「大向こう」とは元々は向こう桟敷の総称でした。
今では常設している劇場は少ないのですが、歌舞伎座なら3階の奥に仕切られた一幕見の席があります。好きな所を一幕だけ見られるこの席は常連の芝居通が通う席として知られています。それで役者や芝居の関係者から尊敬をこめて通のことを「大向こう」と呼ぶようになったのです。このことから、大向こうからかかる声そのものを「大向こう」と呼ぶ慣習が生まれました。
「大向こう」には大切な役目があります。それが「掛け声」をかける事なのです。「大向こう」には「大向こうグループ」と呼ばれる団体が活躍しています。現在東京には3つの会があります。
1.弥生会(12人)
2.寿会(9人)
3.声友会(6人)
―2007年2月現在―
関西には「初音会」
名古屋には「八栄会」
博多には「飛梅会」(とびうめかい)
という大向こうの会 があります。
もちろん「掛け声」をかけるのに大向こうの会に入らなくてはならないと言うきまりはありません。ですがどうやったら大向こうの会に入れるかというと、会のメンバーの方が「一人で声を掛けている人」を半年くらい観察してそれから勧誘するのだそうです。
つまりあたりまえのことですが、大向こうの会員も最初は素人だったわけですね。(^^♪
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