日経新聞の記事でマイケル・ケンナの写真展を知った。テーマは日本の風景。100枚、展示されるという。連休中の5月1日、自動車免許更新手続きで都庁まで行くついでに代官山まで行ってきた。
ケンナの写真は、二度見ている。一度目は8年前。渋谷の百貨店の画廊で。二度目は東京都写真美術館での回顧展で。5年前のこと。このときは図録を買っている。
まさに「静謐」という言葉がぴったりの風景写真。ケンナは、自身の作品を「ミニマルで俳句のようで、独特の雰囲気があって、現実に直結していない」と解説している。余計な物を排して期待する対象だけをとらえている、ということだろう。
今回展示されている作品はすべて正方形。この統一されたフレームも、独特な雰囲気を出すことに寄与している。
一番気に入った作品は、雪原に立つ一本の木。こういう構図を前々から好んでいる。葉祥明にもこんな構図があったし、絵本『はるにれ』もそうだった。
大型連休中とはいえ、雨の平日だったので、ギャラリーはそれほど混雑していなかった。おかげで心ゆくまで静かな風景に浸ることができた。
帰りは、代官山から東横線に乗り、副都心線の新宿三丁目で降りた。久しぶりに中村屋のカレーを食べた。
今回販売されていた写真集はとても高価だったので購入はあきらめた。帰宅してから、写真美術館で買った図録"Michael Kenna: A 45 Year Odyssey"をゆっくり見直した。今回、展示されていた写真も何枚か掲載されていた。