これにはヴァリエーションがあって海老蔵には「若成田」染五郎には「染高麗」ベテランの又五郎には「又播磨」と掛ける事も出来ます。「豆天王」これは富十郎Jr、大ちゃんの事でしたが、鷹之資となった現在は「若天王」という声が掛かっています。
せりふの途中の短い間に「タヤッ!」(成田屋の事)とか「ワヤッ!」(音羽屋の事)「ライヤッ!」(高麗屋の事)と掛ける事も出来ます。けれどもこれは台詞を熟知していなければ上手く掛けられません。
この台詞の途中の間に掛けるということについて、ある役者さんが「それは大向こうの間であって、役者の間ではない」とおっしゃったそうです。他の役者さんも「もし間があったとしても、そこで役者がイキを吸っていたら掛けても良いけど、詰めている(止めている)だけだったら掛けないでほしい」とおっしゃったと伺いました。
イキを理解して声を掛けるということは、とても高度なテクニックですが、隙間さえあれば・・という掛け方では、役者さんのせっかくの苦労を水の泡にしてしまいかねないことを覚えておく必要があります。
「成田屋」と掛ける場合「リタヤッ!」という風に最初の「ナ」は口の中で言うようにするのが粋と言われています。「音羽屋」の場合は「トワヤッ!」という具合です。
( )内は代数です。例えば(5)は五代目という意味ですす。
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