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さよならBU型バスお別れイベント
朝起きたらいい天気だったので、「笑っていいとも増刊号」を見ながら怠惰に過ごす計画を変更して、国際興業(株)主催の「さよならBU型バスおわかれイベント」を見に行くことにしました。
会場の埼玉スタジアム2002に着いたのは昼頃でした。「この時間ならバスコレも並ばず買えるのかな」などと思っていたことを書くと世間知らずがバレてしまうので書きませんが、会場には長い列が伸び、また2台の
BU04の周囲には大勢の人だかりができていました。
BU04というバスだけをネタにしてこれだけの集客ができるということに、多少のカルチャーショックを受けながら、勢いに押されて早々と会場をあとにしてしまいました。
(撮影はすべて2006年3月26日)
2台のBU04
以前から報じられていた通り、岩手県交通カラーのままのBU04と、当時の国際興業カラーに復元されたBU04の2台並びが実現していました。
国際興業のほうは車番やKKKロゴなども忠実に復元、方向幕や系統幕もしっかりと入っています。
なお、ナンバープレートは実物通りの表記をしたイミテーション。このように作り物っぽくしていただくとありがたいです。あまりにも本物っぽいと「まだ現役車両か?」と勘違いをしてしまいます。
撮影タイムの様子
30分ごとに撮影タイムとなり、ドアが閉じられます。エンジンが掛けられていたり、ライトを点灯してくれたり、撮りやすいように移動してくれたりと、主催者による「かゆい所に手の届く」サービスが繰り出されます。
撮影者の皆さんも、場所を譲り合ったり、後ろに気遣ったり、「済みません」の一声をかけたりと非常にマナー良く行動していて安心しました。
私の「現役」時代にこのようなバスイベントはありませんでしたが、鉄道の撮影場所では怒号が飛び交ったりしていましたので。
車内タイムの様子
「車内タイム」ではドアと窓が開けられ、電気関係のスイッチはすべて切られます。
「運転席に座る時は譲り合って」「銘板を撮影するためのドア開閉は最小限に」などのアナウンスがされる中、バス車内は超満員状態に。
座席の座り心地を楽しむ人やボディを仔細に観察する人、小さなプレート類まで写真に収める人、皆さんそれぞれの興味を満たしています。
遠巻きに見る家族連れが入れる隙間はちょっとないようです。
2台並びの正攻法写真
一応、2台並びをまじめに撮った写真もお見せします。
国際興業の方向幕は時間によって変えてもらえるそうですが、岩手県交通のほうは社名の幕のままです。「盛岡バスセンター」とか「都南の園」など懐かしい方向幕が出れば嬉しいのですが、この車両は胆江あたりの車両のようで、もっとレアな幕が入っているのかもしれません。
国際興業復元車
1980年式のBU04で、国際興業カラーへの復元が行われた車両です。中ドアの上に方向幕を持つ車両。車番の3491が再現されています。
配られていたチラシによると、この車両は(株)トミーテックの「おもちゃのまち」で保存展示されるとのこと。こういった「普通」のリアエンジンバスが保存されるようになるというのは嬉しいことです。
岩手県交通
こちらは岩手県交通カラーのままの車両。さすがに塗装がそのままなので痛みが進んでいるのがわかります。側面方向幕が中ドア次位にあるサブエンジン冷房車です。
この車両もどこかに保存されるとのアナウンスがありましたが、よく聞き取れませんでした。
さよならヘッドマーク
BU04さよならヘッドマークです。
今回のために作られたのかと思ったら「1973−1993」の文字。どうやら1993年に国際興業のBU04が本当に引退するときのイベントで使われたもののようです。
スタジアムとリアスタイル
会場のスタジアムを入れた写真を撮りたかったのですが、余程の広角がないと無理でした。
しかしこの後姿。国際興業には「都営−東京駅」という幕が入っていて近くにいる人の話題を誘っていました。
私は個人的に、岩手県交通のリア広告看板がすべてそのままであることに、一種の安堵感を感じていました。変な細工をするのではなく、現役時代なるべくそのままの生活感を残したままであることが、車両保存には必要なのだと思います。
会場全景
帰る前に会場の様子も撮影してみました。
テントではグッズや食べ物などを売っています。この時点で「バスコレ」はまだ行列順での販売中でした。気軽に買えるとは思えないので、そのまま会場を後にします。
サッカーの試合に来た人たちも「騒ぎ」に気づいて会場を覗きに来ています。「おい、何か売ってっかー?」「バスみたいだぞ」「バス?」
会場を後にして
たかが2台のリアエンジンバスのためのイベントにこれほどの人が集まっているというのは正直言って意外でした。
主催する側があり、参加する側があり、そして成立するイベントですので、バスという趣味もようやく成熟してきた証ではないかと思ったりします。参加している皆さんも、おおむね秩序を守って行動しており、好感が持てました。
ただ、この調子でバス趣味人口がもっと増えたらどうなるかはわかりません。かつて諸々のトラブルがいやでイベントやグッズ販売から足を洗った鉄道会社があったように、バス会社もそうならないとは限りません。
主催者(バス会社)の言う事をきちんと聞いて、次にもこのようなイベントを開いてもらえるように、秩序を守ることが、自分たちがバス趣味を今後も続けていくために必要なことだと思います。
そういう意味で、今回のイベントを見て、一応安心して、また気持ちよく会場をあとにできた私でした。
おわり
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