1970年代奥の細道
岩手中央バス1
板橋不二男様から頂いた1970年代撮影の岩手中央バスの写真を掲載します。岩手中央バスでは、日野車を中心に、三菱、いすゞがあり、ボディメーカーもバラエティに富んでいました。これが1970年の国際興業グループ入りとともに、新規導入車はいすゞに統一されています。
ボディカラーはクリーム色のブルーのラインです。中距離バス用の前ドア車は、青いピンストライプのカラー(日野ブルーリボンのカタログカラー)でした。
岩2く284
撮影:板橋不二男様(花巻バスセンター 1973.11.3)
岩手中央バス 日野RB10P(1964年式)
ブルーリボンカラーの前ドア車。この色は、岩手中央バスでは長距離路線バスの色として使われていました。方向幕には「急行盛岡バスセンター」と出ています。盛岡〜花巻間の急行バスです。
車番は64284です。
なお、よく見ると側面後ろの社名が「岩手 バス」と「中央」が抜けています。想像するに、一時「岩手観光バス」に移籍した車両が出戻ったのではないでしょうか。
岩2く324
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス 日野RB10(1965年式)
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
1965年に岩手中央バス最初のワンマンカーとして導入されたうちの1両。前中折り戸です。
車番はM65324で盛岡営業所を示すMの記号から、元は盛岡の所属だったようです。方向幕には「小岩井駅−小岩井農場」と出ているので、小岩井駅線に使われています。
岩2く397
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス 三菱MR490(1964年式)
一見すると岩手中央バス自社発注のワンマンカーに見えますが、年式が中央バスのワンマン化より早く、登録番号が1968〜69年くらいを表しており、譲受車のようです。
正面窓の縦寸法が小さい呉羽ボディで、後面窓は2枚窓です。正面窓上に水切りがあるあたりが、前事業者を知る手掛かりかも知れません。
車番はU64397です。Uはどこの営業所の頭文字でしょうか。
岩2く423
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス 三菱AR470(1963年式)
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
三菱ボディを持つツーマン車で、1963年式を1969年頃に譲受したようです。正面窓の上に日よけが付きますが、三菱ボディではよく見られました。車内は緑色のビニルレザーの三方シートです。
車番はU63423が付けられています。
方向幕には「2雫石中スクールバス 大村」と書かれています。
岩2く426
車庫のピットの上には呉羽ボディの三菱車が点検を受けています。やはり中ドア折り戸のツーマン車で、譲受車のようです。
別角度の写真から、車番はA63426と読めます。Aは青山営業所の頭文字だと思います。また年式と車番にずれがあります。
岩手中央バス 三菱MAR470(1964年式)
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩2く456・457
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス いすゞBA20(1967年式)
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バスが1970年の国際興業グループ入り後に、まとまった数を譲受した前ドア車が9両ありました。1970年に新車で導入したワンマンカーのBA30と見比べると、こちらも新車にしか見えません。しかし、飛び出し形のウィンカーや、側面後部のエンジン通気孔の形状、テールライトの低い位置などから、1970年式より古いことが分かります。
車番は67456・67457。
岩2く458
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス いすゞBA20(1968年式)
上の車両とは1番違い。ここから6両は1968年式で、側面のエンジン通気孔の形状が異なります。
やはり雫石から盛岡への中距離路線に使われています。まだ車掌が乗務しています。
車内には、緑色のビニルレザーのシートが見えます。ローバックで、2人掛けのようにも見えます。前所有者はどこでしょう。この時期に製造後2〜3年でまとめての譲渡は国際興業の可能性が大ですが。
岩22か104
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス いすゞBA30(1971年式)
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バスが1971年に6両を増備したワンマンカー。上の前ドア譲受車との比較のために掲載します。
ウィンカーが大型になり、後面の尾灯は位置が高くなっています。側面最後部のエンジン通気孔の小さいほうはなくなっています。1970年を境にこのあたりの変化があるため、年式を見分ける手掛かりになります。
車番は71497。年式部分はともかく、車番は22ナンバーとは一致していません。2ナンバーのラストが分かっている範囲では岩2く463なので、その間に34両ほどの譲受車があったのかもしれません。
岩22か630
撮影:板橋不二男様(雫石営業所 1976.5.29)
岩手中央バス いすゞBA741(1964年式)
国際興業から譲受し、国際興業カラーのまま活躍する短尺ワンマンカー。このタイプは、相当数が転入し、岩手中央バスの車両更新に寄与しました。
岩手中央バスの車番について
例 M65324
M =所属営業所を表す記号 例:M=盛岡、A=青山、U=上田(?)、S=雫石(?)、H=日詰(?)
65 =西暦年式の下2桁 例:65=1965年式
324 =登録番号 例:岩2く324=324
- 所属営業所を表す記号は、1966年導入車の途中からなくなっています。
- 登録番号は、1971年以降「岩22か」に変更されましたが、1971年式は続き番号で付番されているようです。
- 1971年に花巻電鉄と合併した後は、車番はつけられなくなったようです。