8.CDチェンジャ (2/5ページ)


 純正のCDチェンジャ接続ケーブルは、DIN8pinのコネクタを使っています。このDIN8pinの首がついたケーブルが、トランク脇のユーティリティスペースまで来ています。その先端を拡大したのが上の写真です。この8pinの中に、SONY−BUSのデジタル制御ラインおよび電源ラインと、アナログのオーディオ信号ラインが両方とも入っています。写真の2,4,5番がオーディオ信号で、2番のGNDはL/Rコモンです。真ん中の8番は電源で、恐ろしいことに常時通電です。カーステを切っても、車のキーを抜いても、フューズを外す以外は常に12Vが来ています。ケーブルを切って工事する場合はとくに注意が必要で、通電状態でニッパを入れると、カーステが壊れたり、フューズが飛んだりしますから要注意です。残りの1,3,6,7番がデジタル系で、このデジタル系と電源系のリターン(GND)はコネクタの外枠です。


 このDIN8pを通常のSONY−BUSに変換するには、変換ケーブルハーネスを作る方法と、DIN8pinコネクタをチョン切ってSONY−BUSケーブルとはんだ付けしてしまう方法があります。私はDIN8pinのオスコネクタを入手するのが面倒だったので、この憎き(?)DIN8pinの首を迷わずチョン切りました。チョン切ったものが上の写真です。2番のオーディオ系GNDは、赤と白のシールドケーブルの編組(へんそ)につながっており、他方デジタル系と電源系のGNDは橙と黒の編組につながれています。一応、音に気を使って両者を分離してあるので、変換する場合もこれらは別々に扱う必要があります。

 ちなみに一般論として、本格的な据え置き型装置の場合は、GND系は大きく4つに分かれています。それぞれ、FG(フレームグランド)、BG(電源グランド)、デジタル系SG(デジタル信号のグランド)、アナログ系SG(アナログ信号のグランド)で、繊細な装置であるほど、これらは分離されて扱われます。しかし、車の場合のFG(車体)はそもそも地球から電気的に浮いているため不安定で、BGと分離する意味がないので、全ての車はFGとBGが短絡しています(つまりボディアース)。SGとBGについても、車の場合は大半の回路で適当に混同されているようです。ただし、ノイズに弱い信号だけは分離して扱うこともあるようで、具体的には、ここでは上記のようにデジタル系SGとBG(=FG)を同一とし、アナログ系SGだけが分離されています。このことは、アナログ系のSGが他からの影響を受けやすく、それを嫌っているのだと推測されます。

(このページは、掲載している方法および結果を保証するものではありません)