新型コロナウィルス感染防止のために、3月初旬から休業していたライブハウス、ケネディハウス銀座が7月1日に営業を再開した。さっそく予約をして先週末に行ってきた。
予約の電話をかけたときには10分以上つながらなかった。店に行ってみると、半分くらいしか埋まっていなかった。大方の常連客は金曜日に来たのだろう。あるいは連日100人の感染者が出て「夜の街」への外出を自粛している人が多いのか。地下にある店だけに不安に思う人がいてもおかしくはない。
店の感染予防対策は徹底していた。
- ステージと客席との距離が広がった
- 空気清浄機が店の四隅に配置
- テーブルには左右に透明なアクリル板と消毒液
- バンドメンバーは客席に降りて来ない
- 演奏中は声が大きくなるので注文できない
来ていたのは常連客ばかり。バンド・リーダーの上田司さんが「Aさん、いらっしゃい」「Bさん、お久しぶり」と客の一組ずつに挨拶できるほどの人数。私も名前を呼んでもらってご機嫌だった。
「CDを買えば握手してくれるアイドル」はいるけど、「ステージから名前を呼んでくれるアイドル」はなかなかいない。
もともと土曜日は空いている。20年前、平日に夜の仕事をしていた頃は土曜日しか来られなかった。かえってそれで名前を覚えられ「土曜日の男」とニックネームも付けられた。
土曜日は常連客ばかりなので、バンドもリラックスしているようにみえる。演奏する曲も、土曜日はマニアックな曲が多い。
4ヶ月の休業期間中、ただ休んでいたわけではない。新しいメドレーも聴けたし、20年前によく演奏していた曲も復活していた。
再開に喜ぶと同時にとても懐かしい気持ちになった。
以下、テンションが上がった曲目。
カーペンターズあり、ミシェル・ポルナレフに始まり、竹内まりやあり、ビートルズあり、昭和歌謡メドレーあり、盛沢山の一夜だった。
- Tout, Tout Pour Ma Cherie
- Yesterday Once More
- Rainy Days and Mondays Always Get Me Down
- I’d Say Goodbye to Love
- End of of the world
- いつまでも
- セプテンバー
- Massachusetts
- Mr.Postman
- While My Guitar Gently Weeps
- In my life
- なんとなく
- 2億4千万の瞳
- 空に太陽がある限り
- まちぶせ
- 駅
- La Isla Bonita
- 愛こそすべて(Can't Give You Anything but My Love)
- 君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes off You)
- 幸せの黄色いリボン(Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree)
- いのちの歌
ケネディハウス、バンドのSuper Wonder Landの魅力について書こうとしても、いつも上手く書けない。
演奏の技量の高さ、レパートリーの広さ、アカペラまでこなすコーラスワーク、リーダーの楽しいMC、岡部ともみの歌声⋯⋯。
長年、通っている馴染みの店、ということももちろんある。バンドメンバーに名前を覚えてもらえるのは常連と認められたようでうれしい。
どれもその通りであっても、ケネディハウスという「場」の魅力を語り尽くしてはいない。
休業期間中、YouTubeにライブの様子がたくさんアップされていたけど、"Live"を知っているだけに今一つ、満足できなかった。
やっぱり生で聴かないと。”Live"ということは何よりも重要。
その上にいま書いたいろいろな要素がある。
4ヶ月のあいだ聴けなかった"Live"を聴いて、あらためてそう思った。
きっとほかの人も同じだろう。
音楽、演劇、寄席⋯⋯。皆が待っていたのはパフォーマンスを肌で感じる"Live"の感動。
さくいん:ケネディハウス銀座