・A3 4472"FLYING SCOTSMAN"(1999年バージョン)
A-3 4472は現在、BR60103として動態保存されています。1923年にロンドン&ノース・イースタン鉄道(LNER)のA1として、当初1472号機のナンバーでドンカスター工場で製造されました。1924年には4472号機に改番され、「フライング・スコッツマン」の愛称が付けられました。「フライング・スコッツマン」とはロンドンーエディンバラをノンストップで結ぶ列車の名称で、本機は、「フライング・スコッツマン」の牽引機5両の内の1両でした。1934年には当時の蒸気機関車としては世界最速の160キロの公式記録を出しました。1947年にはA-1の改良型、A3が登場し、本機も改造が施され、A-3に編入しました。1946年にはイギリス国鉄103号機に改番、更に1948年には60103号機と改番されました。1963年に廃車になりましたが、A3の中では本機のみ保存されることになり、1969年には売却によりアメリカのテキサス州へ渡り、遊覧列車として活躍しました。1972年に所有者の破産により、解体寸前になった所で、再度売却によりイギリスへ戻り、オリジナルのスタイルに戻されました。2004年にはヨークにある国立鉄道博物館の所有となり、103号機時代の姿として保存されていましたが、2006年より動態復元が開始され、2016年に60103号機当時の姿に復元されました。
今回はDapol製の4472号機をベースに、ハンドレールをφ0.25に交換、ノブは銀河モデル製、デフレクターの撤去、ドレイン管の追加等を行い、1999年当時のスタイルを再現してみました。
私的には、ダブルチムニーであっても、デフレクターのない姿が好きです。
煙室扉ハンドル、煙室上のフックは自作しました。
フロントデッキ周りは変わっていません。
デフレクターを撤去し、きれいに処理するのが、思ったより大変でした。
銘板は銀河モデルのメーカーズプレートを同じく使用しています。
ウェザリング仕様としたため、ボイラー上は少々黒っぽくなっています。
各所に色入れを行っています。
「FLYING SCOTSMAN」のプレートの下には、オーストラリアで、422マイルのノンストップ走行の、
世界記録を達成した際に取り付けられたエンブレムが再現されています。
このエンブレムはなんと銀河モデルのメーカーズプレート「汽車会社」を使用しています。
言われなければ判らない?!?
製品は従台車枠ごと首を振るようになっていましたが、
実物同様台車枠を下廻りに固定し、車輪部分のみ首を振るように加工しました。
車輪部分のみでは軽くて脱線する恐れがあるため、補重しています。
従台車部分の赤いラインも入れてみました。
シリンダーブロックの下には、3本のドレイン管を追加しました。
ドレイン管はフロントステップまで伸びている時期もあります。
製品では、ランボード、シリンダーブロックのラインが朱色っぽいので、赤く塗り直してあります。
従台車部分には、見えにくいですが、ダンパーリンケージを再現しました。
キャブ屋根の幌も、走行中にテンダーにぶつからないように取り付けました。
台車部分の赤いラインを入れるのに、とても苦労しました。
後部の明かり取り窓が特徴です。