星を見よう(双眼鏡編)
前回の準備編で、「光害がないこと」という説明をし、街灯などを避けるようにと書きましたが、もう1点大事な事を書き忘れていましたので、ここでもうひとつ付け加えておきます。 それは「月」も避けるということです。「月」といっても1月、2月の月(Month)ではなく、空にでる月(Moon)の方です。月というのは結構明るく、星を見るのに邪魔になります(星が見えなくなります)。ですので、できるだけ新月や、新月に近い日を選んだ方が良いです。 |
さて、それでは、今回の本題、双眼鏡についていろいろと説明したいと思います。 |
1.双眼鏡の選び方 双眼鏡を選ぶうえで大事な点は、次の3点です。 (1)対物レンズの口径(直径) 対物レンズの口径は35mm〜50mmが良いでしょう。口径が大きいほど、解像度がUPしますが、大きくなると重くなり、価格も高くなります。気軽に星空を楽しむ道具ではなくなります。 (2)倍率 倍率は7倍か8倍、せいぜい12倍までに留めたほうが良いでしょう。 倍率は大きいほど対象となるものが大きく見えて良いような感じを受けますが、倍率が大きいと視野が狭くなるので手ぶれが気になり、対象を双眼鏡の視野に入れるのが困難になります。 |
(3)見え具合(双眼鏡のでき) これは、残念ながらカタログ等では分かりません。実際にカメラ店、メーカーのショールームなどで、実際に双眼鏡を見てみましょう。その時の注意するポイントを以下に示します。 (a)実際に遠くの風景、建物などを双眼鏡で見て、 視野の周辺像が極端に変形したり、ボケたり していないか。 極力、変形、ボケの少ない物を選びましょう。 (b)接眼レンズから目を離したときに、 接眼レンズ内の視野が円形になっているか。 欠けているもの(ダイエーのマークようなイメージ)は、プリズムが視野内に入ってしまっている為です。円形のものがBESTです。 |
(c)対物レンズ側から、双眼鏡内部を除いたとき、内部が黒色に塗装されているか、ネジが見えて 光っていないか。(右上の写真) 内部が黒に塗装されていないと、内部で乱反射が起こり見え味が悪くなります (ゴーストが出たりする)。尚、右上の写真は双眼鏡の中が光っていますが、これはストロボの影響です。 以上の条件がクリアできれば、あとは、個人の好み(ブランドやデザイン)で選んでも問題ないでしょう。 |
2.使用上の注意 双眼鏡を使う時は、次の点に注意しましょう。 (1)眼幅を調整し視野を一つの円にする。 よく、ドラマや映画で双眼鏡を覗いているシーンでは、画面(視野)がひょうたん形になりますが(笑)、実際は、あの状態ではいけません。左右の視野の円形が一つの円になるように双眼鏡の眼幅を調整しましょう。 (2)視度を合わせる。 上の写真にあるように、一つのピント合わせリングで左右両方の接眼レンズが動いてピントを合わせる双眼鏡には視度調整リングが付いています。大抵の人の視力は左右が異なりますので、視度調整リングで視度を調整し左右のピントが合うようにしましょう。 |
(3)固定する 手で双眼鏡を持っていると、どうしても視野が振れてしまい星が見えにくくなります。右の写真のようなビノホルダーを使用して三脚に固定しましょう。グッと見え味が良くなります。 3.双眼鏡向きの星(星団、星雲) それでは、実際に双眼鏡で星を見てみましょう。特にお勧めなのは以下の星団、星雲です。 〔春〕かに座ペレセペ星団。 また夜の早い時間なら、冬の星がまだ西に 出ていますので、それを見ましょう。 オリオン座大星雲(M42) プレアデス星団(M45 スバル) |
〔夏〕天の川、いかに星が集まっているか良くわかります。また、さそり座の尻尾あたりから、いて座、わし座、白鳥座と流していくと、様々な星団、星雲が視野に入るでしょう。 いて座干潟星雲(M8)、三裂星雲(M20)、天の川に埋もれるように、モヤモヤっと見えます。 〔秋〕アンドロメダ大星雲(M31)、空の条件がよければ、肉眼でも確認できます。双眼鏡なら米粒のような楕円形の光芒がはっきりと分かります。 ペルセウス座のh・χ(エイチ・カイ)二重星団、ペルセウス座の星域に属しますが、カシオペアの「W」字の左(西)側の近くにあります。ゴチャゴチャッと星が2箇所に集まった印象を受けます。 〔冬〕春のところに書いたオリオン座大星雲やプレアデス星団のほかに、おうし座のヒアデス星団。とも座のM46、M47もお勧めです。 双眼鏡は、昼は風景や野鳥、夜は星を楽しむ事ができ、何と言っても手軽に持ち歩く事ができる道具です。 是非、次のキャンプに双眼鏡を持って行ってはいかがでしょう。 次回は「星を見よう(望遠鏡編)」の予定です。 |