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雫石営業所の仲間たち
雫石営業所。それは、岩手県交通の中ではある種独特の営業所です。
エリア内に小岩井農場、網張温泉、鶯宿温泉、つなぎ温泉といった「盛岡の奥座敷」的観光地を抱え、且つ又盛岡へ向けての郊外線を運用するため、観光仕様の車両を多数抱えていました。前ドア車と言うだけで各地から雫石に集められた面々が、とっかえひきかえ国道46号線を走ってくる光景は魅力的でした。
しかし、その一方で、大村、西山、橋場と言った過疎路線も抱えていたため2ドア路線車も配置され、時にはその2ドア車が盛岡へ顔を見せることもあり、その陣容はバラエティに富んでいました。
ここでは、そんな雫石の仲間たちをご覧に入れます。
国道46号線を西へ
撮影:盛岡インター(1986.5.5)
東北自動車道をアンダークロスして国道46号線を西に向かう小岩井農場行の急行バス。
車両は国際興業から転入した車両で、国際興業では貸切バスでしたが、岩手県交通では最初から中長距離路線バスとしての使用開始です。
写真の車両は「岩22か1969」で、雫石営業所ではあらゆる用途で使われていたと記憶しています。
古参車がんばる
撮影:宗任橋(1986.5.5)
富士重工ボディの日野車という異色の車両。年式的には雫石でも最古参に属する車両でしたが、急行網張温泉線の常連として第1線の活躍を見せてくれていました。
写真はまもなく姿を消そうという頃で、鶯宿温泉線に使用されています。
雫石の“顔”だった元富士急行
撮影:宗任橋(1986.5.5)
雫石エリアから盛岡を結ぶ路線は、急行便の網張温泉線、小岩井農場線、普通便の鶯宿温泉線、雫石駅線と複数があり、国道46号線はそれらが輻輳して走っています。
写真は普通便として盛岡へ向かう元富士急行のBU20KP。同類の車両は雫石に集中配置され、ある面雫石の“顔”だったかもしれません。
小岩井農場を行く
撮影:小岩井農場(1987.6.7)
同じような顔をした車両でも、生い立ちには色々あります。これは、河南営業所(早坂高原線)から転入のオリジナル系(元岩手中央バス)BU15KP。年式的にも若干若いため、急行便に投入されることが多く、第1線での活躍を見せてくれていました。
岩手観光バスの同期生が定期観光バスで活躍しており,小岩井農場で出会うこともありました。
チャグチャグ馬っこの日
撮影:中の橋(1986.6.15)
チャグチャグ馬っこの日、人ごみのあふれる盛岡市内を行く「急行小岩井農場行き」。
国際興業から譲受した観光タイプで、県交通全域で増殖中の頃。雫石営業所でも数を増やしつつありました。写真はそのうちの1両、「岩22か2299」です。雫石には73年式2両がいましたが,86年から74年式の譲受が始まりました。
バス窓の前ドア車
撮影:内丸(1985.4.29)
バス窓の前ドア車。かつては貸切バスや観光地のバスとして珍しくなかったスタイルでした。
全4両のうち雫石に2両あり、いつも鶯宿温泉線に使用されていました。鶯宿温泉と聞くと、今でも私はこの車両を思い浮かべます。
岩手県南バス出身車ですが、私が出会ったときは既に岩手県交通カラーに塗り替えられていました。
中の橋を行くオバQ
撮影:中の橋(1987.10.18)
観光バスの名車“オバQ”は,当初は地味な活躍しかしていませんでしたが,1986年に「岩22か1739」が滝沢営業所から雫石に転入。鶯宿温泉線などに使用され、毎日のように盛岡の街に顔を出すようになりました。
同じ頃,同型の「岩22か1735」が高田から花巻に移り,盛岡−花巻間の急行バスに使用されるようになったため,運が良いと2台のオバQが鴬宿温泉と花巻に向けて盛岡バスセンターを同時発車すると言う光景にも出会う事が出来ました。
つなぎ大橋を渡る
撮影:つなぎ温泉(1985.9.15)
岩手中央バスカラーのBU10。雫石営業所の2ドア車で、管内のローカルに使用されることが多く、このときも小岩井農場〜つなぎ温泉間の路線に使用されていました。
既に県交通カラーへの塗り替えが始まっており、この車両も間もなく塗り替えられます。
営業所に並ぶ
撮影:雫石営業所(1986.5.5)
雫石営業所で待機中の路線タイプ。
奥3両は同じ顔をしていますが、中央の2両は前ドア車です。一番奥は2ドア車で、紫波営業所に同僚を持つただ2両の存在でした。“その頃”の岩手県交通にこの顔は数少なく、3両も並ぶことはあまりありませんでした。
御所湖遊覧バス
撮影:つなぎ温泉(1986.9.15)
つなぎ温泉に停車中の「御所湖遊覧バス」。つなぎ温泉、小岩井農場などをめぐる周遊バスで、雫石営業所に2両いた中型車のうちの1両が専属使用されました。
雫石の中型車は、ローカル路線から盛岡乗り入れ路線まで幅広く使用されていたものです。
友情出演 −雫石営業所の共演者たち−
湯本温泉から盛岡へ向かう急行バスも、つなぎ温泉経由で国道46号線を走ります。
車両は湯本営業所の9m車K-ECM430が専属使用されていました。
撮影:南大通り車庫(1987.11.15)
田沢湖からやって来る羽後交通も「急行」として国道46号線を走りますが、岩手県交通の急行とは停車パターンが異なります。それでも岩手県内での区間乗車は可能でした。
車両も雫石族とよく似た前ドア車。1986年には新し目の観光タイプが投入されました。
撮影:盛岡駅(1986.8.29)
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