(このページは、2001.7のメールをもとに、2002.12再編集したものです)

5.ブレーキについて(その1)

 GOLFを購入して、真っ先に不満を感じたのは、実はブレーキです。私は攻めるような走りはあまりしないので、効き(ストッピングパワー)とか耐久性(耐フェード性)に不満はありませんでした。馴染めなかったのは、町中で普通に減速するような場面で、ペダルに軽く足を乗せるだけで効いてしまい、ブレーキの感触が上手くつかめないことでした。「あそび」と「効きしろ」の境目もよく分からないし、踏めば踏んだだけペダルが奥に入っていくようで、日常域ではブレーキの効き具合は踏み込みストロークで調節しなければならない感じです。踏力によるコントロールはほとんどど不可能で、減速の調節が上手くできません。その上、踏み戻しの操作は、まるでパッドがディスクに吸い付いてしまったように抜けが悪く、それが余計に微調整を難しくしています。

 多少ペースを上げた場合も自在にコントロールできない感覚がつきまとって、恐怖感があり、運転を楽しむ気分に水をさされます。どちらかというと40〜60km/h程度で回るような低速コーナーが連続するような場面で、ブレーキの抜け(戻り)が悪く、違和感が大きくなります。また、比較的ゆっくりのペースでも、軽くヒールトゥをあてようかという場面ではブレーキペダルの方を一定にすることができず、ギクシャクしてしまいます。しかし、私の運転技術はあくまで「MT好きのオトーサン」のレベルなので、自分の感じ方が正しいかどうか自信がなく、「運転技術が陳腐なだけか?」と思って車に慣れるように心掛けていました。そうして8千キロほど乗ったある時、たまたま友人のインプレッサWRXに乗っとところ「これぞ理想のブレーキ」と感じてしまい、やはりゴルフのブレーキはちょっと変なのでは?という疑念が大きくなってきました。

 そこでBBSに質問をしてみたところ、「そんなはずはない」というご意見が約8割、「自分もそう感じる」というご意見が約2割くらいの比率で、両方の情報が寄せられました。情報を集めた範囲では、まず、どうやら標準装着の純正パッドは2種類(以上)あるらしいのです。そのためか、ダストによる汚れ具合についても、フロントの方が汚れるケースと、リアの方が汚れるケースが両方あるようです(ちなみに、私の車は、フロントの方が倍くらい多くダストが出ます)。さらに、車による個体差もあるらしく、GOOSEのメカニックさんに実際に私の車を乗ってもったところ、「アウディに似た感じのカックンブレーキ気味で、ちょっとGOLFらしくない」とのことでした。どうやら私の車はGOLF4GTIの平均値ではないらしいのですが、でも、上記のように私の感想に「全くその通りだ」というメールも頂きましたので、他にも同じような車があることは確かなようです。

 そこで、まずはブレーキホースをステンレスメッシュのものに変えてみました。後述するように、パッドの交換は大きな変化が期待できる反面リスクも大きく、それよりは間違っても悪くはならないホースから先に手をつけた次第です。ホースの交換は二輪車の時に効果絶大だったので、一縷の望みを託してはみたのですが、今回の場合はホース云々という以前の小さい踏力の時が問題なので、ほとんど解決になりませんでした。確かに、ある程度踏み込んでからの踏み応えは良くなったのですが、日常域の改善はほとんどゼロで、私にとってはホースへの投資(約5万円)は無駄だったように感じます。まあ、これは薄々予想していた結果ではあります。ステンレスメッシュのブレーキホースは、スポーツ走行が目的なら効果が期待できますが、日常域の改善が目的の場合はお奨めしません。

 では、いったい何が原因なのでしょう?ブレーキングの感触をよくよく観察してみると、エアコンのON/OFFでもブレーキの踏み応えに変化があります。このことから考えて、微制動が調節しにくい原因は主にバキュームサーボが強すぎるのだと思います。パッドが柔らかい気もしますが、パッドの性能(効き具合)自体は一般レベルでは十分だと感じています。低速でエンジンを切って、サーボが効かない状態でブレーキングを試みたりもしましたが、パッドが不要に吸い付く感じはなく、やはり抜けの悪さはサーボの抜けが悪いせいのようです。あとは、ABSやEBDなどの油圧回路がダイレクト感をそいでいる面もあるとのことです。サーボ自体をいじることを考えましたが、調節機能はないらしく簡単ではないようです。キャリパーを対抗ピストン式に交換する手も考えましたが、費用がかさむし、この問題をキャリパー変更でどこまで解決できるか疑問です。となると、現実的なのはやはりパッドの交換くらいでしょうか。

 パッドについては、二輪車に乗っていたときの経験から、選定の難しさだけは感じております。二輪車(スポーツバイク)のフロントブレーキパッドは、日頃ハードめに走る人の場合、1万キロ以下でなくなってしまい、必然的にしょっちゅう交換することになります。一度は結構有名なメーカ(どこ製だったかは忘れました)のパッドを入れて、それなりに満足して乗っていたのですが、ある時雨に降られたらまるで自転車のブレーキのように情けない効き具合になってしまって(つまりウェット性能が極端に悪い)、200キロも使わずに捨てるハメになりました。また、ロッキード製のパッドに交換したときは、効き味抜群、ウェットもOKで、パッドの減りも少なくて「さすがは超一流だ」と思っていたら、5千キロも走らないうちにディスクローターの方がスリ減ってパーになってしまったりとか(ローターへのアッタク性とか言うらしい)、結構苦い思いもしています。

 GOLF用のブレーキパッドについては、又聞き情報ですが「フロントパッドをジガベーシック(←割と有名らしい)に変えたら、具合が悪くて後悔している」という話も聞きました。パッド交換はフィーリングの変化量も大きいし、有名メーカ製だから良いだろうというのも当たらないと思われます。ブレーキホースは、オートブレインで変えたのですが、そこの取り扱いで、住友電工製(←日本ではトップシェア)と思しきオリジナルパッドがあり、住電のHPを見たらかなり信用できそうな技術解説があったので、それもちょっと興味があります。あと、良さそうなのはCOXのオリジナルパッド、プロジェクトμのZメビウス、大安売りのロッキード(hiroさん情報)、といったあたりです。ただ、現状ノーマルパッドがまだ残っているので、捨ててしまうのはあまりに勿体なく、またパッド選びの難しさを考えるとあえて今交換する気にもなれず、たぶん今のパッドがなくなるまでは我慢して使うのだと思います。

(このページに記載の内容は、個人的な所感に過ぎませんので、あらかじめご了承お願いいたします)