MODE ACTUEL MODE ACTUELLE

 

 

 

 

 

 

 

 


HHJ

 

 

 

 

 

 

Updated 2006.8.12

 

藤里劇場に登場した

目撃者のアリバイを探そう

 

89日秋田地検は畠山鈴香を長女殺害で起訴した。しかし、読売新聞によれば、畠山容疑者は大沢橋から娘を突き落としたことを否認して〈何で私が犯人なの?〉とそれまでとは反対に警察のフィクションを訴えている。捜査本部は小学1年生の男の子の事件も含めて容疑者が〈自分なりのストーリーに強くこだわる傾向がある〉と反発する。〈自分で思い込んだ「悲劇の母親」からいまだに抜け出ていない〉という1

 

 この事件では大沢橋の近くに住む女性の目撃が唯一の証拠らしい。この住民は49日の〈水死事故〉に関する聞き込みで目撃したことを話さなかった。これは犯罪に係わりたくないという恐怖心か、敗戦後の下山事件でのように国家権力に協力させられたか、という疑惑を掻き立てる事実である。しかし、結論を急がないで、目撃情報に基づいた大沢橋のドラマを見てみると、畠山鈴香の知人というこの住民は、〈子どもを迎えに行った〉帰り645分ころ車で現場を通り、橋の上に白い軽乗用車と母と娘がいるのを認めた2。日が沈んだあとの街灯がない橋の上だから、ヘッドライトに浮かぶ姿である。それを信用するには、有罪にしたいと思う欲求が必要だろう。地検は数多くの批判を振り切るためにも、目撃者がその時刻に大沢橋を通行したという事実を客観的に証明しなければいけない。弁護士は《目撃者のアリバイ》を追及すればいい。

 

大沢橋での犯行説には他にこんな欠点がある。

A 橋の入口に八阪神社があることは、犯人が普通の人間でないと考えさせる。無神論者か精神異常の傾向がある者かテロリストだろう。畠山鈴香は神社の存在を知り劣悪な環境で理性的に語ることができて、簡易鑑定でも幻覚や妄想はない。

B 目撃された時刻の直後7時すぎから、畠山鈴香は娘の彩香ちゃんの行方を自宅から電話で友人などに尋ねたり、近所に聞きに回っている2。人に目撃されてすぐ衝動的に殺害したという筋書きになるが、これは現実を無視した暴力的なコミックである。通りかかった車が視野に入ったとき知り合いの女性が来たと畠山鈴香が直感すれば、なおさら不可能だ。

C 高さ8メートルの大沢橋から転落すれば、司法解剖で容易に死亡状況が分かるはずである。頭部の陥没骨折だけではすまない。しかし、警察発表では他に傷がない、ということにされている

D 橋の下には全面的にブロックが敷かれている。それがない狭い流れに被害者が落ちたというのは、高岩橋下流の遺体発見現場に流れ着いた事実と論理的な整合性を持たせなければいけないからだろう。

 

これで追起訴して有罪にしようと狙うあの陰険な秋田地検の目的は何なのか?

1 不条理な事件で住民を絶望と無気力の牢獄にぶち込む。

2 権力のサディズムを恐れさせる。

3 軍事独裁的な二重構造の戦時体制を作る。

論理的な終わりは、破滅の美学に溺れて悲劇の国を再現することだろう。流れに浮くような軽さは、憎悪の対象でしかないのだから。

 

ところで、518日米山豪憲君が二ツ井の中心街の対岸で発見されてから警察の動きに気づいたマス・メディアが24時間態勢で畠山鈴香の実家を監視したという3。彼らは人権侵害の意識を欠いている。どんな目的でそうするのか、と聞かれたら、〈真実のために〉〈国民の生活を守るために〉と答えるだろうか?しかし、疑わしいという理由だけで人権を無視するようでは民主主義を暗殺する恐怖政治の下請け、メディア・テロである。むしろジャーナリストは自律的に思考しながら警察と他のメディアがライトを当てないところを見つけて歩き回り、言葉にするべきだった。報道記事を見るかぎり、ニュースの談合の疑いがある。国民は、それらを積極的に裁かなければいけない。

☆ D+H

 

1 読売新聞 88

2 朝日新聞 810日、毎日新聞Web 2006719日 1500

3 毎日新聞 810

 

▼ 捜査が重大事件に発展すると

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.7.25

捜査が重大事件に発展すると???

 

23日の朝、県警捜査本部は大沢橋の下から人形2体を流して、49日の水死事件の実況見分を行なった。服を着せた軽いマネキン人形とタイヤで同じ体重にした人形は彩香ちゃんの遺体が発見された高岩橋下流の中洲に漂着した。ただし、同じ体重の物体は中州から100メートル手前で木の枝に引っかかったという1

 県警は、遺体が発見された直後にその検証を行なうべきだった。住民の一部から漂着地点に対する疑問の声が上がっていた。母親は、理由を言わないが、水死に不自然さを感じていた。報道では、能代署は事故と事件の両面から捜査している、となっていた。それでいながら、実証的な捜査をなおざりにしていた。

4月に藤琴橋下流の転落地点とされた場所から人形を流して検証すれば、どういう結論が出たか?水死体は取水堰で止まるか、2か所の堰を通過したとしても大沢橋の上流に突き出た川原に慣性的にまっすぐ乗り上げる、ということだ。〈通過〉と条件を付けたのは、二つの取水堰が閉じていたかどうかについて警察もマス・メディアも情報を出さないからである。しかし、それは事故でないという決定的な証明になっていたはずだ。

 県警捜査本部は、殺人事件として捜査したくなかったのか?あきれたことに、この疑問は早くからあった。再捜査を求める畠山鈴香に対して、警察は事件よりも事故扱いにしたほうがいい、と否定的だったというのである2。これは、一人あるいは複数の犯罪者を自由勝手に行動させることに他ならない。

 今度の検証で浮かび上がった疑問点がある。人形は約2時間以内で中州に流れ着いたが、警察発表によれば、大沢橋から落下した時刻は49日午後645分ころとされているから、雑草が延びていない中州に横たわった水色の服を着た1メートル40センチの《行方不明者》が翌日午後1時すぎまで人目につかなかったのは不自然だということだ。

 

 この事件の意外な展開に関して、捜査本部の責任を問う声が方々で上がっている。国民に向けた警察の発表が一層重大な事件になりつつある。それは、411日の司法解剖の結果について偽っていたことから明白になった、と言える。司法解剖で頭部の陥没骨折が判明したが、県警はこの事実を発表しなかった3。関心を持つ人々をだました理由は、それが川岸から流れに落ちた際にできるような軽い傷でないので、結論に反するということである。

しかし、沓掛哲男国家公安委員長は初動捜査について〈捜査のために(マスコミに)情報をすべて出すわけではない〉と弁護した4

警察庁の漆間巌長官は〈聞き込み能力を県警が検証し、県議会などで明らかにする必要がある〉と語った。大沢橋で容疑者と娘の姿を見たという目撃情報を得たのは米山豪憲君殺害後の518日のことで、〈この目撃者に最初に接触した4月9日には、情報を得られなかった〉というのは例によって目撃証言の信頼度を落とすものだ5

 秋田県の寺田典城知事も、〈県警の行動と結果について県民に報告する義務があるのではないか〉と初動捜査への疑問をあげて批判しながら、捜査情報を開示するようにうながした6

 

京都新聞で見つけたタイミングのいいニュース。最高検察庁は容疑者や参考人らの供述調書の作成手順を明確にした検察官調書作成要領案を全国の高検・地検に通知した。81日から〈調書の全ページに容疑者らの確認印を求めたり、末尾に作成方法や修正の経緯を明記したりすることなどが盛り込まれた7。〉

 

〈秋田事件〉というタイトルで現地をごまかす朝日新聞によれば、秋田地検は、畠山容疑者の精神状態を調べるために簡易鑑定することに決めた8。〈常識では理解できない〉話をすると捜査本部がぼやいていたが、それこそ調書にしっかり記載して21世紀の社会の安全保障に役立てるべきことだろう9

 

〈うそを交えて話すタイプ。いつから真実を話し始めるか分からない。〉(捜査幹部)10

☆ D

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

1  kyodo NHK テレビ朝日 TBSi  毎日新聞 さきがけ新報 

2006 723

2  毎日新聞 200677

〈逮捕前の毎日新聞の取材に対し、「警察から『事件より事故のほうが救われるでしょ』と言われた」と繰り返し主張した。〉

3             kyodo  2006 720 () 02:00

    朝日新聞 2006 719 () 10:08

4 kyodo2006 722 () 20:04

5   読売新聞 - 7201950

6 毎日新聞 2006724日 馬場直子、津村豊和

7         京都新聞 19:42 2006/07/23 共同通信

8         朝日新聞 2006 724 () 20:47

9         共同通信 07/14

10    毎日新聞 200667日 1107分 百武信幸、馬場直子

 

 

▼ 藤里町物語; 犠牲者が次の事件の犯人になる

これに関連する会話に参加する

▼ 無意味な破片 : 藤里町物語 2006.6.24

▼ 無意味な破片 : 藤里町物語 2006.7.28

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.7.22

 

イギリス人は3日間で

藤里事件を解決する

 

強引に作られた先入観

藤里町の連続怪死劇は、他の地域の人たちにはまず小学1年生の男の子が517日行方不明になり18日米代川の左岸で遺体で発見されたというニュースから始まった。その容疑者として2軒隣りに住む畠山鈴香という33才の女性の名前が出て、どす黒いセンセーションを巻き起こした。彼女は4月9日の夕方自分の一人娘の行方が分からなくなり、翌日藤琴川で〈水死体〉と対面した哀れな母親だったが、男の子は娘の友だちなのだ。それを最初から知っていた人は、少年が殺害されたのは49日の不審な出来事に何らかの関係があるのではないか、という疑惑が自然に湧くだろう。住民の間にはそういう意見があった。行方不明のプロセスにしたがえば、その男の子は友だちが誰かに連れ去られるのを目撃したのではないか、という疑問が客観的に可能である。そういう疑問が報道されないのは奇妙なことだが、少年が犯罪の被害者だとしたら、畠山鈴香の娘の死にも他殺の可能性が強まる。そう推理するのが、常識的に見ても司法関係者の習慣から言っても、正解だ。警察は事故扱いにしたが、事件に巻き込まれた疑いもあるので、捜査は継続していると説明していた。畠山鈴香は娘の死に他人が係わっていたはずだと訴えていた。だから、銀杏橋の上流にあたる死体遺棄現場に世間の目が集中したとき4月のミステリーの解明は近いと期待しただろう。

 

49日に何があったか、時間を追って調べてみなければならない。そうすれば、死体遺棄と殺人容疑で逮捕された女という先入観を通して一連の行動の意味を強引に変える感情あるいは悪意を抑制できるはずだ。

 

自由の拘束は最小限に                 

718日秋田県警は畠山鈴香容疑者を小学4年生の彩香ちゃん殺害容疑で再逮捕した。625日米山豪憲君殺人容疑で逮捕されて、10日間の拘置期限が過ぎる直前の7月初めに長女の殺害を自供したという1。北朝鮮のミサイル連続発射のニュースが日本国民を震え上がらせたとき、と背景を忘れないようにしたい。拘置中の取り調べで容疑者の運命が決まってしまうのは、テロリスムの恐怖装置を受け継いだ日本の非民主主義的な断面である。NHK大津支局の笠松裕史記者が放火狂に仕立て上げられた事件でも、その隔離状況が長々と続いた。人権保護を優先するという現代的な生き方に対する侮蔑を感じさせ、それだけでも見せしめ効果は計り知れない。そして、敗戦後の列車脱線テロ松川事件でのように、容疑者の口から共犯者の名前を次々とでたらめに吐き出させないか、などという強迫観念を広め、民主主義を腐敗させる。

 

HHJは、拘置期間の規定を民主的に改めるべきだと考える。イギリス人は、シャーロック・ホームズの国らしく3日間で事件を解決している。日本人は遅くても1週間以内で真相を描き出すようにしなければいけない。拘置期間の延長は、ヒューマニズムと人権保護に反するだけでなく、捜査能力の不適正を証明するという観点から見ても、許されるべきではない。今度のような再逮捕の場合でも、いったんブラックボックスから解放するべきだろう。その間もちろん容疑者は自由に発言できる。警察と検察が、それでは困ると異議を唱えるのは戦前の安易な自白重視主義に陥って事前に十分な捜査と検証を行なわないから、である。

☆ H

 

1  kyodo 2006 719 () 17:04

 

これに関連する雑談に参加する

▼ 無意味な破片 : 藤里町物語 2006.6.24

敗戦後の事件を参考に推理する

▼ カレンダーのある事件 2

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.7.12

 

麻生外相の発言の解釈:

問題を爆破すれば、

破壊と混乱の地獄

 

北朝鮮のミサイル連続発射に対して、日本政府はアメリカとヨーロッパの支持を受けて制裁決議案を国連安保理に提出した。国連憲章第7章を参照(レフェランス)すれば、経済制裁ばかりか、最終的には平和を維持するために武力に訴えることも可能になる。フランスのAFPは、それについてTVでの麻生太郎外相の発言を厳しく取り上げた1。平和憲法に関係なく直接的な核の脅威がある場合は北朝鮮を攻撃する権利を持つ、という発言だ。〈核兵器を持つと言っている国に攻撃されても、何もしないというのはありえない。〉しかし、日本の平和憲法は紛争解決のために武力に訴えることとあらゆる先制攻撃を禁じている、とAFP(フランス通信社)は短気な日本人に注意をうながす。

 

制裁決議案には中国とロシアが反対して、両国は拘束力のない議長声明案を選んだ。麻生外相は特に中国の拒否権を嫌い、〈ヴェト(拒否権)を持つただの一国の前に我々が降伏するなら、我々は国際社会に悪いメッセージを送ってやる。歴史は、拘束力のないメッセージはみんな意味が乏しい、と我々に教えている〉と表明した。AFPが翻訳したその発言の前半は日本の卑屈なメディアには見当たらないが、〈Si nous capitulons 〉とは普通〈我々がもし降伏条件の協議をするなら〉という意味である。歴史とは、目の前の問題を徹底的に爆破しつづけた中国侵略の歴史だろう。

 

11日、安保理は制裁決議案を延期した。中国外務省の姜瑜副報道局長は、こう冷静に分析する。〈制裁決議は事態に過剰反応したもの。もし採択したら矛盾を激化させ、緊張をエスカレートさせ朝鮮半島および北東アジアの平和と安定を損なうことになると思う2。〉

日本政府は最も強硬な反応を示した国だが、一般国民に対して責任を取る意志が感じられない。こういう奇怪な状況で北朝鮮の脅威を自衛隊の先制攻撃で取り除こうとしても、平和憲法をみずから裏切った日本に味方する国はないだろう。政府は、その保証ができないはずである。それだけでは終わらない、どんな混乱が待ってるか分からない、と予期するのが文明国に生きる人間の理性的な考え方だ。

 H

 

1 SEOUL (AFP) 9 Juillet 2006 11h44
La Corée du Nord menace d'une "guerre totale", Tokyo se dit "en droit d'attaquer"

 TVとは、NHKオンラインによればNHK日曜討論会のこと。

Le ministre japonais des Affaires étrangères, Taro Aso, a déclaré que le Japon aurait le droit, en dépit de sa Constitution pacifiste, d'attaquer la Corée du Nord en cas de menace nucléaire directe.

"Il nous est impossible de ne rien faire si nous sommes attaqués par un pays qui dit avoir des armes nucléaires et qui pourrait tirer des missiles contre le Japon", a déclaré à  la télévision M. Aso, réputé pour être un "faucon" du gouvernement.

Le Japon est doté depuis 1947 d'une Constitution pacifiste qui lui interdit de recourir à  la force en cas de conflit, et donc à  toute frappe préventive.

 

2  TBSi  1117:54

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.7.10

大津放火狂事件:

社会の鏡としてのマス・メディア

 

                                                  

〈新聞は社会の鏡である〉という金言は、ジャーナリズムが好んで引用していたものだ。それが理想的だとは思わないが、一般国民の関心を独占するための宣伝文句としてはなかなか効果的だ。読めば社会の動きを理解できる、と普通の人は信用させられてしまう。TVなどのマス・メディアも例外ではない。

大津放火狂事件の報道は何を理解させたか?

 

 523日、大津地方裁判所で初公判が開かれた。検察側が笠松裕史被告の犯行であると決めたのは、8件の放火と放火未遂の罪である。〈去年4月から5月にかけて大津市内で住宅やダンボール箱などに火をつけ、住宅1棟を全焼させるなどしたほか、去年6月には、大阪岸和田市でダンボール箱に火をつけた〉とNHKオンライン1

人騒がせな放火は12回連続の深夜劇場だった。警察は10件の放火と放火未遂で送検していたので、2件の放火については真相不明という結論。大津地検は4件の放火について立証が困難という結論だ。残る4件の放火はどうなのか?自白がないか物的証拠がないか、この処分未決定は被告の他に犯人がいる可能性を示している。この放火犯は一人あるいは複数かもしれない。滋賀県警と検察は、その理由について沈黙するべきではない。

 笠松被告は、従順に起訴事実を認めた。〈そのとおりでまちがいありません。すべて私がやったことです2〉…しかし、事実はHHJが書いたように〈はい、その通りです〉の一言だったはずだ。

 冒頭陳述では、動機について意外なことが語られた。〈自殺願望を紛らわし、気分高揚感を得ようと火をつけた。3〉今まで出なかった願望だが、元NHK放送記者のタフな青年が拘置中に受けた苦痛を想像させた。これは検察側が事件の始まりに移し換えた苦し紛れのレトリック、決算報告書の偽造だと思う。検察側は、その動機を論理的に解明する義務がある。連続放火の行動をホームドラマのような閉鎖的空間の争いだけで説明しても、21世紀のグローバリゼーションの世界に生きている市民は、誰も満足しない。滋賀県警の記者室と大津支局は、外の世界と密接につながった舞台である。

Kome

 

1          NHK 05/23 13:59  その他参考。

2,3読売新聞 - 5231259分 大津地裁 長井秀典裁判長

 

参照 :

 

■刑事訴訟法

第二節 証拠

第三百十七条  事実の認定は、証拠による。

第三百十八条  証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。

第三百十九条  強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。

 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。

 前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。

 

前の記事にリンクバック

▼ 関係者はみんな精神鑑定を

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.7.10

 

知事選で見た、

琵琶湖の花火は永遠の輝き

 

放火狂は大津市の暗い夜に火をともした。マス・メディアが極東の暗闇に光を当てて弱い国民を元気付けるように。なるほど、言葉は光である。しかし、一枚の票も光である。71日の滋賀県知事選で、それが証明されたことは言うまでない1。新しく知事に選ばれたのは、無所属新人で京都精華大学環境社会学教授の嘉田由紀子、56才。大津駅の前にある滋賀県庁に勤めて琵琶湖研究所の研究員などを経て、市民グループ〈水と文化研究会〉代表をしたこともあり、自然環境問題に明るい。社民党の支持を受けて、無党派層を中心に票を伸ばした。

 

嘉田由紀子 無新 217842 

国松 善次 無現 185344 

辻  義則 無新 70110 

 

投票率は4494 で、2002年の前回知事選3867%を上回った。現職の国松は自民公明民主の支持に乗りながら約10万票減らして、転落。日本国民は再び社民党に期待するかもしれない。しかし、このショックについて各政党は真正面から分析する気がないが、特派員はこの選挙がアミダクジ・モードだったと考える。新幹線の新駅建設とダム建設に反対するという大学教授の公約に一票を入れた県民は、その裏に去年のJR福知山線での惨劇と大津連続放火騒動の《第一原因》に対する憎しみを書き込んだのである。

    D

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

1        産経新聞 73320分、 京都新聞 18:01 2006/07/03 

TBSi  0311:45

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.7.7

 

6発のミサイルが六ヶ所村にリンク

 

75日気晴らしにリヴァー・ポートのペンキ塗りをして、夕方近くインターネットを開くと、北朝鮮が未明にミサイルを6発日本海に発射したというニュース1!!!そのうち1発はアメリカ本土に届くテポドン2号だが、打ち上げに失敗して40秒で落下したという。ヌーヴェル・オプセルヴァトゥールは背景に目を向けさせる短い説明を加えた2。〈北朝鮮政府は象徴に気を配り、74日のアメリカの独立記念日を選んだ。〉

 このミサイル連続発射は、どう考えればいいのか ?アメリカ国民は、挑発だと言うだろう。日本と韓国と中国の国民には、〈黙れ、おとなしくしろ〉という脅迫であるにちがいない。しかし、特派員は〈6発〉の数字で今年1月シラク(Jacque Chirac)大統領がロング島(l'Ile-Longue)の核基地を訪問したときの記事を想い出した。フランスの原子力潜水艦は16発の核ミサイルを積載していて、それぞれのミサイルには6個の弾頭が入っているというのだ3。まるでハリウッド映画の空飛ぶ恐竜である。6という数字と核兵器は、次にユーラシア大陸の東にある六ヶ所村の核燃料リサイクル施設にリンクした。そこには三沢市HPによれば、フランス人技術者が雇われている。

  北朝鮮の闇の支配集団は、フランスの核攻撃を恐れる理由があるのか? ヌーヴェル・オプセルヴァトゥールが記事に添えたAPの写真は、やはり記号論的な意味合いが強い。それには、北朝鮮のミサイル6発が放射状に並んでいる。

 北朝鮮は最終的に7発か10発ミサイルを打ち上げた。宇宙衛星からの偵察と妨害を避けるためにそうしたとも考えられる。目標は落下地点だったとは言えない。弾頭の内容物が当然気になるが、それに関する情報はまだない。いずれにしても、戦争と金以外にはどんな目的も持たないという態度は、死に至る病である。

D

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

1  読売新聞- 75141 , TBSi 18:47 2006/07/05

2  Condamnation unanime de la scène internationale
NOUVELOBS.COM | 05.07.06 | 15:27
3  Chirac adapte la dissuasion aux nouvelles menaces

Philippe Goulliaud  [20 janvier 2006]

Le gouvernement nord-coréen, attentif aux symboles, a choisi le 4 juillet (heure américaine), soit le jour de la fête nationale aux Etats-Unis, pour tirer ses missiles.

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.6.15

 

藤里町物語;

犠牲者が次の事件の犯人になる

 

日本の司法機関ほど平然と無実の人を犯人に仕立て上げる国はない1〕。その背景を考えると、国民と統治者が法律にしたがって国家を運営するという明治以来の社会で国民が個人として成長しなかったことが問題になる。一人の人間とは肉体を持った労働力である、というのが国民の大多数の認識だった。それに平等とか自由とかいうアクセサリーを加える思想もあったが、実体は変わらない。だから、この男は犯罪者として国のために役立ったもらおう、と権力者が指令を出せば、謀略機関と警察その他が卑劣な文学的才能を発揮してストーリーを書き登場人物と劇場を選んで事件を上演する。

 

藤里町の小学生殺人事件にもやはり怪しい点がある2〕

1 藤里小1年生の男の子は5月18日二ツ井駅の南に当たる米代川対岸で遺体が発見されたが、畠山鈴香容疑者は4月9日藤琴川で誤って水死したとされる藤里小4年生の女の子の母親だった。《犠牲者》が次の事件の犯人として逮捕されるという、視聴率が津波的に上がる意外性のあるドラマ。その内面については文学的な説明である。

2 水死した小学生は、能代警察署の捜査では自宅の近く藤琴橋の下流で遊んでいるうち、足を滑らせて川に転落したとされる。若い母親は、川で遊ばないようにと娘の彩香ちゃんと約束していたので、警察の結論に不満を抱き捜査の続行を願っていた。素波里(すばり)ダムの放水警戒区域であることを考慮に入れると、小学生の行動は確かに日常生活のルールから逸脱している。

3 溺死体は約6キロ離れた高岩橋の下流で発見された。しかし、転落地点のすぐ下流にかんがい用水の取水堰がある。水門が閉じていれば、堰で止まる可能性が高い。水門が開いていれば、問題はないが。

4 容疑者の最初の供述によれば、自宅の玄関に入ると、娘の仲良しだった米山豪憲君が倒れていた。次の供述は、家に呼び招いて娘の部屋の前で着物の腰紐で首を衝動的にしめた。しかし、男の子の靴下には家の中で飼っていたウサギの毛が付着していなかった。弁護人が記者会見で発表したところによれば、きのうの供述は事実に合わせて玄関で首をしめたと変わった。

5 首をしめるときに指紋が残らないように用心して、雪掻き用の軍手をはめた、と容疑者は語ったという。そして、軍手と腰紐は処分に困り、警察に発見されるまで乗用車のトランクに残していた。これが一番変なのだが、自分の所有物に自分の指紋が付くのを非常に恐れた。死体を川岸に捨てたとき、軍手と腰紐を目の前を流れる米代川に投げ捨てなかった。その後も思いつかなかった。

 

産経新聞の西山典男記者によれば、〈しかし、畠山容疑者が詳細な供述をするにつれ、捜査本部からは疑問の声が漏れてきた。特に注目されているのが、供述があまりにもよどみなく話されている点だ。「弁護士にも警察にも全く同じ内容を話している。少しはブレるはずなのに。まるで準備して暗記したようだ」〉要するに、警察のシナリオを嫌々暗記してしゃべったヒロインで、毎日新聞の田村彦志記者は、舞台裏をのぞかせるような事実を載せた。〈殺害を知られたら、母は自殺してしまうのではないか〉と畠山容疑者が弁護士に不安を訴えたというのだ。これはフレーム・アップの珍しくないパターンである。容疑者は愛する者たちに死の危険が迫ることを暗示されて、一時的に国家権力の犠牲になることを選んだのではないか?捜査本部の者がそういう疑惑を消すために先手を打って真実をほのめかしたのは、これも異常な国の証明と言うべきだろう。

H

 

1 司法機関の機能の定義に警察の犯罪捜査と検察の司法行為を含めることには、異論があると思う。

2 TBSi 14日 / 読売新聞 - 6月10日 / 共同通信 - 4月10日 / 秋田さきがけ新報 2006/05/18  2006/06/10  / 北海道新聞 2006年 6月10日 (土)  / 産経新聞 - 6月11日 / 毎日新聞 - 5月18日 6月11日

; 関連する事件現場の地図はさきがけ新報の新聞記事で見た。

 

410日の水死体発見に関する11日付けの報道記事を見る

▼ 北羽新報 これまでのニュース

これに関するその後の展開と詳細な分析などを読む

▼ 無意味な破片 : 藤里町物語 2006.6.24

 

 

 

 

 

 

 

 


Updated 2006.5.17

 

検察庁の決意:

ヴィデオで取調べを記録

 

1998年国連の国際人権規約委員会は、日本政府に対して取り調べの電磁的記録による透明化を勧告したが、自民党と公明党の連立政権は関心を示さなかった。朝日新聞によれば、国会は2004年の刑事訴訟法改正の際に〈取り調べの可視化を検討する〉という付帯決議を行なった1。民主主義の建物を人目につかない閉鎖的な場所で腐らせるこの非人間的な国家権力の手法に対して、良心的な弁護士と自由なジャーナリストは長い間厳しく批判してきた。これは、文字どおり生命を賭けた闘争だったと言わなければならない。

 最高検察庁は、59日検察官による容疑者取調べの録画・録音を試験的に7月から開始すると発表した。朝日新聞の報道では、ヴィデオを使用するということである。音声だけの電磁的記録では偽造を防ぐのが難しいためか?一方、警察庁は期待を裏切って、開かれた民主主義を否定する頑迷な態度を表明した2

ミランダの会によれば、弁護人の申し入れがある場合、捜査機関は取調べの録音を認めることがあるらしい3。しかし、電磁的な記録による透明化を法律で義務づけなければ、司法に対する国民の信頼は落ちつづけるだろう。

検察庁の思い切った試みは、裁判員制度の対象となる重大事件に限定される。供述調書の任意性が裁判で争点になったとき、容疑者が自らの意思で犯罪について語ったと立証するために用意される4。しかし、容疑者の話が脅迫などの狡猾な手段で引き出された場合、一部始終オープンにしなければ、取調べの実態は明らかにならない。

D

長木川上流社会特派員 ダレナニ

 

 

1,2朝日新聞 200559

3        小川秀世( 静岡県弁護士会)のレポート

   警察だけを指すと思われる。

4 産経新聞 510

 

関連する対話を読む

▼ 無意味な破片

 

 

 

 

 

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