1970年代奥の細道
岩手県南バス4(路線バス・自社発注車)
板橋不二男様から頂いた1970年代撮影の岩手県南バスの写真を、カテゴリー別に掲載します。ここでは、岩手県南バスが新車で購入した車両の中で、ツーマンの路線バスに使われているものをまとめてみます。一部には、前ドア車を中ドア車に改造したものもあります。自社発注車と譲受車との主な識別点は、側面の県南バスマークがあるという部分、そして登録番号と年式がほぼ一致しているという点です。
岩2く1355
撮影:板橋不二男様(大東営業所 1976.5.4)
岩手県南バス いすゞBR351P(1962年式)
ナンバーから見て岩手県南バスオリジナルと思われる車両。エアサス車で、窓越しに前ドアが見えますので、この時点でも前ドア車として使われているのかも知れません。
BRはターボ付きエンジンの高出力車として登場しており、この車両も観光バスだったのでしょう。前照灯部分には突起があります。
岩2く1396
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
岩手県南バス いすゞBR20(1963年式)
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1973.11.3)
岩手県南バスには珍しい2扉車ですが、前ドアは「締切」扱いで、中ドアツーマン車として使用されています。
恐らく前ドア車に中ドアを増設し、使わない前ドアを撤去しなかったということだと想像します。前ドアの下の窓はわざわざ塞がれています。
岩2く2129
撮影:板橋不二男様(遠野営業所 1974頃)
岩手県南バス いすゞBR20(1963年式)
2000番台のナンバーなので、東部バス(釜石市)からの引き継ぎ車。元東部バスエリアである遠野営業所に配属されています。
元からの中ドアツーマン車にも見えますが、中ドア両側の窓柱が狭いのと、車掌台窓がないことから、前ドア車からの改造だと想像します。岩2く1396とは同形車だったかも知れません。
方向幕の「遠野バスセンター」は遠野営業所のこと。
岩2く1398
撮影:板橋不二男様(大東営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10(1963年式)
ナンバーと年式が一致しているようなので、岩手県南バスのオリジナル車と思われます。しかし、中ドア両側の窓柱が狭く、車掌台もないので、前ドア車から中ドア車に改造した車両でしょう。
岩2く1399
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10(1963年式)
上の岩2く1398とは続き番号ですが、こちらはなぜか2ドア車。元々の前ドア車を中ドアツーマン車に改造する際に、前ドアを撤去しなかったということでしょう。同様な事例では、上の方にあるいすゞ車「岩2く1396」があります。
岩2く1401
撮影:板橋不二男様(江刺営業所 1976.4.19)
岩手県南バス 日野RB10(1963年式)
助士席側面窓が右下だけRのある形状で、中ドア両側の窓柱が細いので、前ドア車を中ドア車に改造したものと思われます。屋根上に針金のラジオアンテナがありますので、元は貸切バスだったのでしょう。
ここまで眺めてみて、岩2く1396以降同一ロットで作られた前ドア車で、同じように中ドア化改造を受けたものと考えられます。
岩2く2138
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩手県南バス いすゞBR10(1964年式)
東部バスでの新造車。1964年に2135〜2142の8両が納入された模様です。
側面には岩手県南バスのマークが付けられています。
岩手県南バス いすゞBR10(1964年式)
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩2く2139
上と同型車のリアスタイル。横長の曲面ガラスが連続したスタイルは、川崎ボディのこの時期の特徴です。
I.K.Bの文字がありますが、東部バス時代は何と書いてあったのでしょう。
岩2く2140
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩手県南バス いすゞBR10(1964年式)
ナンバープレートが見えないので車番は特定できませんが、他の写真から推察して岩2く2140のようです。
BR10という型式は、BA741と同じ長さの高出力タイプ。中ドアの上の雨樋が車掌台窓の高さまで上がっていますが、これはこのボディの標準的な仕様です。
社名には「株式会社」まで書かれていますが、これは東部バス時代からの表記方法かもしれません。
岩2く1445
撮影:板橋不二男様(水沢営業所 1973.11.3)
岩手県南バス 日野RB10(1965年式)
金産ボディの中ドア車で、側面には県南バスのマークもあります。車掌台がないので、前ドア車からの中ドア改造車のようです。
岩2く1443〜1448の6両が同一ロットのようですが、金産ボディと帝国ボディがあります。前半4両が金産ボディのようです。
岩2く1448
撮影:板橋不二男様(千厩営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RB10(1965年式)
上の岩2く1445と同じグループで帝国ボディ。中ドアの上にはおかしなへこみがありますし、車掌台もないので、中ドア改造車です。
方向幕に「千松」と出ていますので、藤沢町方面に向かう大篭線。
岩22か53
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 日野RE100(1971年式)
1971年に10両が新車で導入されたツーマン車のうち、日野車が6両あり、帝国ボディと金産ボディが3両ずつありました。
この時点では、まだオーバル形ライトを保持しています。
岩22か62
撮影:板橋不二男様(大東営業所 1976.5.4)
岩手県南バス いすゞBU05(1971年式)
1971年に新造されたツーマン車のうちいすゞ車は4両ありました。この年式でのツーマン車新造というのは多少の違和感を感じます。
その後、実際に前ドアを増設されてワンマン化された車両もあります。
岩22か310
撮影:板橋不二男様(釜石営業所 1976.3)
岩手県南バス 日野RE100(1973年式)
1973年に7両が新車で導入されたツーマン車のうち、日野車が4両ありました。1971年式とはよく似ていますが、ヘッドライトは4灯になっています。
岩22か313
撮影:板橋不二男様(一関営業所 1976.5.4)
岩手県南バス 三菱MR410(1973年式)
1973年に新車で7両が増備されたツーマン車のうち、3両が三菱車でした。
同ロットの日野車のほうが後に前ドアを増設されましたが、この三菱車はそのまま廃車になった模様です。