初期型用マフラーの装着
< 能書き >
PWK33を装着してから約1ヶ月間。
会社の往復時に、時間の余裕を見てはセッティングに励んでいましたが
どうにも暗礁に乗り上げお手上げ状態が続いていました。
なぜかというと、始動後5〜10分と15分以上で、
まるっきり特性が変ってしまうからです。
駆動系の熱ダレやエンジン自体の発熱による混合気内の空気密度の変化も
あると思われますが、ソレを差し引いても、とにかくオカシイ。
始動後数分の排気ガスの匂いは濃いのに、15分経つ頃には、
ヤヴァイ位の焦げた匂い・・・。
プラグを見るも、あまり当てにならず、
焦げた匂いに危険を感じて、セッティングを濃くすると今度は走らないくらいに
カブリまくりで調子が悪く・・・・・。
ある日、意地になって夜中までセッティングを行い、
試走の際に排気ガスの匂いを確認する為にマフラーを目にした瞬間
ショッキングな画像がが飛び込んできたのでした・・・・。
< 目 的 >
未燃ガスの浄化の為、異常反応+発熱を起こし、チャンバーの肝である
戻り圧のタイミングまで変えてしまう?触媒付きマフラーの悪夢から開放される為、
触媒未搭載の初期型マフラーに換装します。
< チョイス >
< チョイス >
今回、私がチョイスしたのはコレ。
W型(初期型)用のノーマルマフラー(中古)です。
外観上では、マフラーガードと排気口部以外は
SK用のマフラーとあまり違いはありません。
実は、新品も用意してあったりもします。
今回のプロジェクトでは、コチラは登場しませんが、
他のコンテンツのネタとして用意してある事は確かです。
< 内 容 >
< 観察 1 >
コチラは、今まで使用していたSK1型の触媒付きマフラー。
ご覧の様にサビサビです。酷いもんです。
サビの酷い部分は、触媒の後方に当たると思われ、
触媒で完全燃焼された高温の排気が最も強く当たる場所と
推測されます。
実は、PWK33を装着するまで、こんなに酷くはなかったのですが、
装着後、わずか2週間〜1ヶ月足らずで、マフラー後方全体が
サビサビになってしまいました。
酷い時は、夜間の走行時にマフラーの後ろ半分が
赤く光っているのが目視で確認できてしまうほど
高温になっていました。
(冒頭で述べたショッキングな画像とはこの事です。)
では、何故、「赤く光る」ほどに発熱してしまったのでしょう?
私の推測では、キャブレターを大型化するに伴い、
マニホールド等も太くしたのですが、ここで問題になるのが、
キャブやマニホールド周り空気の流速や負圧の低下です。
太くなる分、流速が遅くなったり負圧が低下するのですが、
その影響で、キャブのガソリンを吸い上げる力が弱くなり、
上手く霧化できない物が増えてしまったのだと思われます。
高回転時は大きな影響は無いのでしょうが、
低回転時には、かなりの影響があるのでしょう・・・。
そもそも、三元触媒はある一定の範囲の空燃比で、
一定の燃焼温度と浄化作用が保たれています。
これはあくまでも、キャブでガソリンが、適切に霧化され
シリンダーで完全燃焼に近い理想的な空燃比の状態になり
排気ガスが排出さていることが前提で、キャブの大型化により
霧化できないガソリンが増えてしまった場合、
未燃焼物質として排気ガスと共に排出され、
その未燃焼物質の影響で、触媒が異常反応してしまう物と
思われるのです。
また、シリンダーの排気ポートのタイミングを早めたりなんか
しても、未燃焼ガスの流出は増加する傾向にある様なので、
その変も関係すると思われます。
4輪メーカーのマツダRX−7には、
有名なロータリーのターボエンジンが搭載されているのですが、
特性上、排気ガスに未燃物質が多く、
ソレを触媒で無理矢理浄化しているそうです。
未燃物質の多い排ガスは理想の空燃比ではないので
理想の空燃比を造る為にエアーポンプと言う二次エアーを
導入する装置により排気ガスと外部からの二次エアーを混ぜてから
触媒に排気ガスを通しているそうです。
このエアーポンプを止めてしまうとどうなるか?
未燃物質が過多の状態になり触媒が
異常高温になってしまうそうです。
ウチのアドの場合も恐らくこの状況と同じく、
触媒が異常に未燃物質と反応して
高温になってしまうのではないかと思われます。
< 比較 1 >
話は飛んで早速装着。後期マフラーとの比較画像です。
上:後期(SK1)マフラー
下:初期(W)マフラー
取り付けは、「ポン」です。
ステー部で2本のボルト、
フランジで2個のナットを緩めて交換です。
詳しいやり方はコチラ
↓↓↓
ブレーキシューの交換
見た目、初期の方がマフラーガードが小さく長さも
若干短いのでキャシャなマフラーに見えます。
MJ、SJの設定変更も特には行いませんでした。
< 比較 2 >
アップです。
長さ的にはSK1マフラーに比べ5cmほど短いです。
ところで、話が戻りますが、前項で述べた、触媒の異常発熱。
触媒自体にも良くないのは当然なのですが、
この異常発熱が、いまいちセッティングが決まらない
最大の要因なのです。
「エンジンのO/H」のコンテンツ内の「私的ウンチク」
でも記述していますが、
2ストロークエンジンの排気ガスはマフラーで一度跳ね返り
排気バルブの役目を果たしています。
この跳ね返り(私は戻り圧と呼ぶ)の速度が重要になっています。
2ストロークエンジンの排気システムは
一種の音波として考えられていますが、この音波は温度が高いほど
伝達速度が速い特徴を持っていて、当然、排気温度が高いほど
速く伝達する事になります。
触媒は一般的に300℃前後からが、最も効率的な浄化作用を
発揮するらしいので、排気の温度もその辺に合うように
設計されている物と思われます。
その時点で、マフラー内部の温度は約300℃付近、もしくはそれ以上
が保たれるのですから、当然マフラーの設計
(戻り圧の発生するタイミング)も、その温度に合わせて
長さや太さが設計されていると思われます。
そのため、触媒が異常発熱して、マフラー内部の温度が上がり
排気ガス自体の温度も上がってしまうと、
戻し圧の発生するタイミングが設計上の計算より
大きく変化してしまい(速くなる)
理想の排気バルブタイミングではなくなってしまうのは?
と考えるのです。
ちなみに、触媒の異常発熱は、
混合気が薄すぎても発生する様です。
混合気が薄いと、必然的に排気温度も上がってしまうので
その影響かと・・・・。
(三菱のランエボ系ターボエンジンの
チューニング車に良く聞く症状です)
PWK33とSK1マフラーの組み合わせでは、
マフラーが冷えている走り始めが調子よく、
暫らく走行を続けるとダメダメになってしまうのは、
まさに上記の内容が起こっている為と推測します。
どのくらいまで異常発熱しているかは不明ですが、
車の触媒センサーの異常は900℃前後で点灯するようなので、
やはり、その辺まで上がっているのではないでしょうか?
(夜間、マフラーボディ自体が赤く光って見える訳ですし、
700〜800℃は行っているかと)
余談ですが、何故、SK1のマフラーは長いか?
ですが、内部の仕切りの位置で色々変ってしまうので
憶測話となりますが、恐らく、初期(W)マフラーより、マフラー内部の
温度が高い為、戻し圧のタイミングを調整する為に
長くしているのでは?と、私は推測しています。
マフラーを長くすると戻し圧発生のタイミング遅れるので、
排気ガスの温度が上がり速度が速くなった分の
相殺ではないかと・・。
(根拠は無いですが・・・)
< 注意事項 >
走行直後のマフラーは、非常に熱く、この状態で作業を行うと
やけどの危険性があります。
走行直後の交換作業は、お避け下さいませ。
< 使用する材料 >
初期型用純正マフラー
品番 : 14310-16F00
品名 : ボデー、マフラ
価格 : ¥18,480-(税込み)
ガスケット(再利用可)
品番 : 14181-41D00
品名 : ガスケット、エキゾーストパイプ
< 使用する工具 >
・6mmヘキサゴレンチ(6角レンチ)
・10、12、14、17mmメガネレンチ
< 使用するケミカル >
・パーツクリーナー(必要に応じて)
< 参考文献 >
特になし
< インプレ >
案の定と言いますか・・・・。
セッティングが「ビシッ!」と決まるようになりました。
私の周りでも、PWK28+SK1マフラーと言う組み合わせの方が
いらっしゃったのですが、私とまったく同じ症状に悩まされておりました。
やはり、初期型マフラーにしたら、スッキリ!したみたいです。
触媒付きマフラーにキャブの境界線をおくのであれば、
26φ辺りが境界線かと思います。
*インマニやシリンダーのポートタイミングによっては、問題無いかもですが・・・。
PE24キャブの時にも試着した事はあったのですが、
パワー感の違い等は特に感じられませんでした。
(私の感が鈍いだけかも・・・)