておき、ブラケット側を長穴にするのが正解でした。でもまあ、車全体から見れば小さな穴。大勢に影響ないでしょう。穴の断面には錆止めを塗っておきます。

    

 サイドスカート側のブラケットは、取り付け時に多少曲げて角度を調整したいので、2mm厚のアルミ板で作りました。スカートの中央にリベット3本で固定。ネジ穴は大きな長穴にしてあります。右写真は、仮固定した状態を内側から撮ったもの。これで、上下と奥行き方向に取り付け調整が可能です。

 これは真ん中1箇所の固定がない状態の写真です。この状態でも一応スカートは固定されていますが、スカートのソリのために微妙な浮きができてしまいます。接着剤固定なら、この程度は全く問題ないですが、両面テープ固定の場合はテープなしでも全く浮きがなくピッタリと取り付いているようでないと、経年変化で剥がれや隙間などの問題が出てくる可能性があります。真ん中を固定すればこの浮きはほぼゼロにできますので、やはり真ん中の固定は必要です。また、真ん中を止めることで強度的にもスカート全体がさらにしっかりと固定されます。

    

 上の写真は、前2箇所、後ろ2箇所、真ん中1箇所を仮固定したところです。この状態で、ロッカーパネルとの接触面をもう一度確認して、最終的にフィッティングを完璧に出しておきます。

 また、取り付け角度を大ざっぱに調整してみて、この時点でジャッキポイントのクリアランスを確認しておきます。写真を取り忘れましたが、クリアランスがやや狭いようでしたので、ジャッキポイントの部分だけスカートを幅15mmほどカットしました。

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