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九重山(牧ノ戸峠−星生−九重−中岳−稲取−白口−法華院−雨ヶ池−長者舎)

2016年04月29日 天気晴れ
天候待ちで1日遅らせた29日朝3:50別府港に着く。待合所で小1時間朝寝。別府駅前発のバスに乗るため30分ほど歩く。

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4:56別府フェリー乗り場     右: 5:14鶴見岳登山口の標識のある横断歩道からの鶴見岳

別府駅西口バス停から、牧の戸峠行きのバスに乗る。乗客はわずか3人。
乗客の一人から、「今日明日定例のイベントが行われる予定が地震で中止に。空いているはず」との情報に、「予約時、個室を進められた」と返答。
毎年3月からの土日祝日運行のバスだが、空荷が続き、その後の地震もあり、今年は今日が初めての運行とか。前日に聞いた運行可否の電話が効果あったのかな。

「迂回路を通るため、いくつかの停留所は通過する。」とのアナウンス。16日の地震で路盤が弱くなり、この先の県道216号線が片側通行のため。
バスは県道11号に入り、路盤がひび割れ、登坂車線が通行止禁止となった道を進むが、渋滞もなく快調に進んでゆく。
由布岳は頂きにガスが舞っていたが、回復傾向なので、すぐに晴れるだろうと思いつつ。件の通行止め地点からは左手に折れて、11号線をそのまま由布院の町の南端に沿って進む。

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写真左:7:58コーンの並ぶ県道 中:8:23ガスの舞う由布岳 右:8:26県道216号の入口(=直進)通行止め箇所

やがて11号線を離れ、バスは由布院駅に着く。ここまで見た限りブルーシートで覆われている家は3−4件程度。外観上ほとんど無傷に見える。別府の町中もブルーシートは無かったし・・・。

高速道出口の道の駅で3分休憩。バスの運ちゃんによると、ある別府のホテルはこのGW中4000人のキャンセル有りと言っていたが、被害の程度も地震の規模も実際はそうでもないのだが。
バスは、分水峠から再び県道11号線を進む。ここから先は「やまなみハイウェイ」の愛称の道。今日は「牧の戸峠」まで道なりに進む。しばらくは分水峠の名に恥じず豊後水道と有明海の分水嶺近くの道を進む。
やがて前方に雲一つない久住・三俣山が大きくなり、その左手に星生山とその噴煙群が現れる。

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やまなみハイウェイから、写真左:5:35三俣岳方向  中:正面に見える星生山  右: 5:45鞍部に見える噴煙群

長者舎着。1名が乗り込んでくる。計3名の乗客を乗せて9:38峠着。


山とは逆方向に見えた展望所(東屋)に立ち寄り。ここからは、北側遠くに晴れ上がった由布岳・鶴見岳、左手に2年前の涌蓋山が近くに、南方には噴煙を上げる阿蘇の山々。ひとしきり眺めて元の峠に帰る。
少々寒かったので、売店で手袋300円也を求めたが、これがのちに正解。

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写真左:9:58牧ノ戸峠 乗ってきたバス  右:10:04東屋からの三俣山、右手前に星生山が大きい。

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写真左:10:05噴煙を上げる阿蘇の山々   右:10:05その拡大

10:15登山開始。綺麗に舗装された幅広の道。15分ほどで100mほど高見の見晴台につく。先ほどより眺め良し。
風がやや強く、寒め。1503m地点からは稜線からちょこっと飛び出した久住山を見、緩やかな道を上下しつつ、風に背中を押されつつゆっくり登る。
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写真左:10:35見晴台から涌蓋山方向  中:見晴台から由布岳・鶴見岳 
右:10:58 1503m地点からの久住山(赤矢印)

11:37やっと1600mの扇鼻わかれ(峠)につく。後ろからの風が強まる。
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写真左:扇鼻わかれ(峠)からの眺め。左手の最高地点が星生山。久住山は正面の小山(無名?)に隠れて見えず。

星生山への稜線ルートは、ロープが張ってあって登れず。山腹を巻くルートを進み、11:46直登の分岐点に荷物を置いてピストン。
12:03−15山頂着。天気晴朗なれど風強し。少々寒いぐらい。
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写真左:12:10星生山山頂  右:星生山からの阿蘇方向の眺め。

ここで、後から着た初老の夫婦に「眼下に見える県道11号の大曲りに直接降りるルートはないか」と問われる。
が、2万5千分の一地形図にはそのルートはないので、久住わかれ−諏蛾守越え−大曲経由を提案するも、時間が掛かるようでもと来た道を戻るとのこと。
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写真:左の三俣山と手前の噴煙群。遠く大船山、右手前に中岳。
案内したルートは、久住わかれまで歩いて25分(上の写真の右の欄外に位置する)、そこから諏蛾守峠まで歩いて計1:30(久住分かれから、上記写真の白い尾根の向こうの谷を下り、
噴煙の出ている近くの最低鞍部が諏蛾守峠)、この峠を越えてこちら側の谷に出る。
車道と登山道経由で大曲(上記写真の左欄外)まで歩いて計2:00。−そこから車道を牧ノ戸峠まで累計3:00ほど。

風の影で憩う2人とわかれ、下山。
稜線の分岐点の先に扇鼻わかれに続く稜線道(左右にロープ張り)があったので寄り道すると、北西の尾根上に廃道を見つける。
どうも「大曲」に直接続いていそう。ロープの向こうには遠慮がちに「環境保護のため立入ご遠慮下さい」の看板はある。

12:30山腹の分岐点に戻り、平べったい道を進む。
強風が背中を押してくれて当方は楽チンだが、対向者は合羽のフードを手で押さえ、必死に歩いてくるのが何ともおかしい。
12:46−58ちょっとした盆地にある避難小屋&バイオトイレ前で休憩。一応風よけ地だが、盆地の真ん中当たりは帽子が吹き飛ぶ程。

岩ゴロの道を登り、数分で久住のわかれにつく。実に風が強く、身体がふらふらと揺れる。
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写真左:13:02久住のわかれ。諏蛾守峠へは「土石流多発地帯につき通行をご遠慮下さい」と有る。
                    右:久住山を仰ぎ見る。

本来中岳はここから数分登ったところから横にトラバースするのだが、合羽のフードがじゃまして分岐がわからず、高みに登ってしまう。
この登りの最中に由布市で震度5弱の地震が有ったのだが、風なのか地震なのかまったく気が付かず。
高見に着いてやっとルートを間違えたのに気が付き、ついでに1等三角点にご挨拶する。昔は土に埋もれていたと思ったが、今は岩ゴロの中。
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写真左:13:32久住山頂:バックは星生山、右奥に涌蓋山。 
              右:中央やや左は中岳西峰、中央やや右が中岳。その右奥は大船山。

13:49高見に戻り、正規のトラバース道との合流地点に13:54。ここからやや登り、中岳西峰のピーク経由の道を見つけられずにいると、先のバスの同乗者とすれ違い。「ここらのピークは全部回った。」と健脚の弁を聴く。 
その後、池回りのコースを取り、山頂に着く。14:23−30。
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写真:14:02山頂近くの池 その向こうに中岳山頂が顔を出す。

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写真左:14:07池周囲の標識:山頂が見える  中:避難小屋の一部が見える 右:14:23中岳山頂

山頂からの眺め良し。色々山があって同定に難儀。
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写真左から南南東方:稲星山、南西方:久住山、西南西方:池&扇鼻、西方:中岳西峰、
西北西方:星生山、北西方:涌蓋山、北方:三俣山、北東方:坊ヶツル・平治岳。

中岳の下りでは1箇所ロープを使って岩を乗り越すところがあるが、概ね安易。降りきった白口谷わかれから稲星山に回り、今日の山々を眺めつつ一休み15:07−14。
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写真左:1箇所のみあったロープ場 中:白口谷わかれから仰ぐ稲星山 右:稲星山頂:バックは中岳

ここからの眺めもそこそこ良い。
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写真左から西方:久住山、西北西方:星生山・涌蓋山、北西方:中岳西峰、北北西方:中岳・三俣山・坊ヶつる

稲星山からは道が結構不明瞭で、ケルン頼り。ルートを外れると土が軟らかくなることはわかるのだが。
ほぼ稜線沿いを300mほど東進する。
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写真左:15:14山頂付近からの白口山、平治山、大船山。    右:3分ほど東に進むと3山が一並びに。

下りになるとミヤマキリシマなどの小灌木の覆う狭い道。合羽があちこちで引っかかり、破けないかとひやひや。
途中、足を滑らせた際に灌木の切り枝に足を引っかけ、ズボンの上から7−8cmの点々状のすり傷を作る始末。
30分ほどで白口谷わかれへの分岐点に到着。倒れた標識をみて稲星山を巻く巻き道との交差点と確認15:28。

相変わらずの灌木道を登り返した白石岳に15:42。宿17時着は無理と諦め宿に電話。急坂だから気を付けるようにと。
白口谷経由の道を進められたが、こちらは1:50要。直接下れば1:00なので、350m眼下の鉾立峠を眺めつつ「道が崩れているような所は無さそうです」と言って電話を切る。
この下り、傾斜は急だが、ホールド&スタンスの安定した岩・石混じりの道で快調に下る。
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写真左:15:28巻き道との交差点からの白口山。中:15:42山頂  右:15:47鉾立峠を見下ろす

もっとも、半分以上下ると、傾斜は緩くなったが、すべりやすい黒の粘土質の道に。さらにいくつも平行道が現れ、選択を間違えると沢の底を進んでしまい、と歩きにくいことこの上ない。

やっと、16:27鉾立峠着。一休みして進むが、相変わらず歩きにくい。

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写真左:16:07途中から見上げた白石山 中:16:26鉾立峠  右:16:27峠からチラ見の宿(中央右下)

やがて樹林帯にはいるとさすがに道は落ち着いてきて歩きやすくなり、木道や整地された道になるとやがて16:50宿着。

35年前の面影は全くなし。手続きに手間取ったが、部屋にて明日の準備&風呂。汗を流すだけだが、今日はやや温め。
源泉掛け流し?石けん類は下流にラムサール条約指定地「坊ガツル」があるので使用禁止らしい。
温泉入口の自販機350ml:400円、500ml:600円なり。一缶抱え、宿周囲を飲みながら散策。
 
部屋で片づけをして600円なりの生ビール片手に夕食。さすがに今日は少なく20人にも満たない。
今日の定例のイベントは無いと思っていたが、食後に、4人組ギターアンサンブルの演奏。観客は10−12人ほど。
まあ、評価はいろいろ有ろうが・・。缶ビールと、宿提供の無料の缶ハイボ−ルを飲みつつ。
21時頃朝食の弁当を手に入れ、片づけをして10時頃就寝。毛布3枚+布団。

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写真左&中:16:27法華院温泉  右:18:13今宵の夕食


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翌朝、4時の目覚まし。
長者原発8:22のバスに乗るため3H前の5:20発。さすがに日出はまだ。

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写真左:5:05朝飯  中:5:22法華院温泉の朝    右:5:27下弦の月と白口山

外は以外と寒い。それもそのはず霜柱が起ち、一面霜が降りている。タンポポの綿毛にも霜がある・・・これはさすがによく判らない。
坊ガツルの中を流れる小川には所々湯煙が上がっていたり・・・。
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写真左:5:28霜付きヨモギ?  中:5:30坊ガツルの案内    右:5:31夜明け前

人っ子一人見あたらない草原地帯をただただ進む。
登山道が雨で浸食されているのだろう古い登山道はロープ掛け:新しい登山道は200m先にあったが、そこそこ年季の入った道。
草原地帯から樹林地帯に入ろうとする5:37頃、三俣山の山頂に朝日が射す。

樹木で見晴らしの利かない道をしばらく進むと6:08展望所。
ここで朝食とするが、傾いたベンチに弁当を置くとつるっと滑って落ちそうになる。ベンチ表面を擦ると手袋に白いものが着く。霜だ。腰掛けるわけにはゆかず立ったままの朝飯。足元にツツジらしい花が咲いていたりする。
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写真左:5:37三俣山の山頂に朝日が射す  中:6:22平治山に日出  右:6:08見晴らしのベンチ

腹を満たし6:22日出を眺め、再び樹林帯を進む。
やがて6:33峠を越え、下りを少々進むと6:41雨ガ池に着く。本日初めての人(2人連れ)とすれ違う。
ここにもヤマラッキョウがあるようだ。開花期は9−10月とある。北海道の夕張岳では8月中だったような・・・。

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写真左:6:41雨ガ池 東から見る  中:6:42看板  右:6:42東を見る

快調に木道を進む。途中からはやや下りになり、何人かとすれ違い、道が水平になると大量の水がこんこんと涌き出す水源地に遭遇。
さもや美味しいだろうと立ち寄り一口・・・実にまずい。

7:45ようやく長者舎のタデ原に着く。ちょっと遠回りしたい雰囲気の草原だが、時間はあと35分ほど。
バス停の位置が不明なので、真っ直ぐ駐車場方向へ進む。8:00着。

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写真左:7:48タデ原の看板  中:看板にあった眺め  右:7:51タデ原のはずれから星生山と噴煙を見る

駐車場にいた人に尋ね、ようやくバス停に。ただ、バス停標識が3つもあってどれだか判別着かず。
上手側に派出所が見えたので詳細を聴こうと訪れるが、カーテン閉中。その派出所前にもバス停。よく見ると目的のバス表示が判明。

8:15頃、回送バスがやってきてUターン。8:22発のただ一人の客となる。
運ちゃんとの会話:「どこまで?」→「豊後中村」・「何分発の列車?」→「9:45」。
「地震の影響で通常のバス道が通行不可。正規は9:18着だが、迂回するので15−20分よけいにかかる。45分ならまにあうか」

バスは、県道621号線から一山西側に回り、県道40号線沿いに筋湯・湯坪・筌の湯を経由して九重夢の釣り橋につく。
本来はこのまま県道40号線を豊後中村駅に直行するのだが、この先が通行止めらしく、5−7分ほど引き返す方向に走る。り、途中から別の県道に入り、国道・県道を通過して国道210号線に入り、豊後中村駅につく。

夢の吊り橋から正規ルートの時間は24分だが、迂回ルートは30分以上。結局9:25頃着。 バスに同乗していた女性は、24発特急の久留米(10:49着)方面行きに乗れず、45発の各駅停車に(久留米着11:49)。
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写真左:9:40かやぶき屋根の豊後中村駅   右:10:05由布院駅近くの車窓から由布岳を見る

ここから、大分・宮崎経由で特急3本を乗り継いで、鹿児島中央に向かうことに。



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