1970年代奥の細道
岩手県南バス8(譲受車・日野路線車・帝国ボディ)
板橋不二男様から頂いた1970年代撮影の岩手県南バスの写真を、カテゴリー別に掲載します。日野の譲受車の路線タイプのうち、帝国ボディをまとめます。メトロ窓車は観光タイプと考え、それ以外(バス窓とサッシ窓)の車両を取り上げます。譲受車かどうかの区別は難しいのですが、登録年と年式に違いのある場合は、譲受車と考えます。譲受車の場合、側面に県南バスのマークがないようです。
ここでは年式順をベースに並べます。
岩2く1567
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
岩手県南バス 日野BD35
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
日野のセンターアンダーフロアエンジン車。日野車の多い岩手県南バスなので、この車種もそれなりの数があったと想像できますが、この時点ではこの1両の写真しかなく、1976年の岩手県交通成立時には1両も残っていませんでした。
型式は推定。年式は1961〜62年式くらいかと思われます。
岩手ナンバーでの登録は1968〜69年。
岩2く1544
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
帝国ボディの丸形の後面を持つ車両。ウィンカーは五角形。
中ドアの両脇の窓柱が細く、車掌台もないため、前ドア車を中ドア車に改造した車両だと想像します。
ナンバープレートから、1968年頃の登録と分かります。譲受車でしょう。
岩2く1545
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
後面は丸形で正面窓の縦寸法が小さい1963年式。中ドアツーマン車です。
ナンバープレートから、1968年頃の登録と分かります。譲受車でしょう。運転席のシートが朱色です。また、日野のエンブレムもありません。岩2く1627と共通性を感じます。
方向幕の「瑞山」は一関〜厳美渓〜瑞山を結ぶ瑞山線。
岩2く1546
撮影:板橋不二男様(江刺営業所 1976.4.19)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
1544〜1547の4両が同形車と思われますが、製造年と登録年の間に5年くらいの差があるので、どこかからまとめて譲渡された車両。やはりシートは朱色に見えます。
方向幕には「大岳温泉」と出ており、梁川・大岳線。
岩2く1551
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10(1962年式)
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
初期の日野RB10ですが、後面窓が2枚窓なのが特徴。3枚窓とのどのような理由で作り分けられていたのかは分かりません。
岩手ナンバーでの登録は1967年。新製後5年ほどで譲渡されてきたことになります。ワンマン化の進行で、都市圏の事業者からはこのような譲渡の例は少なくありません。
岩2く1554
撮影:板橋不二男様(一ノ関駅 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
やはり1544〜1547と同形と思われる車両。塗り分け線などは微妙に異なります。側面にべた書き広告入り。
方向幕には「水沢」と出ており、一関〜水沢を結ぶ国道線。中尊寺方面へ行く観光客が、時刻表を確かめています。
正面についている黄色い旗は「交通安全」旗です。
岩2く1562
撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1976.5)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
岩手県南バスには似たような改造車が多く存在し、その違いはよく分かりませんが、この車両は標識灯を備えた車両。屋根上のラジオアンテナも残ります。
側面には広告が描かれていますが、ボディデザインとはうまく融合しています。
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩2く1573
エアサスの中ドア改造車。1969年頃の譲受車で、似たような車両はたくさんあるので、違いはよく分かりません。
後面に帝国ボディをローマ字にした切り抜き文字のバッジがありますが、これが赤く塗られています。
岩2く1575
撮影:板橋不二男様(大東営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
正面2枚ガラスで窓上が水切り状になっている車両。この特徴は、元日本交通(東京都)かも知れません。元は前ドア車。
岩手ナンバーでの登録は1970年。
岩2く1595
撮影:板橋不二男様(千厩営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
方向幕の両脇にスピーカーが付き、正面窓下にモールのある元観光バス。前ドア車だったものを中ドア車に改造しています。元前ドアだった位置の横引き窓は、上部にはRがなく、下部にはRがあるという変形窓です。
方向幕に「根山」と出ており、奥玉線。
岩2く1615
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
岩手県南バス 日野RB10(1963年式)
後面は丸形で正面窓の縦寸法が小さい1963年式。車掌台窓付で、中ドアの左右の柱が太いので、もともとの中ドア車と思われます。これだけ改造車が多いと、無改造の中ドア車というのは逆に珍しいです。
ウィンカーは丸形。
方向幕は「中尊寺」と表示しています。
岩2く1620
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10(1963年式)
運転席横と助士席横で横引き窓の形が違うので、前ドア車を中ドア車に改造した車両と思われます。
ウィンカーの形状が飛び出し形になっています。
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
撮影:板橋不二男様(遠野営業所 1975頃)
岩2く1644
エアサスの前ドア車。ほとんどが中ドア改造される県南バスにあって、前ドア車はそれなりに貴重です。
帝国ボディの後面スタイルはボンネットバスやセンターアンダーフロアエンジン車と共通で、中央の窓が非常口でない点だけが異なります。
岩手ナンバーでの登録は1970年。譲受車のようです。
岩2く1663
撮影:板橋不二男様(一ノ関駅 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
エアサスの前ドア車。路線バスとして使用されており、配置は大東営業所です。
上の岩2く1644とは、ウィンカー形状、標識灯、ウィングマーク等が同じなので、同じ前歴かも知れません。
方向幕には「げいび渓経由摺沢」と書かれています。
岩2く1665
撮影:板橋不二男様(江刺営業所 1976.4.19)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
中ドア車ですが、前ドア車を中ドア車に改造したもの。助士席側面窓が右下だけRのある形状で、中ドア両側の窓柱が細いのがその証拠。
岩手ナンバーでの登録は1970年。
岩2く1666
撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
エアサス車で、中ドア改造を受けています。よく見ると正面の日野ウィングマークが外れており、その下から白かグレーが見えています。
岩手ナンバーでの登録は1970年。
岩2く1614
撮影:板橋不二男様(南気仙沼駅 1975頃)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
前ドアの観光バスを中ドアツーマン車に改造したもの。正面窓上の明り窓や正面窓下のモール、正面2枚ガラス、前照灯4灯が観光バスの面影を伝えます。
方向幕に「高田」とありますので、陸前高田と気仙沼を結ぶ唐桑線。
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩2く1616
エアサスの中ドア改造車。前側のスタイルが見えませんが、エアサス車なので、ナンバーの近い車両と同形車かもしれません。
岩2く1617
撮影:板橋不二男様(釜石東前 1976.3)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
正面窓1枚ガラスの観光バスを、中ドア車に改造したもの。前照灯は4灯で、ライトの台座が大きいのは、元々何らかの飾りがついていた証拠。
日野のエンブレムは、色が褪せてしまったのか日野のロゴの部分だけ赤く塗り直されています。
正面の通風器には、隙間風対策の目張りがされています。
方向幕の「新浜町」は市内線と呼ばれる路線。
岩2く1654
撮影:板橋不二男様(大東営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
正面窓1枚ガラスの元観光バス。岩2く1617とは、飾り類やウィンカー、バンパー形状、正面中央のアンダーミラーなど細部も共通しています。
岩手ナンバーでの登録は1970年。
岩22か144
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩手県南バス 日野RB10P(1963年式)
正面窓1枚ガラスの観光バスを、中ドア車に改造したもの。上に並べた何両かとは共通した特徴がありますが、窓下のモールはありません。
岩手ナンバーでの登録は1971年。
岩2く1587
撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1973.11.3)
岩手県南バス 日野RB10(1964年式)
ここからは、正面窓の縦寸法が拡大された1963〜64年式。助士席側最前位の横引き窓に改造痕がありますので、中ドア化改造車。
登録は1969年頃のようです。
岩2く1627
撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1973)
岩手県南バス 日野RB10(1963年式)
この車両は、中ドアの後位に車掌台窓があるようなので、元々の中ドアツーマン車です。
ナンバープレートから、1970年頃の登録と分かります。車内は、朱色の前向き2人掛けシートが見えます。
方向幕の「二ノ台」は水沢〜高橋〜二ノ台を結ぶ小山線。
岩2く1680
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10(1964年式)
外観上は岩2く1627と同じで、中ドア後ろに車掌台窓があります。しかし、車内の前向き2人掛けシートの色は紺色です。
岩2く1612
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩手県南バス 日野RB10P(1964年式)
ここからは後面が角型になった年代です。中ドア化改造車。
方向幕の「廻送」が赤文字ですが、これは岩手県交通になってからも引き継がれていました。乗れないバスだと遠目にも分かります。
岩2く1638
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩手県南バス 日野RB10P(1965年式)
エアサスの前ドア車を中ドアに改造した車両。
正面の通風器にはガムテープで目張りがしてあるのが釜石の特徴でしょうか。
岩手ナンバーでの登録は1970年。
方向幕の「赤浜」は大槌町にあり、釜石と赤浜を結ぶ赤浜線。
岩2く1685
撮影:板橋不二男様(南気仙沼駅 1975頃)
岩手県南バス 日野RB10P(1966年式)
撮影:板橋不二男様(南気仙沼駅 1975頃)
エアサスの前ドア車を中ドアツーマン車に改造したもの。前照灯4灯や尾灯丸形などに観光バス時代の個性が見出されます。
岩2く1685の登録番号は、県南バスの2ナンバーでは最終番号と思われるもの。1970年の登録ですので、新製後4年での放出ということになります。
岩22か314
撮影:板橋不二男様(千厩営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10P(1966年式)
撮影:板橋不二男様(千厩営業所 1976.5.4)
エアサスの前ドア車ですが、側面がサッシ窓という変わり種。上段が下降する窓で、オプションですが、次世代のバスを予感させる新しさがあります。非常口は側面最後部にあり、固定窓になっています。
岩手ナンバーでの登録は1973年。
方向幕には「番台経由一関」とあり、藤沢〜一関を結ぶ藤崎線。