ACT3 BLACK DOG
〜黒き獣はラムの夢を見るか〜
2.戦輪ウォーコイト
学園内に潜む<ヴィシャス>が胎動を始めます。
■凶暴化した鳥
GM:ここで大馬の娘、繭の登場です。繭は魔女に扮しています。そして双子の転校生、素子という生徒と一緒です。素子は吸血鬼に扮しています。生徒が繭だけでは寂しいので、インパクトのあるところで双子の転校生を出してみました。双子のもう一人は咲江といいまして、今は1−B教室にいますね。「クックもいい演技よね。驚く人の反応が分かってるみたいなんだもん。クックってそういうとこ、たまにあるのよね。」と繭。
GM:そして、また新たな犠牲者が教室に入ってくる。「中が真っ暗だから、どさくさで触ってもバレやしねぇよ」と下心丸出しの男子生徒2人組がきた。入った途端にすごい悲鳴を上げる。「痛ってー!やめろー!」。その後で、「ギャー、ギャー」甲高い声で鳴く声が聞こえる。そして、2人組はすごい勢いでクックの前も素通りです。後を追って、口ばしの長い鳥が翼を広げて飛んでいきます。
クック:下心丸出しの男子生徒2人組を懲らしめたいので、できれば素通りする前に出口を封鎖しに行きたいのですけど、どうでしょう?
GM:それでは【機敏】又は[運動]技能で目標値12の判定をしてください。
クック:[運動]初級です。(ダイスを振って)達成値14で成功!鯉のぼりのような蛇のキグルミを脱いでダッシュ。出口の扉を蹴っ飛ばして強引に閉じると、向き直り翼を開いて男子生徒二人に接触して『衝動』2点蓄積して≪記憶操作(マインドコントロール)≫。
GM:早速ネタ『衝動』溜めましたね♪
大馬:うーむ、鮮やか。鶏の行動だと思うととても新鮮だ。他のゲームにはない驚きですな。
クック:部屋の入り口の方に戻ってもらって、生物部の人達や他の客たちに見られないように10分間(60ターン)ほど封鎖しておいてもらいましょう。もちろん操作できる3分間の記憶は、嘴に触られて足の方からじわじわと石化して身動きがとれなくなっていくという恐怖体験をプレゼントしておきます(笑)。これがやりたかった!
一同:(笑)。
クックは≪頭脳強化(ノレッジエンハンス)≫による修正もあり、エネミー識別に成功。嘴の長い鳥は「凶暴化した鳥」、<ヴィシャス>である事が分かりました。
GM:「え?なに、どうしたの?」「ちょっと、順路が逆ですよ!」と繭たち生徒は戸惑っているが、クックに操られた男子生徒はかまわずに入口を封鎖してしまった。理科室の教室は出入り口が塞がれたため、教室内は薄暗く、人の顔の判断もあやしい状況ですね。しかし、ヴィシャスと生徒が同じ空間にいるのはとても危険な状態ですよ。凶暴化した鳥は姿勢を建て直して攻撃態勢に入れる状態です。クックのお手並み拝見ですね。
クック:<ヴィシャス>…。何故かような所に?『衝動』1点蓄積してバキバキと変身ですかね。
■1−B教室の喫茶店
GM:場面は変わって。3階1−B教室の大馬です。1−Bでは喫茶店を営業しています。「いらっしゃいませ〜。」と制服にエプロン姿の生徒が出迎えてくれる。そんな中、「あ、マユのおとうさんだぁ」と声をかけてきた生徒がいる。大馬は見覚えがある。最近、この学園に転校してきた子で、繭が自宅へ連れてきたことがある双子のひとりです。
大馬:ん?君は確か…先日、家に遊びに来た子だね。こんにちは。えーっと、繭はいるかな?
GM:「マユなら部活の方だよ。2階の理科室でお化け屋敷やってるから」と双子の妹、咲江。と、案内する後ろの方で、「キャー、あれがマユの自慢のおとうさん?いいな〜」などと囁かれている。「あとでお茶しにきません?」と大馬に言う子もいます。
大馬:ふふん、と無骨だが愛嬌のある笑みを浮かべて。おじさんをからかうもんじゃないぜ。若者どうし健全な恋愛を謳歌したまえ。早く繭に顔見せないと、俺が約束すっぽかしたと勘違いされちまうな。
ビスマルク:そんなに娘が恐いのか?
大馬:あ。まずいな、このまま生物部の教室行くってことは<ヴィシャス>と遭遇するってこと?
GM:その可能性大ですね。うふふ。
■大馬と繭
GM:大馬は3階の1−Bから2階の理科室へ移動しました。
「幻獣お化け屋敷〜二人の恋もUMAくいくかも?〜」と蛍光塗料でかかれた看板のある理科室入口は人で溢れている。大盛況?違います。どうやら扉が閉められて中に入れない様子です。
「ちょっと、あんたたち開けなさいよ!」という声が理科室内から聞こえる。毎日聞いている繭の声だ。
大馬:繭…?嫌な予感がするので、大型猫科動物のようなしなやかな動きで人並みをかき分けて進み、
理科室のドアを開ける。
GM:普通にドアを開けようとすると開きません。中から鍵がかけられているようです。強引に開ける場合は【肉体】又は[剛力]技能で判定をお願いします。目標値12です。
大馬:ん?鍵がかかってるだと。しゅっと呼気を吐き一気にドアを引き開けるぜ。[剛力]は初級あるから+5ね(ダイスを振って)11かよ!ここは繭のためになんとかするぞ!『衝動』1点蓄積して≪獣強化(ビーストゲイン)≫。
GM:早速、新たな能力使ってきましたね♪この能力は”悪魔化”しないで全ての判定を3dで行えるので、愛娘の前で変身しなくてすみますね。
大馬:筋肉が少し盛り上がりシャツの袖の辺りがキツくなる。犬歯が少し鋭くなり顔つきも険しくなる。俺の新しい特殊能力が覚醒した。再度[剛力]判定(ダイスを振って)12だ。あぶねー(汗)。
GM:バーンと激しい音がして理科室入口の扉の内鍵が破壊され、開かれた。行く手を塞ぐ男子生徒の背中の向こうに、声を荒げて詰め寄る女子生徒の姿が見える。繭だ。「あれ?おとうさん。どうしたの、そんなに恐い顔して?」いつもより険しい形相の大馬に少し不安を感じている。
大馬:いったいどうしたんだ?繭。
GM:「そこの男子生徒が順路を逆走して、扉閉めて…。もう、なに考えてるんだか。」と思い出したように興奮する繭。部屋の奥から聞こえる「ギャエェー」という鳴き声に、「キャー、なんの声?!」と言ってまた騒ぐ。
大馬:いいか繭、みんなを連れて外にでるんだ。中の様子はお父さんが見てくる。あの犬(ビスマルク)め、どこにいやがるんだ。
GM:その辺をフラフラしてますよ(笑)。
クック:颯爽と現れてくれるに違いありません。
GM:「だって、まだお化け屋敷の最中だし…」と言って繭は周りの部員たちに「どうしよう?」と窺っている。【幸運】か[交渉]技能の判定をしてください。成功すれば生徒達は大人しく理科室から出ていきます。目標値は9です。
大馬:いいからお父さんの言うことを聞くんだ。って【幸運】1しかねぇ。(ダイスを振って)しかし達成値は17だっ。どうだ!
クック:お見事♪人払い出来て何よりです。
GM:出目いいですね。やっぱり≪獣強化(ビーストゲイン)≫で3dの効果は大きいようですね。真剣な大馬の顔を見た繭は「うん分かった。なにがあるのか分からないけど、お父さんを信じるよ」。そして、生徒たちに向かって「ねぇ、みんな。ここはあたしのおとうさんに任せて!いざって時はすっごく頼りになるんだから」と言うと、生徒たち全員を理科室の外に出します。
GM:大馬はお化け屋敷内の移動もありますので、「クックvs凶暴化した鳥」戦闘の3ターン目にクックと合流できることにしましょう。
■クックvs凶暴化した鳥−その1
GM:それではクックの戦闘を始めます。凶暴化した鳥は先程は飛んでましたけど、戦闘時の移動は歩行です(笑)。
クック:バキバキと純白の羽毛が銀色で硬質なものに変化していく。眉間にある鶏冠は角状に伸びて、淡い光を放つ。その両脇からは、リボンのようにたなびく二本の帯状の触覚がたなびく。本来退化してるはずの翼は大きく広がり、元々立派な両脚はすらりと長く伸びてゆく。
裏コメント:クックの共生生物はウォーコイトです。
クック:すみませんが、手加減はできかねますよ。
GM:行動順はクック→凶暴化した鳥の順になります。凶暴化した鳥も「ギャエェー」とひと鳴きしてクックを威嚇しています。クックの行動からです。どうぞ。
真白:クックさん、応援してますよ〜♪
ここで、バーン!と激しい音が聞こえます。先ほど大馬が扉を開いた音ですね。
クック:「おや、入り口の方が騒がしい。これは急ぎませんといけませんかね」。左翼を床にまで延ばし通常行動で≪人形使い(パペットマスター)≫。『衝動』1点蓄積、エナジー10点消費。翼を再び上げると、そこには半分割れた卵の殻をかぶった1匹の黄色いヒヨコが。
大馬:ヒヨコー!?
GM:おおー、かわいいピヨ!鶏とヒヨコなんてナイスな組み合わせですね♪
クック:ヒヨコ何やら大人気。「ゆきなさい」。ばさっと翼で相手を指示。攻撃行動で突撃させます。[特殊攻撃]は中級あるので+10で(ダイスを振って)達成値18。
GM:[特殊攻撃]中級ってすごいですね。戦闘はボス戦以外、全てエネミーは固定値でいきます。凶暴化した鳥の特殊攻撃回避固定値は17なので命中です。ヒヨコは弾丸のように敵の懐へタックルをかました!凶暴化した鳥は「ギュエェェー!」と悲鳴を上げる。ダメージください。
クック:人形のことは「傀儡」と呼ばせていただきます。傀儡のダメージ(ダイスを振って)12です。
大馬:ヒヨコすげーっ!
GM:特殊防御力1点引いて、11点のダメージ入りました。結構痛い!苦しみながらも鳥はまだ倒れません。
GM:凶暴化した鳥は本能の赴くままに、いま攻撃をしたヒヨコに対して鋭く尖った嘴で突きます。肉弾攻撃で固定値は20です。クックは回避の判定をお願いします。
クック:(ダイスを振って)達成値は12。回避できませんでした、振り直しもしません。人形のエナジーは1なので、ぼしゅーっとやられて消えてしまいますね。
大馬:ヒ、ヒヨコーっ(涙)!
クック:あらあら。やりますねえ。あれが私だったと思うと怖い怖い。ですが、それは私の操る傀儡。痛くも痒くもありませんよ。少々疲れますがね。
GM:第2ターン開始です。凶暴化した鳥はターン開始時のタイミングで≪行動値上昇(イニシアティブアップ)≫を使用し行動値は17に変更。行動順は凶暴化した鳥(17)→クック(13)の順です。
クック:ターン開始に使う能力はありません。
GM:人形を破壊した凶暴化した鳥は次はクックを標的に選びます。「ギャエェェー!」とひと鳴きして鋭い嘴でつつきます。肉弾攻撃固定値20をクックは回避できるか!?
クック:念のため、帳を下ろしておきましょうかね。ばさっと翼を翻して≪磁力障壁(マグネティックバリア)≫。全ての防御力に+5されました。
しかし、クックは肉弾攻撃回避を2回振り直すも僅かにとどかず…。
クック:仕方ありません、ダメージください。
GM:凶暴化した鳥の素早い動きにクックは反応できず、嘴の一撃を受けます。しかし、微弱な磁力による壁が嘴の威力を弱らせ、深い傷を負わせる事が出来なかった。肉弾防御力2に≪磁力障壁(マグネティックバリア)≫の防御力5が加算され、通ったダメージは僅かに1!
大馬:やるな〜、クック。
裏コメント:初登場の共生生物は新鮮でいいですね。
クック:『衝動』は第1段階を突き抜けて第2段階に突入しました。
GM:一気にきましたね!『衝動』による副作用をダイスで決めてください。
クック:(ダイスを振って)「辛抱」。全身が変身しかける、無理に抑えたので5ダメージ。経験値10点いただきます。
大馬:ははは。≪磁力障壁(マグネティックバリア)≫の意味ない。まあプラスマイナスゼロか。
クック:攻撃自体は受け流せましたが、寄生体がいうことを訊きませんか…。衝動に流され傀儡すら出せなくなるとは…。まだまだ、心胆及びませんか。
クック:通常行動で『衝動』1点蓄積して≪肉体修復(ヒーリング)≫。(ダイスを振って)13点回復してエナジー22点。攻撃行動で、牽制の蹴りでもしておきましょうか。(ダイスを振って)達成値14で外しました。出来れば大馬が来るまえに仕留めておきたかったのですが、サイコロが言うことを訊きませんねぇ。
真白:ダイス目なんてそんなもんですよ(笑)。
GM:次のターンで大馬登場ですが。ここで真白の場面に切り替えます。
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