8.CDチェンジャ (3/5ページ)


 一方、SONY−BUSの方は、上の写真のようになっており、このコネクタには電源とデジタル制御信号が来ています。オーディオ信号はデジタルではなくてアナログのライン出力で、上のBUSコネクタとは別に通常のピンジャックで接続されます。つまり、アナログオーディオ信号と、電源およびデジタル系とは完全に分離されていることになります。


 SONY−BUSをちょん切ると、上の写真のようになっています。赤の電源線と黒のリターン(GND)線は、他のデジタル制御線よりも若干太いものが使われています。また、黒は電源系とデジタル系の共通GNDで、8番ピンにつながっていますが、シールド枠とは分離されています。デジタルBUSがアナログオーディオと完全に分離されていることも含めて、VW純正のDIN8pinよりもこちらの方が音質に配慮した内容になっていると言えます。

 私が、配線をちょん切って直接つなぎ合わせるやり方にした理由は、コネクタを元に戻すつもりがなかったこと、DIN8pinオスを入手するのが面倒だったこともありますが、変換による音質劣化を最小限にしたかったことも理由の一つです。この手の接続で一般的に配慮すべきは、a)GND系の回り込み防止、b)インピーダンス整合、c)クロストークの防止といったところでしょう。あんまり詳しく書いても仕方ないですけど、一応ちょっと書いてみます。読むのがかったるい場合は、次のページに飛んでも話の展開には影響ありません。

 まず、a)のGND系の回り込みですが、GND系に回り込みが発生すると、他の電源系回路からのノイズの影響を受けやすくなります。エンジンの点火ノイズ、ワイパなどのモータノイズ、灯火類のON/OFFによる接点ノイズなどが回り込んできます。オーディオのアナログ系に回り込むと、「ジー」とか「プツッ」とかいう音になりますし、デジタル系に回り込めば誤動作になります。ただ、デジタル系のGNDは元々BGと共通になっていることから考えて、それなりのノイズ耐力があるのだろうと思われます。電源系ノイズ以外には、静電気(ESD)の影響を受けやすくなることと、車内での携帯電話や近くでの違法無線などの電磁ノイズ(EMI)の影響を受けやすくなることです。いずれも、オーディオのノイズ増化が主な症状で、場合によっては誤動作などもあり得ます。こうした回り込みを手っ取り早く防ぐには、GNDをできるだけ他と混同しないことです。

 b)のインピーダンス整合については、この場合デジタル系はビットレートがそれほど速くないはずで、まず問題なさそうです。アナログ系でインピーダンスの不整合がある場合は信号が劣化して、とくに周波数の高いところが減衰して鈍ってしまいます。音が濁った感じとか籠もった感じになると思われますが、まあ、実際に耳で聞いて分かるほどの差がでるかは不明です。具体的には、同軸線(ピンコードのような線)をDINのようなコネクタで接続すると、その部分でインピーダンスが不整合となります。インピーダンスの不整合を最小にするためには、同軸線はできるだけ同軸形状のまま接続するのが基本で、それがムリの場合は同軸形状でない部分の長さ、つまりコネクタやはんだ付け等のために単芯の状態になっている部分の長さを最小にする必要があります。

 c)のクロストークについては、この場合デジタル信号間のクロストークは問題ないでしょう。問題があるとすれば、アナログどうしの干渉か、デジタル側からアナログ側への影響です。アナログ信号の周波数が低いので(可聴帯域はせいぜい20kHz程度)、実際にはクロストークが発生しても大きな害はないかもしれませんが、一応クロストークを起こさない基本は、シールドのない状態(つまり同軸形状でない状態)のままで、線どうしを併走させないことです。一応、以上が基本的な事項で、これらの条件に配慮すれば、「変換ケーブル」であっても「直接つなぐ」方法に遜色ないと思います。

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