(このページは、2001.3のメールをもとに、2002.12に再編集したものです。内外装編6項と一部重複しますがご了承下さい)
4.ヘッドライトのHID化
HIDはもともと大型トラックのヘッドライト用としての需要が始まりだと聞いています。大型トラックは、車幅が広いために広い照射範囲が求められ、ハロゲンバルブでは光量不足のために照度が不足します(広い範囲を照らすために光の密度が薄くなる)。で、HIDによって光量を確保して安全性を高めようということらしいです。乗用車用の純正HIDも、多くの場合は同様の考え方になっています。道行く車のヘッドライトを観察してみましても、HIDが純正装着された車は光量増加分の大半を照射範囲の拡大に充てているようです。ハロゲンの車に比較すると左右に広い範囲を照らしており、かつ車の直前部から遠方までを均一に照らしています。つまり、そういう配光になっているということだと思います。
対してハロゲンの車は、一般に車の前方数メートルから数十メートルのところに明るい範囲があって、それ以外の所は暗くなっています。このため、HID標準装着の車の場合、照度そのものはハロゲンに比較して何倍も違うという感じではありません。例えば、光量が3倍なら照射範囲を2倍に拡大して照度を1.5倍にしたような感じです(←数字はイメージですが)。振り返って、我がGOLFはただでもスポット的配光で見にくさを感じる状況。この配光のままHID化すれば、光量がアップする分だけモロに照度がアップすることになり、必ずしも見やすくなるかどうか、やってみないことには何とも言えません。
また、GOLF4にHIDを後付けすると盛大にグレアが出るようです。それで、グレアを減らすための後付けシェードもインターネット上でいくつか紹介されています。しかし、後付けのシェードではグレアだけでなく照射範囲内の照度も減少する可能性があり、実際に試された方からもそのような情報を頂いております。これは、後付けするシェードの形状に依ると思います。例えば、太い円筒形シェードでグレアを完全に対策すると、リフレクタの中央付近に対して本来届くべき光までが遮光されてしまうのではないかと考えられます。一方、細い円筒径のシェードを被せた場合は、中に熱がこもって高温になり、シェードの材質によっては溶けてしまうこともあるようです。
ちょっと考えてみた感じでは、バーナーの根本部分の上側のみを覆うようにすれば何とかなるような気がします。尤も、何もやってみずに、頭で考えているだけなので的外れかもしれません。また、そのようなシェードを構造的に取り付けできるか、シェードにリークしないか等、問題は山積みです。GOLFのヘッドライトは外すにも着けるにも一苦労と聞いていますし、ヘッドライトの使用感などは夜になって走ってみないことには判断できませんので、シェードの形状などを妥協せずに実験する苦労は、並大抵ではないはずです。で、そんな苦労の結果として仮にノーマルハロゲンと同様の配光が得られたとしても、上記のように自分が見やすいと感じる確証はないわけです。
そんなわけで、今はすっかり怖じ気づいている状況です。私もGOLFを購入した時点では、必ずやHIDを後付けするつもりで、アリストやセルシオのようなマルチリフレクター+HIDのキラキラ輝くヘッドライトのカッコ良さ夢見ていたのですが、簡単ではなさそうです。あとは大枚を払って純正のプロジェクター式を移植する手もありますが、私の個人的好みでは、現状のフォグ付きマルチリフレクターの顔がとても気に入っています。今でこそGOLFのヘッドライトのデザインは普通の範疇に入ってしまいましたが、あの多連のマルチリフレクターを一体のケースに納めたカッコ良さは、出た当初はまさに衝撃的でした。私はとてもそれを手放す気になれません。
GOLFを買ってリアシートに座ってみたとき、設計者の意図した姿勢できちんと座らないと、まるで座り心地がわるいので驚いたことを思い出します。融通が利かないと言うか、頑固というか...。ヘッドライトも、その意味でVWを最もVWらしく乗るには、設計者の意図通りにハロゲンのまま使って、間近が暗ければフォグを点けるというのが正道なのかなあ...などと考えて、今のところは納得している状況です。当面はこのまま乗るでしょうが、いよいよ他にイジるところがなくなった時には、本腰を入れてHID装着に取り組むかもしれません。
(このページに記載の内容は、個人的な所感に過ぎませんので、あらかじめご了承お願いいたします)