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観光路線バスの交差点 十和田湖
青森・秋田県境にある十和田湖は火口に出来たカルデラ湖。青森、秋田両県からいくつものアクセスルートがあり、周辺の様々なバス会社が路線バスとして乗り入れてきます。中でも北と南からの主要ルートを押さえているのが国鉄バスで、特に青森からのルートはシーズンになると数台のバスを並べて待機させる盛況ぶりを見せていました。
こうした両県からのアクセスルートに、東北新幹線開業とともに割って入ったのが岩手県ルート。盛岡−十和田湖間の高速バス「とわだこ号」です。十和田湖輸送にイニシアチブを握る国鉄バスに、岩手県からの新顔である岩手県北バスや岩手県交通を加え、賑やかさに拍車をかけていました。
思えばこの時代が、十和田湖をめぐるバスにとって最も良き時代だったのかもしれません。
国鉄バス十和田南線
撮影:発荷峠(1986.5.3)
花輪線十和田南駅から十和田湖へ向かうのが国鉄バスの十和田南線。十和田南は、名前の通り十和田湖への秋田県側の玄関口です。
信越管轄のため、太平洋側の東北地方では見られない日産ディーゼルの車両を使用し、観光路線でありながら2ドア車でした。
発荷峠で休憩中のスナップ。
秋北バス十和田南線
撮影:発荷峠−和井内(1986.5.3)
秋田県の秋北バスは国鉄バスと共同運行で十和田南線を運行。大館及び十和田南駅から十和田湖へ向かいます。
写真の車両は恐らく十和田南駅からの便で、発荷峠を過ぎると勾配を下りながら十和田湖に向かいます。
秋北バス十和田南線
撮影:十和田湖休屋(1986.5.3)
大館に向かう秋北バスが発車を待っています。十和田南線の大館・十和田南駅ルートが「とわだこ号」を名乗る元祖です。
秋北バスはほかに八幡平頂上行きも運行。秋田県側の各ルートを押さえます。車両は前ドアの貸切格下げタイプ。側面方向幕は格下げ時の新設です。
国鉄バス十和田南線「とわだこ号」
撮影:十和田湖休屋(1986.5.3)
盛岡からの高速バス「とわだこ号」が到着しました。
東北新幹線の開通により、新たに加わった岩手県盛岡からの高速ルート。国鉄バス的にはこれも十和田南線。「バス指定券」が必要です。
高速バス「とわだこ号」民間3社
撮影:十和田湖休屋(1987.10.6)
十和田湖の終点で休憩する民間3社の「とわだこ号」車両。左から岩手県交通、岩手県北自動車、秋北バス。いずれの車両も“その頃”のとわだこ号に標準的に使用されていた車両です。
この年には、8往復の高速バスが運行されていました。
弘南バス十和田西線
撮影:十和田湖休屋(1986.5.3)
弘前からやってきた弘南バス。このルートは弘南バスの独擅場です。
車両は設備的には観光路線仕様ですが、路線マスクの三菱車なので古く見えてしまいます。
国鉄バス十和田北線
撮影:十和田ゴールドライン(1986.5.3)
青森から十和田湖へ向かう十和田北線は、十和田湖への青森県側のメインルートとして、国鉄バスが独占運行しています。車両も、前ドアのハイレベルな車両で揃えられ、新車も継続的に導入されています。
写真の車両は群馬県の草津高原から転属して来た車両。国鉄バス特有の広域移動で、観光輸送に最適な車両が集められています。
ライン開通から間もないゴールデンウィーク。雪の壁の間を走ります。
国鉄バス十和田北線
撮影:酸ヶ湯温泉(1987.10.6)
十和田北線には新車も継続的に投入されます。
「みずうみ号」と名付けられたこのルートのバスには、途中休憩もあります。写真は、十和田湖へ上る途中、酸ケ湯温泉で一休み中。これは民営化後。「JR東日本バス」を名乗っている頃です。
上記のほかに、青森県ルートとして、十和田東線がありました。
三沢・八戸からの十和田観光電鉄と、八戸からの南部バスです。いずれも写真を撮っていないので、ここでご紹介は出来ません。
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