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HHJ
レポート 2
☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 マーク計画の闇 住民監査請求 ☆〈秋田県生活と健康を守る会連合会〉は、11月13日県監査委員事務局に住民監査請求をして、同日付けで受理された。地方自治法の規定により12月13日証拠の提出および陳述などが県職員会館で行われる〔1〕。この住民監査請求は県知事以下59名の職員に対して平成6年度公共事業費の流用で使った金額(少なくとも約4億円)を賠償するよう求めている。理由は〔2〕、 1 県議会が決めた予算(款項)を無視した公金支出は、地方自治法が禁止する予算の流用使用にあたる。 2 公共事業の国庫補助金を事業目的外に使用したのは、補助金適正化法が禁止する目的外使用にあたる。 3 右流用使用は、いわゆる「カラ懇談会」、「カラ出張」、「カラ会議」等の不正の温床となり、個々について多数の違法支出の疑いがある。 ☆ 1
242条5項 2〈秋田県措置請求書〉より ☆ 箇所付け配当 ☆不正な手続きで行なわれた大館橋マーク計画について、その後(12月4日から)調査したことを書く。請け負った阿部塗装店の話では、10月10日に塗装が終了、月末に北秋田土木事務所から代金70万円の支払いを受けた。土木部からではないか、と念のため確認すると、いつもの通り、という返事だった。しかし、土木部の職員によれば、 ―文書による箇所付け配当で予算が下りなければ、できない。 支払った代金はどこから出たのか?裏金を使った可能性が強い〔3〕。 ところで、年度末に土木部に送ったという精算書とは、どんなものなのだろうか?その文書には業者名を除いて工事箇所と内容と金額が記入される。精算書は所管の各課で決算され、財政課が全体の決算書を作って県議会に提出する仕組みだ。だが、すでに明らかになったようにこのマーク計画は最初の〈電話報告〉という間違った手続きでは実現されえない事業だった。緑色のペンキが手に入らないのに、赤と緑のマークができたという文書が送られたとしたら、異常である。にもかかわらず、マーク計画の精算書が土木部にあるのは、どういうことなのか?偽造か? ―担当者が替わったので、詳しいことは分からないが、精算書にはどういう内容か書かれていない。ただ〈塗装〉とあり、それから延長と金額だけだ。 ☆ 3 県生連(鈴木正和代表)の調査では、8土木事務所が昨年度〈カラ出張〉で約8000万円の裏金を作った。土木部は事業についてほとんど何も知らなかった。まして議会と一般住民は! ☆ ☆上流側のマーク計画の異常さと関係があるのかどうか、1994年の下流側補修工事の再開は遅れた。だから、3年計画の予定だったが、まだ終わっていない。土木部の同じ職員にその理由について訊いてみると、頼りない答が返ってきた。 ―あれはゲルバー橋で、つまり、橋の上に橋があるので、工事の工程の都合じゃないか、と思うが。よく分からない。 課長補佐に電話を繋いだので、同じ質問をした。 ―記憶が定かでないので、北秋田土木事務所に聞いてみる。後でこちらから電話する。(約20分後)あの工事は平成5年(1993)から平成8年(1996)まで行なわれ、勾欄と橋桁の補修や塗装をしている。 それだけ平然と疲れた口調で言う。塗装とは、紛らわしいが、下流側勾欄のコンクリート土台に対する塗装である。 HHJ―はぐらかされているようだが? ―詳しいことは北秋田土木事務所に聞いてもらいたい。 県庁の土木部が知らないはずはないが、その問題を避けたがっていた。北秋田土木事務所の猿田主査に訊くと、こう言った。 ―所長宛てに文書で質問してほしい。 かなり用心深くなっていた。ショーボンド建設の担当者に電話すると、案外親切に答えた。 HHJ―平成6年度の工事中断はなぜか? ―別にそういうことはない。 HHJ―最初の予定では平成5年から7年までの3年計画だった。翌年の工事が7月発注というのは遅れではないのか? ―予算執行の閑係ではないか。 HHJ―暖かい季節に工事をするのが普通だと思うが? ―問題がないことはない。 HHJ―土木部は中断の理由を工程の都合でと答えたが、それは本当か? ―そういうことはない。 議会と主権者の意思 ☆12月7日、秋田県議会は昨年度の決算を認定しないことに決めた。予算の不正な流用は議会と主権者の意思を軽んずる行為である。一方、大館市の12月定例議会では大館橋のマーク計画が議題に取り上げられなかった。大館市議会は大発展の夢に耽って依然として自ら民主主義の破壊を手伝っている、と思われても構わないのだろう。土木課の当時の浅野允課長補佐はマーク計画をいつ知ったかという問いに、〈誰かから聞いて〉という最初の答を打ち消して言った。 ―工事の終了後、たまたま車で橋を渡ったとき、初めてマークを見た。(事前通知については)規則違反でないので、何も言えなかった。 これは局地的な小さな問題かもしれない。しかし、民主主義社会に潜在する闇から浮かび上がった赤い斑点である。どんな病気なのか、それを知るためにはわずかな勇気を持つだけでいい。 またひとつ大館の伝統が… 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ [一部修正] |
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電話インタヴュー ☆大館市の男性:(HHJの記事は)何となく大袈裟に考えているような気がする。大文字焼きマークは美観を損ねるほどのものではない。だが、我々市民には測り知れないところがあって、問題だ。裏取引があったかもしれない。 ☆比内町の男性:役所とはそんなものだ。役人は事後承諾でやっていることが多い。橋の下の落書と違って、税金を使っているので、大変なことだ。米代川は鉱害で一度死んだ川になったが、今は公の害、公害だ。環境文化学園都市なんてとんでもない。私は昔から大文字焼きという言葉にさえ腹が立つ。やらない方がいい。広く会議を興して話し合うのが文化というものだが、市民にも町民にも対話がない。役人はもっと住民の意見を聞くべきだ。 |
VOL.49 1996.5.11 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 監査委員事務局から怪しい電話が… 住民の自治が嫌われる ☆今月の特派員報告はサスペンス・タッチで送る。なぜなら、秋田県監査委員事務局が、電話を使った非常識な一幕を演じたからである。 先月号を発行した翌日の15日、ぼくは地下室でポケット・ムーヴィーを覗いている編集長に会った。出入り口にレンズを向けて、彼は低音を響かせた。 ―君、困ったことだよ。監査委員事務局の職員から、6時頃電話があってね。カマダと名のる年老いた感じの声だが、住民監査請求に自署と印がないと言うのだ。 ―それは考えられないミスですね。本当ですか? ―ぼくもびっくりして、あとで請求の様式について書いた施行令を見てみる、と答えた。その通りならサインと押印をしてもう一度送る、と。 ―ポケット・ムーヴィに夢中で、ちゃんと地方自治法を読まなかったんですよ、編集長は。一つのことに集中しないと駄目ですよ。まったく悪い癖ですね。 ―ぼくはその方が調子が出るから、そうしてるんだ。大学生の頃3日でノートに400字詰め原稿用紙80枚分の小説を一字の誤字も一行の修正もなく書いた人間だ。 ―年は取りたくないもので…まあ、しかし、そう暗くなることはないでしょう。 ―ところが、監査委員事務局の話はそれだけで終りなのじゃあない。職員は電話を切らないでこんなことを言い出したのだ。《要旨が何を言っているのか分からない》《精算書とは何のことか?》《何の予告もなく(請求書を)送ってよこすのは困る。》《証明する書面が足りない。》《小畑市長は県職員でないので、関係がない。》《請求期限は一年以内だから、受理できない。》《したがって3月22日付けの請求は、取り下げてほしい。そのことを文書で書き送ってもらいたい。》 一いわゆる補正指導というやつでしょうね。それで編集長はどう答えました? ―要旨の意味が分からないっていうのはナンセンスだ、精算書が何か、それは北秋田土木事務所の担当者が言ったことで、知りたいのはこっちだ、と。 ―その職員、うっかり関係者の嘘を暴いてしまいましたね!土木部のあの純な職員も口裏を合わせるよう強制されたんでしょうねえ。監査委員事務局が訳が分からないというのは、要するに事件関係者の行為なんですね。 一精神鑑定の必要があると前から思ってたが、〈予告もなく〉と文脈から突出したことを言われてショックを受けないか?そんな無茶な規則がどこの世界にあるっていうんだ。ぼくは異常さに呆れたが、あとで想い出してみると、それとなく脅迫のために使われた言葉だったような気がするんだ。 ―その職員がHHJの状況を知っているとしたら、怪しいですね。いや、政治の力を知っているとしたら、かな。 ―だいたい一か月近くも23人の職員は何をして遊んでいたのか…補正指導はもっと手早くやるべきものだ。でなければ、監査委員に回すのが遅れて、監査の期間が十分取れなくなる。そんな意味のことを言うと、彼は〈もっと早く接触したかったんだが〉と言い訳した。しかし、〈証明する書面が足りない〉と聞いて、ぼくは怒ったね。電話で陳述させられるとは思わなかったが、少し詳しく関連文書が手に入らなかった事情を、つまり県の秘密主義を話した。それに地方自治法にも、請求内容が正しいかどうかという判断は監査が行なうのだから、証明する書面の不足は拒否の理由にはならないと書いてある。新聞記事だけでも十分なのだ。住民が得られる情報はごくわずかだから、これは当然だろう。ぼくは皮肉を言ってやったよ、誰かの横槍が入ったんじゃないか、と。〈小畑市長は県職員でない〉ことは分かってるが、これは大館市の監査ではなくて、秋田県の問題に市長(知事と同じく特別公務員)が関係しているので、入れた。地方自治法の規定に反するものでないということは監査委員事務局もよく知っているはずだ。ところが、その職員は最後の手段とばかりに請求期限を盾に取った。〈正当な理由がある場合〉は期限が過ぎてもかまわないと地方自治法にあると反論した。 ―住民が行政のおかしさに同時的に気づくことができるなら、世の中悪くなりはしませんよ。 ―1000字以内の要旨で判断材料をすべて求めるのは、無理難題を吹っかけるようなものだ。性格から言って、監査の門は広くなければいけない。民主主義の腐敗を防ぐために作られた制度なんだから、な。ぼくはそう言って、ともあれ正しい様式の請求を改めて送ることにしたが、職員は前の請求を取り下げると文書で書き送ってくれ、と注文を付けた。ぼくはその要求を拒否して、そちらがまず文書主義にしたがって今話したことを文書で送ってもらいたい、と言った。職員は急に言葉に詰まって、みんな用事がたくさんあって忙しい、相談してから、と哀感を滲ませて言った。 ―それは、ひどいね。 報道機関に公表する義務 ☆ぼくは15日付けの朝日新聞秋田版の記事を読み返した。公共事業費転用問題の住民訴訟第一回口頭弁論が秋田地方裁判所で行なわれ、被告(県知事ら)が答弁書の中で訴えの〈門前払い〉を求めていた。大館橋の住民監査請求に対しても同じ態度であるのが気になった。 編集長は17日同じ内容の請求にサインと押印をして監査委員事務局に送った。監査委員事務局から18日付けで郵送された書面を見ると、監査委員4人の名前と印があった〔1〕。それから請求に自署と印がないことと期限が切れていることを理由に請求を却下するという記述が…職員が電話で喋った内容はそれだけではなかったが、なぜ文書に載せなかったのか?文字になって残ると、困るからだろう。ぼくはこれも例によって偽造文書ではないかと疑っている。監査委員のサインは必要でないので、職員が自分一人で問題を片付けた可能性可能性がある。小雑誌の編集長に向かって恥も外聞もない圧力を掛けたのは、監査請求の事実を一般報道機関に公表する義務を免れたいというわけではないか?17日に送った請求に対する返答も、やはり期限切れの一言で却下だった。編集長はパイプをくゆらしながら、この事件は司法の手に任せるしかないようだな、と半年前と同じことを考えている。 大館市議会は、相変わらずリヴァー・ユートピア妨害工作の確定した事実と疑惑に触れることを避けている。市民は何のために議員報酬が毎年上がるのを許しているのか?地方議員などはボランティア式の日当で十分である。 権力に媚びる大館から 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ 1 工藤嘉左衛門,佐藤次男,平野秀三郎,星野徳美 地方自治法と報道機関の責任について ▼ 無意味な破片 2006.10.24 [一部修正] |
あるCM騒動で読売広告社が謝罪文を書かされた世相に〔1〕 自由になると、 どんな目に遭うか? ★渋各駅前の何とかという名の動物の銅像は、戦前軍国主義精神の象徴として人気があったらしい。主人に忠実な性質が褒め称えられたようだ。待つことにはそれだけで人を感動させる力があるが、敗戦後に人々の心に訴えたのは何よりもその美しさというかイデオロギーを超えた美学だったのではないだろうか? ★映画は現実に戻って、主人公に昭和初期から敗戦までのファシズムの下での人間の運命を暗に担わせている〔2〕。自由になると、人間は野垂れ死にするしかないのだ、と…これは左翼的な知識人の嘆きだったに違いない。そして、言論と表現の自由を奪う支配階級の決まり文句だったに違いない。神聖という観念があれば、いつでも必然的にタブーと異端排斥が起きる。 ★誰かを待つ人達に、自由とはなんですか、と聞いてみよう。待ち人が現われないで一人立ち去ることか?一緒になってどこかへ行くことか? ★ 1 HHJ47号が3月発行されたあとのCM。ハチ公を侮辱する内容であるという理由で、大館市選出の菅原昇県議が先頭に立って抗議した。HHJ記事に対する非難はむろんなかった。 2
ハチ公物語; 脚本 新藤兼人 監督 神山征二郎 |
VOL.51 1996.8.8 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 事実から真実へ 大館橋の疑惑 ☆7月10日、北秋田地方総合庁舎で北秋田土木事務所の情報公開。総務課長からコピーをもらう。大館橋上流側勾欄の塗装事業の〈精算調書〉については、こんな疑問がある。一つは〈綱体積再塗装〉という事業の分類の仕方。塗装とは橋桁・勾欄・街灯にペンキを塗ることで、何らかの意味・メッセージのあるデザインを同じ範疇に入れるのは間違いだ。あれは塗装の繰り返しではない。それから、塗装面積に比較して金額が大きい。 大館橋補修事業は、あらかじめ佐藤総務課長から電話で予算書の公開ができないと断られていた〔1〕。が、後で調べると、県庁の情報公開室で自由に閲覧できる文書なのだ!開示された〈歳出予算再配当書〉は土木部監理課から出された大館橋補修事業関連の文書だが、予算書や事項別明細書と違って財源が記入されていなかった。ただ科目(款項目節)の番号と金額だけが無愛想に載っている。地方自治法施行令で調べてみた。 款---8:土木費 項---2:道路橋梁費 これはすべて(平成5,6,7年度)に共通する。だが、その内訳は、 平成5.4.1の文書(第一四半期) 日---4:橋梁維持費 節---13:委託(設計)費 平成5.7.1の文書(第二四半期) 目---5:橋梁新設改良費 節---15:工事(請負)費 そして、翌6年度からはすべて、 目---3:道路新設改良費 節---15:工事(請負)費 発注が9月(第2四半期)なのは不可解な遅れだ、と前にその理由を北秋田土木事務所に訊いた。再配当の遅れはないから、なぜ9月だったのか、依然として怪しい。だが、翌6年度から道路新設改良費に項目が切り替わっている事実は、《リヴァー・ユートピア妨害工作》で書いた疑惑を裏付けるものだと断言していいだろう。 3月初め、県庁の土木部道路維持課に、継続事業の項目変更について訊くと、若い職員は〈ぼくの想像では、通常費から交付金Aに〉県庁が予算を組み替えたのだろう、と言った。建設省が付ける特定の予算(補助金)から一般的な地方交付金に…つまり、大館橋補修事業は不幸にも国の補助事業でなくなったということだ。 ☆ 1 これは知事の名で文書で行なわなければならないという指摘があった。 財務規則---支払いの過程 ☆行政の仕組みを知るには地方自治法を読めばいい。地方自治法は図書館に置いてあるので、ぼくはときどき学生の頃に戻った気分で厚い書物を開き、必要なページを1枚30円でコピーしてもらう。業者への支払いが銀行口座振替でできることが分かったが、〈銀行口座振替済通知書〉とは何か、どこにも記されていない。たぶん秋田県財務規則に載っているだろう。しかし、一般住民は秋田県庁以外に財務規則をどこで読むことができるのか?大館市立図書館の職員は、市役所の総務課に行けば見せてくれるかもしれない、と言う。歩いて5分のところだから、行って聞いてみると、職員は壁一面に並んだ黒い書物の一冊を抜き出した。隅の椅子に腰掛けて厳めしい雰囲気に気を取られながら《秋田県例規集》を見た。(口座振替による支払い)第132条に〈口座振替済通知書〉とある。無料でコピーしてもらい、涼しい地下室に帰ってゆっくり読み直した。〈出納機関は…(略)…口座振替しようとするときは、指定金融機関又は指定代理金融機関に口座振替通知書をもって通知するとともに、債権者…(略)…に対しては口座振替済通知書を送付しなければならない。〉 事業の請負い業者は工事終了後に請求書を送ると、そんな風にして代金を受け取る。大館橋上流側勾欄のマーク塗装の振替済通知書を見て、ぼくが驚 いたのは切手が貼られていない郵便はがきで、消印がないということだ。日付が分からないので、本当に送った日がいつなのか確かめようがない。 北秋田地方部企画振興室の工藤貴美次長によれば、これは封筒に入れて送るそうである〔2〕!それはともかく、ぼくは振替済通知書に〈秋田県出納員/北秋田地方部〉の職印が欠けていると疑ったが、これは必要でなかった。財務規則にそう定められていない。いい加減な規則のように思える。しかし、誰かが公金を横取りしようと企んで必要な書類(支出命令書・支出負担行為伺い・契約書)を偽造して、指定金融機関に口座振替通知書を送ったとしても、口座には一銭も金が入らない。なぜなら、あらかじめ指定金融機関には県の出納局長から月別収支計画決定通知書が送られてあるからだ。 これに気づいたのは、落ち着いて財務規則を読ませてくれるところはないかと探して、片山の県総合事務所に行ったときだ。旅券申請や情報公開請求用紙の申し込みなどを受け付ける〈県民ホール〉で、狭いが、タバコを吸いながら柔らかいソファに座って読める。そこでページを捲っていると、収支計画という言葉が目を引いたのだ〔3〕。これで決まったな、とぼくは思った。 (収支計画表の提出)第36条2---地方部企画振興室及び北秋田地方部大館地区総合事務所(以下「地方部企画振興室等」という)の出納員は、所轄する地方公所の四半期別収支計画表を当該四半期の前四半期の最終月の二十日(第一四半期にあっては、四月二十日)までに、月別収支計画表を前月の二十七日までに出納局長に提出しなければならない。 (終始計画の策定)第37条3---出納局長は…(略)…月別収支計画表を策定したときは、収支計画決定通知書により、課長及び地方部企画振興室等の出納員並びに指定金融機関に通知しなければならない。 指定金融機関は事業や懇談会などの口座振替通知書が送られて来れば、月別収支計画と照合して、問題がないことを確認して支払う。大館橋上流側勾欄のマーク塗装の場合、議会で承認された予算の配当がなかったので、収支計画表に載らなかったはずである。北秋田土木事務所が〈本課の了解を得て〉事業に着手したと言い訳したが、支払った金はどこから出たのか〔4〕?請負業者の阿部塗装店の専務から3月末に得た銀行口座振替済通知書(コピー)が偽造でないとすれば、無理に収支計画表に載せて出納局長と総務部長に認めさせたということも考えられる…収支計画の策定はその二人が協議する決まりだ。そうすると、下流側補修工事の不可解な遅れにその二人が絡んでいた可能性がある。誰かが指示したか、あるいは圧力をかけたか? 編集長は、HHJを県庁記者クラブの秋田魁新報に送った。斎藤敦記者から、大館橋マーク計画に関する支出命令書・支出負担行為伺い・契約書の情報公開請求をしたいという申し入れがあった〔5〕。願ってもないことだ。記者の話では、カラ契約が明るみに出てきているようだ。特に河川改修工事に多い。 県議会は、県民の期待に応えて最近〈食糧費等調査侍別委員会〉の設置を決めた。 ☆ 2 当持の桜井民雄室長(柑員)は退職していた. 3 一般に支払い計画と呼ばれているものらしい. 4
HHJ VOL46 注;HHJは小畑元市長に質問書を、福原淳嗣市議に質問と要望書を、送った。 5 秋田県の食料費その他の公費乱用問題を追及した司法担当の若いジャーナリスト。大館橋問題に関するHHJ特派員との連携は、その後魁新報上層部の意思で実現しなかった。 ☆ 市役所の嘘 ☆大館橋上流側勾欄の〈再塗装事業〉と下流側の補修事業は、北秋田土木事務所の猿田明善主査の口頭と文書による説明では9月7日入札だった。地元の北鹿新聞は入札記事をよく載せるが、去年探したときその記事は見当たらなかった。7月になって問い合わせると、9月4日付けの紙面に3日の入札として掲載されていた。市役所の記者クラブに北秋田土木事務所から通知が来ることになっているという。その経緯を話して市の浅野允土木課長に、北鹿新聞の入札記事を仕事柄見ることはないのか、市が要望した補修事業の入札に関心を持たなかったのか、と訊いた。 ―見ない。県の仕事だから。 こういう見え透いた嘘は、どんな建築物に入れるべきか? 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.54 1997.2.14 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 事実と真実の違い ☆12月18日、編集長は大館警察署に行って、大館橋マーク塗装工事の告発をした。刑法の虚偽文書作成の罪に当たる、と訴えたが、係官は行政の問題という見解を捨てなかった。TVドラマの刑事のような二枚目の困惑した様子が、この問題と関係のない事情を想像させた。 ―ぼくは、早稲田のキャンパスを想い出したよ。70年前後、学生運動の内ゲバが日常化していた頃だ。教室でリンチがあったと聞いても、別に驚かなかったね。友達は図書館の前を通り過ぎる水商売風の美人を目で追いながら、スパイはすぐに分かる、なんて言ってた。ぼくは醒めていたが、社交的な性格が災いして、ね、民青が本拠地の法学部にバリケードを作ったとき、一晩その中でまずいジャムとマーガリン付きの食パンを食ったんだ〔1〕。100円のカンパで。革命なんて無理だな、と思ったね。 2日後、編集長は検察庁に行った。暗くなった4時半から3時間あまり虚偽文書とは何かについて検事と激論した。途中他の用件で妨げられると、検事はその度編集長に帰らないで待つように言った。虚偽文書の刑法上の解釈について何がなんでも説得しようという意気込みには、職業を超えた個人的な情熱みたいなものがあった。 高橋誠検事の反論は、文書に記載された内容が事実と違っていなければ、その文書は虚偽文書ではない、ということだ。工事の日付・金額・支出項目・請負業者などが現実の通りなら、虚偽ではない。しかし、事実そのものが不正であり、それを可能にしたのは文書である、と編集長は余裕たっぶりに言った。 ―ボタンの掛け違いと同じで、ひとつひとつのボタンは正しく合ってるように見えるけれど、初めに戻れば、間違ってることが分かる。参考書でもあったら、見せてくれませんか? 検事はそれを取り出して読んだ。《虚偽文書…真実に反する内容を記した文書》 ―事実に反する、とは言ってませんね。真実とはどういうことですか? 真実は現われるだけでいい、という格言がある。そのとき、人は沈黙するだろう。高橋検事には、その真実という言葉が深淵のように感じられたに違いない。編集長は役者が上で、大学教授が講義を始めるときの雰囲気を漂わせていた。主張の要点だけを言うと、事実とは単にそこにあるものであり、真実とはその善悪や正不正の判断の基準になる普遍的な観念である。今テーマになっているのは民主主義の枠(枠組み)としての真実で、その中にある事実の見方を決めるものである。高橋検事は言った、《自信をなくしたよ。》 しかし、この告発には、告発文が雑な書き方をされていることを除いても、必要な書類が足りなかった。 1…工事が必要なかったことを証明する文書。 2…地域住民・業者が必要なかったと判断する材料。 3…不正な手続きを証明する文書。 それらについて編集長は反論したが、受け入れられなかった。 人柄のいい検事さんですが… 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ 1 共産党の学生組織民主青年同盟の略称。 注 ;《》---普通は強調のための符合である。リヴァー・ユートピア妨害工作の記事では特別に、引用した話の全部であることを表わす。それと対応する〈〉は部分的な引用を表す。 |
VOL :58 1997.10.12 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 知っている者が話さなければ 記憶がない ☆9月16日、北秋田土木事務所の薄葉茂元道路維持課長補佐に質問者を送った。平成5年度の大館橋補修事業の実施設計書作成に関する疑問などを、前号に書いた関係者の証言を含めて。今年から大館能代空港建設事務所に勤務している彼は、電話で片付けようとしたが、無視されると、9月30日付けで回答書をよこした。 1 〈どの図案が良いかということで相談〉したのは、何月でしょうか?浅野課長は口頭では〈6月〉と言いましたが、回答書ではあいまいにしています。 回答…図案の相談について、何月だったかどうか、記憶にありません。 2 〈工事の発注時期について市から田町、御成町三、四丁目町内会に打診してほしいとの申し入れ(口頭で)があり〉というのは、事実ですか?実際、町名まで指示したのでしょうか? 回答…発注時間〔1〕の打診について、私が関わってたかどうかも含めて、記憶にありません。 3 当時、薄葉課長補佐は大館橋南のたもとにある〈Atelier Half and Half〉の名を知っていましたか? 回答…貴社の御名前について、知らなかったと思います。 回答書にはつづいて、2年前に電話インタヴューしたときと同じようなこんな言い訳があった。〈当時、道路維持第1、第2担当を受けもっておりまして、年間何百件の発注件数があり、この事業もその中の一つですので、ほとんど記憶しておりません。〉 予想していたのは、回答がないか、記憶にないという返事か、だった.後者はよく使われる最後の手段だが、記憶の回路に障害が起きた原因は他でもない、問題の現前そのものだろう。意識は想い出せないのではなくて、狡猾に逃げる。逃げるのは、それを覚えているからだ。だが、この無記憶症状には興味深いニュアンスがある。〈私が関わってたかどうかも含めて〉と言わずもがなのことを書いて、注意を引く。彼がそれに関係したかどうか、疑わなけれはならないということだ。しかし、責任者は彼だった。これは、暗に事実ではないと答えているような言い方だと思える。 10月8日、浅野課長が発注時期を打診したという民間企業の一つ、〈いとく〉の桜田忠常務に電話で問い合わせた。《こちらから浅野課長に工事がいつ始まるかということは聞いた。(浅野課長から打診されたかどうかは)記憶にない。中劇と祥雲堂の方に聞いたのではないか?》この〈記憶にない〉は、その事実はないという否定の意味が感じられるようなニュアンスがあった。 大館橋マーク塗装については、再び住民監査請求を予定している。 ☆ 1原文のまま 予算のプロセス : 議員たちの知る権利 ☆浅野土木課長に対するもう一つの質問は、こうだ。〈(略)…浅野課長補佐は、その事業が不正であることに気づかなかったのでしょうか?地方自治法219条には議会が承認した予算は住民に公表されなければならないとありますが、市町村で実施される県の事業も当然地元の自治体にあらかじめ通知されなければならないはずです。猿田主任が話したとおり、そのマーク塗装工事は当初予算にも6月補正予算にも組み入れられていなかったので、本来なら土木課および市政担当者がすぐに事業の実施に不正あるいは疑問を感じていいはずです。〉 回答…地方自治法第219条第2項の規定による大館市における予算の公表は議案に基づいて款・項まで公表しているとのことです。(市財政課調べ)/又、県の公表の範囲については…(略) 7月15日に北秋田土木事務所の安部総務課長がこう答えた。〈要望段階で事業一覧が公表される〉そして、ジャーナリズム・県民・市民が一喜一憂しながら予算を理解するというものだった。県政情報室に聞いてみると、《各課で議案書は作られるが、この段楷では公表されない。》 行政の仕組みを述べた本を見ると、予算議案書とは各課の要求をまとめて議会に承認を得るために提出するもの。いわゆる予算案で、款・項の議決科目だけを記載している。予算執行科目である目・節をも含めた事項別明細書は予算議案書の説明資料であって、議決の後で両方合わせて予算書と呼ばれる。職員や議員の中には予算議案書と予井書を混同する者が少なくないらしい。各課で作られる予算要求書を議案書と呼ぶのも間違いだ。 結局、予算の公表とは事業一覧と予算書を公開することに他ならないようだ。地方自治法にしたがって公表するのは県も同じだから、問題は承認前の事業一覧がすべての事業を具体的に箇所名とともに載せているかどうか、そして、それが各市町村の関係部局に伝えられるか、だろう。依然としてあいまいなのだが、民主的に告知される仕組みなら、浅野土木課長その他の関係者は大館橋のマーク塗装があってはならないことだと気づいたはずではないか?しかし、その質問には決して答えようとしない! 款・項まで公表されるとは、役人の詭弁でしかない。議会が地方自治法にしたがって議決・承認する予算は款・項であるから内訳の目・節〔2〕には関与できないと断言するのと同じ論法だ。一般市民にもう少し分かりやすく言うと、大館市商工課の予算の商工費[款]のさらに細かい分類を知ろうとしても、商工費[項]まで。目的を具体的に記した[目]にある〈中小商業活性化事業〉の予算額は知りえないということだ。事実は事項別明細書を含めた予算書に記されている…平成9年;85万円。大概記載がないのは、その予算がどこに適用されるか、だ。一般市民が知るためには、担当職員に聞かなければならない…大町ライブ・スポット。結構なことです。 議員、特に総務財政委員会その他の各常任委員会の議員は、議会制民主主義であるからには当然予算の内訳をすべて知ることができると思いたい。樹海ドームの公園整備にいくら、近くの農道にいくら、その設計はこうだ、と。ところが、行政側の話では現実は大して知る権利がないかのような奇怪な民主政治なのだ。これが本当かどうか、議員に聞いてみれば、簡単に分かるはずだ。 ―我々はもちろん資料を提出させて、ひとつひとつ事業内容をチェックしますよ。100万円以下の小さなものなら、各委員会で。それ以上のものなら、さらに総務財政委員会を通して審議するんです。欠点や疑問がある計画にはノーと言います。異議なしは熟慮の結果であって、その、何かを恐れるなんていうことはありませんよ。 この発言は一般市民の常識と合って、不安を消し去るものだろう。それでこそ市民から選ばれた責任を果たしていると言える。だが、そんなふうにみずから進んで話す自主牲のある議員は一人もいない。だから、どんな資料を見て、どこまで内容を把握するのか、明瞭でない。編集長はかつて自然保護や住民運動に理解を示していた若い福原市議に、集会活動報告の連載を依頼しようと考えたが、逃げられて失敗した。県議会議員が実際どんな活動をするか、県庁の議会事務局にたずねても、一般県民が見れるような書物はなかった。身近な存在であるはずの市議と県議とは何をする人たちなのか? 大館橋に戻って考えると、地元選出の3人の県議会議員はマーク塗装の不正を知らなかったと言うことはできない。行政の担当者は説明する意思を持っているが、市民の代表である議員にはそれさえも、市民に理解させようという気持さえも、ない。このことは、選挙のときを除いて議員たちが活動報告や意見などの通信をしないという事実でも明らかだ。政治と行政の実際こついて市民の認識が乏しいのは、そこに大きな原因がある。 2 食料費は一番下の細節である。 責任を取ってもらおう 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.62 1998.6.14 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 絶望的なダメージの回避 大町ライブ・スポット住民監査請求結果 ☆5月1日、監査結果が公表された。 [監査結果と批判は、長い記事なので、後日掲載します。] どっちの顔も立てた、か… ☆3人の監査委員のうち民間から選ばれた田畑委員は欠席した。監査結果を読んで、ぼく最初に消防署に問い合わせた。去年の9月16日の夜栄町の田畑材木店所有の倉庫でボヤ騒ぎが起きた、その出火原因に関する報道は一度もなかったが、単なる過失だったのか?消防署の係員はこう答えた。〈原因は調査中です。(警察と同様に)最初の推測は放火だったが、はっきりしない。適切な事実は特定できません。詳細は警察署に問い合わせてください。〉現場で消火作業に当たった係員は、それからHHJに対して火災を警戒するように、間接的にだが、心を込めた口調で話した。父と母が住む家と裏の空き家と工場には東西南の三方向から自由に通り抜けられるので、編集長は夜できるだけ見回りすることにした。隣りの隣りには付き合いの古かった田畑材木店の元の家がある。 この監査は、監査請求した市民が抱く日本の行政に対する不信と侮蔑を減じることにいくらか役立った〔1〕。監査委員事務局は少なくとも大館市の民主主義を入口で救った。補正の指導すらしない無法の秋田県監査委員事務局に較べれば、ヒューマニティがあるとさえ言える。しかしながら、それが国の政治経済的な圧力による大館市の商業の絶望的なダメージを回避するために働いたことも、おそらく真実だろう。果たして大館市と大町商店街振興組合は、監査委員の語るとおり過ちが是正されたことを文書で証明することができるだろうか?市民は、それを確認しないではいられない。 監査結果に対する異議申し立ては行政訴訟と言われる。費用が馬鹿にならないので、HHJは司法に訴えるのを断念した。他の重要な理由は、雑誌に書くことが社会的な裁きに繋がると思うからである。 大館橋に関する浅野允建設部長への質問書に対する回答は未だにない。この問題に対する小畑元市長の責任放棄の沈黙は、疑惑の正しさを裏付けるだけである。 何か文句がありますか? 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ 1
この住民監査請求は読売新聞秋田版が丁寧に報道した。北鹿新聞は監査の事実だけ。 |
VOL.70 1999.10.12 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 花壇を移すという行為 ★1993(平成5)年の6月下旬か7月、米代川ドキュメンタリー制作の準備に忙しいある日、大町商店荷を縁取っていた花壇が長木川公園にあることに気づいた。大館橋と西大橋の間の岸辺、西大橋寄りにコンクリート製の花壇が雑に積まれて並んでいる。花壇の形は2種類あって、直径85cm高さ40cmの白い円筒形が10個、長さ130cm高さ50cm幅60cmの茶色のタイル張り直方体が14個。今はアカシアの木や雑草が覆って荒れ薮と化しているが、不思議なことに大館市が花壇を整然と並べて花を植えたことは一度もなく、整理もされないで放って置かれたままだ。 10月6日大館市役所に行き、都市開発課公園緑地係で花壇について調査した。当時の担当者に聞くと、若い職員は大高健一と答えて農業委員会に案内した。現在次長をしている大高健一とのインタヴューは、ほぼ次のとおりだ。 特派員―大町商店街の花壇が平成5(1993)年6月か7月長木川河川敷公園に移されたことを覚えているか? 大高―(6月か7月かは)覚えていない。汚いし見づらいので、投げる、と大町商店会から話があった。不要になったので、と公園緑地係に。 特派員―誰がその話をしたか?明石理事長か? 大高―さあ、覚えてないが。 特派員―市の上司か? 大高―大町の人。 特派員―花壇は大町の寄贈だったのか? 大高―文書のやり取りはなかった。口頭で決まった。 特派員―花壇を運んだのは大館市か業者か? 大高―大町だ。私があそこに置くよう言った。 特派員―大町は業者に頼んだのか? 大高―分からない。 特派員―あそこに置いた花壇はずっとそのままだが、大館市がどうするという計画はなかったのか 大高―そういう話はなかった。 特派員―ところで、公園緑地係長には寄贈を承諾したり公園に置くということを決定する権限はないはずだ。上司に相談しなければならないのではなかったか? 大高―(動揺して)何かに利用できないかと置いただけで… 特派員―市に花壇の利用計画について話をしたか? 大高―していない。 特燕員―花壇を放っておかないで、予算要求するべきではなかったか? 大高―(開き直って)そっちがやればいいじゃないか! インタヴューの途中で電話が入り、大高次長は〈私が公園緑地係にいたのは平成6年度から2年間です〉と訂正した。すると、彼は前年どこにいたのか?なぜ知っているのか?職員課で名簿を確認してみると、土木課改良係長だった。大高健一はなぜ職務に無関係な仕事をしたのか?大町商店街振興組合はなぜ大高健一に寄贈の申し出をしたのか?当時の都市開発課公園緑地係長中島貞雄に訊くと、〈覚えてない。そういうことはやっていない。それは公園緑地係の管轄で、改良係ではない〉と断言して天井を仰ぎながら両手で顔を蔽った。前日、8月下旬から無断欠勤していた行方不明の市職員が角館町で発見されたという北鹿新聞の報道が、重なった。 *** 夕方、大町商店街振興組合の小棚木理事長に電話で訊くと、初めは〈分からない〉と言って逃げた。 小棚木―使い手がなく、壊れたので。それから、プランターに替えた。 特派員―当時は明石理事長だったが、花壇の寄贈は彼が決めたのか? 小棚木―分からない。 特派員―理事長の独断でできないはずだが? 小棚木―理事会で決めた。 大町ライブ・スポットの元支配人山城久和に会って訊くと、彼は理事会のメンバーではなく、詳しい経韓を知らなかった。しかし、花壇の移送を業者に頼んだのは大町ではない、と大高次長の言葉を否定した。大町の花壇の移送にはどんな問題があるか? 1 土木課改良係の大高健一が大館市の事務決済規定を無視して、独断で大町商店街振興組合の寄贈を承諾した。都市開発課を通じて文書による手続きを取るべき事柄である。 2 土木課改良係には公園の管理に関して権限がないにもかかわらず、長木川河川敷公園に花壇を置くよう大町商店街振興組合に指示した。寄付の場合移送費を市が負担するとすれば、市長の決済が必要なので、これは辻褄が合っている。 3 しかし、改良係の越権行為は不法投棄の疑いがある。〈廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第16条 何人もみだりに廃棄物を捨てはならない〉 4 不正を犯した本人が翌年4月から2年間公園緑地係長になったことは、不正の発覚を未然に防ぐために都合が良く、大高健一の異動にはそれを目的とした意思が潜む。疑惑は小畑元市長以下の上層部に向けられるだろう。 5 市民の素直な感想として、大町の花壇は十分美観に役立っていた。 6 長木川公園に大町の花壇が不正に移されたことは、HHJの記事に対する反動の疑いがある。リヴァー・ユートピア構想は1993年5月10日発行の5月号に発表された。具体的な計画の[C]は、〈川をきれいにするだけでなく、花や樹木を川縁に植えて潤いのある美しい風景を作る。橋に花壇を作って花を飾る。〉6月14日発行の6月号には〈HOUR OF FLOWER〉という題で橋の上に花を飾るために必要な行政機関での手続きを書いた。大館市役所の蔀市開発課の回答は〈たとえ寄付であっても、占用料を取られる〉ということだったが、北秋田土木事務所土木管理課は〈美化運動の場合は占用科は要りません。申請して許可を得るだけでいい。〉同じ号のコラムには〈花壇芸術〉という題で大町に通じる坂の商店街田町が6月初めプランターに植えた花で歩道を飾ったことを取り上げた。〈店で売られているプラスチックの鉢は呆れるほど画一的なデザインだ。リヴァー・ユートピアで美的な鉢と花壇を製作しようとぼくはデッサンしてみた。〉 リヴァー・ユートピア関連記事と花壇移送という二つの事柄に含まれる特徴的な要素は、タイミングによって後者の一連の行為には前者の転移があることを明らかにする。大館市役所と大町商店街の関係者で、HHJの明白な読者は小畑元市長だった。大町はその頃楽器店〈ムジーク〉の潰れたライブ・ハウスの音響器材を別の場所で使うために奔走していた。県と市の補助金を得られなければ、5月に開設決定した大町ライブ・スポットの計画が挫折するために、故明石国昭理事長が市長や県議と何も取り引きをしなかったとしたら、大館のデモクラシーも立派なものだ。しかし、9月に は大舘橋上流側匂欄の大文字マーク塗装工事が始まった。直接にはリヴァー・ドキュメンタリーに対する嫌がらせであり、HHJは北秋田土木事務所の不正および大館市長以下の共犯者的な黙認を暴いた。大町商店街花壇の移送、大館橋大文字マーク塗装、大町ライブ・スポット開設、それらには大館市が関係して汚い役割を演じている。 長木川上流社会特派員 ダレナニ ★ |
大館市役所
MODE ACTUEL
MODE ACTUELLE
VOL.71 1999.12.15 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 狂った機械装置から 駄目な製品が 【地方自治法】 第1章1条…〈…地方公共団体における民主的にして能率的な行政の確保を図るとともに、地方公共団体の健全な発達を保障することを目的とする。〉 2条15項…〈地方公共団体は法令に違反してその事務を処理してはならない。〉 16項…〈前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。〉 第7章138条2項…〈(略)…事務を自らの判断と責任において誠実に管理し及び執行する義務を負う。〉 ★平成5年度大町商店街の花壇が大館市土木課改良係大高健一係長を通して、長木川公園の川縁に移送された。特派員は、その風景の変化をHHJの記事との関係で記憶している。とはいえ、法に反する行為を見せつけるような真似はやるまいと傍観していた。調べてみると、何となく奇妙な出来事はプロセスがすでに狂っていることが明らかになった。調子の狂った機械装置が駄目な製品を製造するのに似て。どこがどう悪いのか、分解を続ける。 移送の日付だが、大町商店街振興組合の理事会議事録は閲覧を拒否された。市への寄贈を決定した可能牲がある理事会の開催日について、山城久和元ライブ・スポット〈フェニックス〉支配人は〈6月なし。7月5日。それから10月…〉と答えた。当時の議事録は粗雑な記載だったと言い訳した。公園緑地係に任せなかった理由は、実行者を知られないためだっただろう。その時HHJが取材したら、公園緑地係は花壇移送の事実さえ知らなかったので、市役所の誰が関係したかを知るのは困難だ。大町の方はむろん疑問に答えない。特派員は回路の中を空しく回っていただろう。こういうシナリオが書けるのは、都市の裏通りにある《政治研究所》だろう。なぜ土木課改良係が実行したか?事務規定の〈大館市行政組織規則〉を見れば、なるほど、と思う。〈2 道路及び橋梁の新設及び改良並びに河川の改良に関すること。〉浅野允建設部長の話ではあくまでも市道と市の管理する河川の仕事で、大館橋補修事業には関与しなかったという。聞き飽きた科白だが、土木課管理係の項には〈3 国、県等直轄道路及び河川(他課に属するものを除く)の整備促進に関すること。〉とある。言い逃れはできまい。県と市町村は相互に連係してこそ、事業が可能なのだ。ついでに言うと、花壇が置かれた場所は管理者の県が護岸工事をしたブロックの上である。当時の中島係長は、県から河川敷を借りている大館市の占用区域がはっきりしないと答えた。公園緑地係で確かめたファックス送信の長木川公園地図でも、管理の境界は曖昧だ。北秋田土木事務所河川課では、護岸ブロックの斜面は県の管理で水平面は市の管理に任せている。花壇を水平面に置くときは公園緑地係が〈県に報告するべきことだ。〉それから、当時の明石国昭理事長は地元新聞と市広報広聴係に話して大町商店街の善行を世間に広めてもらえば、買い物客を再び引き寄せることができたはずなのである。だが、そういうことはしなかった!市民が新聞で知ったのは、大町ライブ・スポット開設計画の進行状況だけだった。 この問題について、HHJは大館市長小畑元に事実関係の究明を求める質問書を送った。12月定例議会までの回答を期待すると付け加えたが、黙殺されている。 長木川上流社会特派員 ダレナニ ★ |
VOL .75 2000.8.12 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 大町花壇24個が 長木川縁に棄てられた理由
☆住民監査請求〜全文掲載 1993(平成5)年7月初め大町商店街のコンクリート製の花壇24個が長木川公園に移され、川岸に雑然と積まれた。占用者の大館市は不思義なことに今もなおそれらを荒れるに任せて放って置いている。1999(平成11)年10月6日、花壇移設の担当者だった大館市土木課改良係長(当時)大高健一は、〈汚いし見づらいので、投げる、と大町商店街から話があった〉ので、長木川公園に置くよう指示した、と経緯を語った。 1 土木課改良係長は、大館市の事務決裁規定を無視して独断で大町商店街の〈寄贈を承諾した。大館市の行政組織規則に反して花壇移送の指示を出した。都市開発課公園緑地係を通じて文書による手続きを取ることを怠った。これは刑法が禁じる職権乱用である。 2 土木課改良係長の越権行為は、不法投棄の疑いがある。〈廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第16条 何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない。〉 3 小畑元市長は、花壇移設に関する事情聴取と事実関係の究明を求めるHHJの要望書(平成11年11月23日付け)を黙殺したが、これは地方自治法が定める管理および指揮監督の義務を怠る無責任な態度である。 4 長木川公園の大館橋・西大橋間に花壇が長年放置されていることに対して住民は苦情を述べたが、大館市は反省を示そうとしないどころか逆に住民を非難する。これは花壇移送がHHJの記事に対する反動的行為であるという疑いを強め、刑法の強要罪に該当する。 大館市と大町商店街は正規の手続きを経て花壇を適当な場所に移し、利用計画を立てることが望ましい。放置することは環境を悪化させるだけである。 監査請求期限の条項は、事実を知った日から1年以内なので適用されないと考える。なお、財産管理を怠る事実については適用されないというのが通説である。 関係職員等氏名 小畑元市長 土木課改良係(当時)大高健一 大館市監査委員 浜松和平、虻川久崇市議、田畑喜志雄 2000年7月26日 7月29日、大館市は長木川公園の問題の花壇を白鳥広場に移した。昼過ぎクレーン車を目撃して花壇を積む作業を撮影。ホクロク工業の社員の話では、大町から運んで来たときと同じく(株)イトウの下請けだということだ。 8月11日現在、監査委員事務局からは連賂がない。関係ないことだが、市役所に冷房装置があればいい、と職員と語り合った。今年の夏も!すると、〈決裁の字が間違ってますよ〉と指摘されて、どういう漢字か聞いた。答えるまでに長い数秒が書類の上を静かに重く流れて行った。 静かに重く流れて行った。静かに重く流れて行った。 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.76
2000.10.12 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 敗残の無法地帯 大館市 重圧に歪む ☆8月28日、長木川公園に放置された大町花壇に閑する住民監査請求の事情聴取が行なわれた。この事情聴取は普通なら意見陳述と呼ばれる段階だが、大館市が今年からその用語を使い始めたのは市の不正を責める住民を被疑者扱いにする嫌がらせと思える。監査委員の浜松代表がそういう意味の釈明をしたので、思い過ごしではない。 しかし、その用語で意見陳述への呼び出しを掛けることを止めない。この理由は、本質にとって取るに足りないような不正から徐々に核心部をも侵そうという狙いだろう。浜松和平代表は、関係者(大高健一)の話を聞いたこと、長木川河川敷公園で8月9日現地調査をしたことを述べた。花壇が他に移された後でだった。それについてHHJは、公園緑地係が規則にしたがって文書を作成したか、訊いた。無言。HHJは不正についての簡潔な説明をしてから、肝心な点を問いただした。地方自治法によれば、物品も財産であるが、花壇は物品でないと考えるか? 代表一財産であるかどうか…財産外… 浜松代表は苦いものを噛むように言った。地方自治法237条[財産の管理および処分]には、こうある。〈この法律において「財産」とは、公有財産、物品及び債権並びに基金をいう。〉HHJはその条項を想い出させて浜松代表に反論したが、代表は目を伏せて答えなかった。監査委員の虻川久崇市議が小畑元市長への要望書に興味を示して、回答を求める内容だったかどうか確認した。市議は明らかに動揺していた。彼の地元川口は虐殺された作家小林多喜二の生誕地である。そんな歴史を想い出させる表情だった。特派員は、こう付け加えた。《あの花壇が財産外だとすれば、闇から 闇へ運ばれたということになりますね。》 9月6日付けの監査結果通知書。要件審査の結果…却下。 理由/地方自治法第242条に定める住民監査請求は、当該地方公共団体の長もしくは委員会もしくは委員または職員について、財務会計上において具体的な違法もしくは不当な行為があると認められるときに求めるものであり、刑法による判断や市長などの管理および指揮監督の義務を怠る無責任な態度など、一般行政上の作用にまで及ぶものではないので、監査委員全員の一致した意見により、本件は地方自治法第242条が予定する住民監査請求にはなじまないものと判断する。 (参考事項) なお、不用物品とはいえ譲り受けた物については、寄贈者の気持ちを汲み明確な利用計画をたてて有効に活用すべきであり、長年にわたり放置同然の管理をしていたことは、長木川河川緑地の景観上および管理上からも支障があるため、早急に有効活用されるよう、関係課長に対して強く要望したことを申し添えます。 批判…《新地方自治法》によれば〔1〕、住民監査請求は〈違法・不当な具体的に特定した財務行為(@〜C)を対象にする。@公金支出、A財産の取得・管理・処分、B契約その他の債務負担、C税その他の公金徴収や財産管理を「怠る事実」につき監査および損害賠償や差止めなどの是正措置の請求をする。〉監査委員の判断の理由は住民監査請求の対象を〈財務会計上において〉と極めて狭く解釈して、財産の取得・管理・処分および財産管理を怠る事実を故意に除外している。浜松監査委員代表は、物品は〈財産外〉であるという地方自治法の規定に反する歪曲を押し通したわけである。 〈刑法による判断〉が〈一般行政上の作用〉であるというのは意味不明の文章だ。〈一般行政上の作用〉とは異様な言い回しで、役人が忠実に従うことを心掛ける前例があるなら、示してもらいたい。地方自治法242条の目的は住民自治の原則に従い財務行為の不正を正すことであって、刑法その他の法律の適用を禁ずると考えるのは荒唐無稽である。同様に市長の管理責任も財務行為に関係する場合なら問うことができる。想い出してほしい。平成9年農地転用事件の幕開けになったオンブズマンの会の住民監査請求は、〈農地法の主旨に反した意図的脱法行為〉〈再び繰り返されることのないよう最高責任者たる市長に厳に勧告されたい〉と糾弾した。浜松和平代表・田畑喜志雄・伊藤毅市議は監査を行ない、〈意見陳述〉と調査を実行した後で、違法性はなく市長への勧告も地方自治法になじまないという〈棄却〉の判断を下した。そのプロセスにごまかしはなかった。不適切な行為への〈意見書〉を、どの規則にあるのか、申し訳に添えたが。監査委員がHHJの非難を242条になじまないと本当に判断するなら、行政マニュアルにしたがって〈補正指導〉を行なうべきだっただろう。 移送費は税金から ☆9月13日、大館市都市開発課公園緑地係で大町花壇問題について小林誠志係長に質問した。 HHJ―長木川公園に7年間放置されている大町の花壇が7月末再移送されたが、ホクロク工業のクレーン車で運ぶ作業をしている人に聞いたら、建設会社イトウの下請けでやってるということだった。再移送に関する文書はあるか? 小林係長―ない。口頭でやった。 HHJ―そういうやり方が正しいと思うか? 小林係長―それは分からない。 HHJ―物品を寄贈されれば、ちゃんとその文書を作るのが規則ではないか? 小林係長―そうだと思っている。 HHJ―再移送した理由は何か? 小林係長―去年(HHJに)言われたから。市の誰かに指示されたのではない。 HHJ―再移送の前にHHJは花壇に関する住民監査請求をしているので、当然それがきっかけになったと考えていたが… 小林係長―それとは関係がない。 9月25日、重要な質問をぶつけた。移送費用はどこが出したのか? 小林係長―市から出した。こちらからお願いしたので。 移送費は《10万は行ってない》という返事だ。HHJが花壇擬惑の記事を書いたことを小林係長は知っていたが、その事実は誰から聞いたのか? 9月27日、花壇再移送の関連文書すべての情報公開請求をした。支出負担伺い、担当聴員の言う〈伝票〉など。16日に開示するという通知が無事に届いた。ちょっとした悪戯の後始末で7年も苦労するとは、因果なことである。 運の尽きである 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ 1
兼子仁 著 岩波新書 |
VOL.77
2000.12.12 ☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 HHJ、前代未聞の告訴状を提出 ☆11月2日、秋田地区検察庁に告訴状を送った。 1993(平成5)年7月初め大町商店街のコンクリート製の花壇24個が長木川公園に移され、川岸に雑然と積まれた。占用者の大館市は不思義なことに今もなお(平成12年7月現在)それらを荒れるに任せて放って置いている。平成11年10月6日、花壇移設の担当者だった大館市土木課改良係長(当時)大高健一に訊くと、大高は〈汚いし見づらいので、投げる、と大町商店街から話があった〉ので、長木川公園に置くよう指示したと経緯を語った。 1 しかし、土木課改良係長は、大館市の事務決裁規定を無視して独断で大町商店街の〈寄贈〉を承諾した。大館市の行政組織規則に反して花壇移送の指示を大町商店街振興組合に出した。都市開発課公園緑地係を通じて文書による手続きを取ることを怠った。これは刑法が禁じる職権乱用である。 2 土木課改良係長の越権行為は、不法投棄の疑いがある。 不正を犯した本人が翌年4月から2年間公園緑地係長になったことは、不正の発覚を未然に防ぐために都合が良く、大高健一の異動にはそれを目的とした意思が潜む。疑惑は小畑元市長以下の上層部に向けられるだろう。 ところで、小畑元市長は花壇移設に関する事情聴取と事実関係の究明を求めるHHJの平成11年11月23日付け要望書を黙殺した。地方自治法が定める管理および指揮監督の義務からすれば、職員の不誠実な行為を知らされながら放任して回答しなかったのは嫌疑を受けるに十分である。これは93年9月に実施された県事業大館橋匂欄マーク塗装工事においても、大館市土木課浅野允課長補佐と小畑市長が予算承認も大館市との事前協議もない北秋田土木事務所(薄葉茂課長補佐)独断の工事をHHJの批判にもかかわらず黙認していたことと同一の反応である。 HHJは、この問題について2000年7月26日付けで住民監査請求した。しかし、監査委員は地方自治法の財産規定を無視して、花壇は財産外であるという理由で要件審査の段階で却下した。HHJは予防的に財産規定を監査委員に想起させていたので、それを踏み倒すような結論には裏の圧力が感じられる。 3 こうして大舘市が最後まで反省の意思を表わすことを拒絶したことは、花壇移送がHHJの記事に対する大館市の反動的行為で刑法の強要罪に該当するという疑いを客観的に正当化するものである。(この詳細についてはHHJ70号記事を参照してほしい。) ☆12月4日、告訴状の扱いについて秋田地検の事務官に電話で現在の状況を聞いた。 ―不法投棄の時効は3年なんですよ。時効は知ってますね? 時効に引っかかるとは思わなかった。それについては、7年間放置していたことが重要で、花壇移送の行為があった日から計算するのではなく不正な手続きで引き起こされた事実の持続期間を考慮するべきだ、と反論した。例えば、有害物質を庭に捨てられた場合はその計算では不合理だ。事実の持続期間とは、言い換えれば、その状態が続いた期間である。 ―強要罪について具体的に書かれていない。 特派員は参考書類のHHJ記事にそって話した。大町商店街の花壇24個をこっそり大館市が長木川公園に移すよう命令したことには、どんな背景があったか?HHJは橋の上や川べりに花を飾るリヴァー・ユートピア運動の記事を出していた。それとのタイミングから見て、〈花壇をいっぱいくれてやるから、それに花を植えろ〉という意思が込められている、と。大高健一の〈そっちがやればいいじゃないか〉という言葉はそれを裏打ちする。聞いたことのない性質の犯罪だが、既成の観念に囚われないで現代社会の一断面を表わすものと真摯に考えなければいけない。それにしても、1か月過ぎてまだ検察官に告訴状が回されていないのは、不自然ではないか?告発状や告訴状は必ず事務官を通して検察官に送られる仕組みだ、ということを念のため確認した。しかし、事務官は名前を答えようとしなかった。 ☆ 大館市議会の無責任さ ☆6月定例議会の前に、地元市町村で行なわれる県事業文書が不存在だという大館市土木課の回答とそれに対する異義申し立てが情報審査会で棄却されたことへのアンケートを大館市議会各会派に送った。平成会・新政会・新風クラブ・社民クラブ.・公明党・共産党は黙殺した。読者に分かりにくい質問もあるが、一応掲載する。 A HHJ4月号の記事〈情報公開事務を裁く〉を読んで、[1]の批判についてどう考えるか? B 同記事を読んで、[2]の地方自治法違反の解釈についてどう考えるか? C 監査委員の曖昧な結論を見ると公文書は財産でないと考えているようだが、地方自治法237条の財産の定義には物品が含まれる。市議会にとっても重要な問題なので、質問しますが、公文書は財産でないと思うか? D 記事〈情報公開条例の施行の醜悪な裏側〉にあるとおり、大館市は文書取扱規程を99年3月31日一般市民に知らせないで改悪した。それが狡猾だと思うのは5年保存の範囲が狭められて1年で廃棄処分にできる文書が増えたことです。地方自治法が定めた住民監査請求などの民主主義的な制度を維持するためにはこの保存期間は短かすぎると思わないか? 世界が大館に注目する! 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.79 2001 .4.14 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 〈市当局の要望だった〉 大館橋大文字マーク塗装問題の概略と要点 ☆1993(平成5)年9月3日北秋田土木事務所が入札発注した。阿部塗装店が請け負う。事業費は予算化されていなかったので、橋梁新設改良費から約70万円流用した。県土木部道路維持課によれば、応急処置の場合でも道路維持課に文書で状況報告を付けて許可を得なければならない。しかし、北秋田土木事務所はその手続きをしないで独断で事業計画を進め、10月10日工事が終了した。 *マーク計画の発端についての発言・・・ 担当者猿田明善主査:〈(補修事業を始めた下流側との)バランスが取れないという批判があった。市当局の要望だったと思うが、記憶は定かでない。〉 担当者薄葉茂課長補佐:〈土木事務所の判断でやった。大文字焼きマークは自分で発想したように思う。〉 *大館市への事業実施通知についての発言… 猿田明善主査:〈あらかじめ建設部の課長祷佐に話をした。7月か8月。〉 薄葉茂課長祷佐:〈記憶がはっきりしないが、会議の席上か何かのついでに課長補佐に話した。〉 大館市土木課浅野允課長補佐:〈通知はなかった〉〈規則違反でないので、何も言えなかった。〉 地方自治法219条は予算の要領の公開を定めているので、市町村の行政機関は地元で行なわれる県事業について事前に知っているはずである。だが、95年12月浅野課長補佐と福原淳前市議と北秋田土木事務所の3者会談では、(事務所・市役所間の連絡はあくまでも県側の好意的配慮であり、義務ではない)という点で一致を見た。 *大文字マーク7個の塗装を知った時期は?… 浅野允課長補佐:〈工事終了後たまたま車で橋を獲ったとき、初めて見た。〉 *93年9月4日付けの北鹿新聞は3日の入札として大館橋マーク塗装工事を掲載していた。仕事の関係上入札記事は見ないか?… 浅野允課長補佐:〈見ない。県の仕事だから。〉 入札は北秋田土木事務所から市役所の記者クラブに通知が届けられて、記事になる。北秋田土木事務所は大館市で行なう事業内容についてあらかじめ関係課に情報を伝えていた可能性は濃い。浅野允課長補佐の発言は疑わしい。97年7月その疑問に関するHHJの質問に対して、北秋田土木事務所の阿部宗太郎総務課長はアトリエを訪れて〈要望段階で、事業一覧が公表される〉と枠組みを変える発言をした。同席した浅野課長補佐は、それについて〈ノー・コメントです〉と逃げた。地方自治法2条は県と市町村が計画段階から協議を重ねて事業を進めることを定めている。第2条6項は、市町村を包括する広域の地方公共団体(県)の事務処理の範軌こついて具体的に例示して、〈広域にわたるもの、統一的な処理を必要とするもの、市町村に関する連格調整に関するもの〉と規定する。したがって、県と市町村は事業の構想から緊密に連係する。県予算の編成の前に、関係課は事業の内容と概算額を当然把握している。大館市土木課は、市内で実施される予定の県事業について平成5年度の当初予算案が県議会に内示される前に知っていて、大館橋マーク塗装工事が不正なプロセスで行なわれたことを認識できた。98年8月、浅野允建設部長はそれについて〈県の事業について、大館市に係わる事業については全体額は分かるが、一本一本の路線の工事費、金額まではどうなっているのか、私としては分かりません。/文書で私の方に、今年こういうものをやりますよ、とは一切来ないんです〉と答えた。しかし、小さい事業は個別に関係課に伝達されるという市職員の証言を聞かせると、〈こちらで出かけて行って書き写すんです〉と前言を翻して、地元で行なわれる県事業が詳細に記された公文書の存在を認めた。99年11月、HHJはそれに該当する公文書の情報公開請求をしたが、土木課は不存在という理由で拒否した。HHJの異議申し立てに対して情報審査会(伊藤治兵衛会長)は2000年1月請求対象に該当する土木課文書の不開示決定を〈適法かつ妥当である〉と結論した。地方自治法219条は市町村に係わる県事業文書の送付を定めていないという理由で。2月HHJは県道大館十和田湖線改築事業雪沢工区の関係文書の情報公開請求をした。土木課は県事業関係文書の不存在を広言したばかりなので、嫌々公共事業調書と公共事業一覧表を開示した。この平成11年度公文書は6月初め北秋田土木事務所の管内市町村建設担当部課長会議で配られた。 ところで、大館市は平成7(1995)年から国・県・市が実施する事業の概要パンフレットを作成して、各町内会長に毎年6月頃配布している。公共事業一覧表に記載された事業で概要パンフレットには載っていない事業がいくつかあることは、そのパンフレットが他の土木課保有文書に基づいて作られた証拠である。パンフレットを作成する企画調整課の斎藤誠課長補佐は、その推論が間違いでないことを確証するように2001年2月作成のプロセスをこう語った。〈4月に県事業の〈冊子〉ができる。市町村への送付は確実でない。しかし、冊子が欲しいと頼めば、市関係課に郵送で届けてくれる。内容は予算額・事業箇所・施行内容。事業の箇所名は3月に把握できる。 4月初めに各部局の事業を企画調整課が収集する。〉 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.81 2001 .8.14 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 職務怠慢という名の謀略 大町花壇24個を長木川公園に移した問題の告訴 その後 ☆7月13日、大館簡易裁判所内にある検察審査会の伊多波弘一事務局長に会った。去年の11月秋田地検に送った告訴状の処分決定通知および理由説明文曹がいつまでも出されないが、検察審査会はその文書がなくても審査申し立てを受け付けるか、と訊いた。 ―審査の申し立てには必ずしも文書を必要としない。しかし、秋田地検への告訴状だから、管轄は秋田市にある審査会の方だ。 これはラッキーだと思った。審査申立書を一枚送れば、検察審査会は秋田地検に状況を問い合わせり調査したりするということである。 最高裁判所事務総局のパンフレットによれば、検察審査員11人は市町村の選挙管理委員会が選挙人名簿に基づいてくじで候補者を選び、その中から審査会事務局長が再びくじで決める。人間のエゴが入る余地のないルソー的な公平さだ。任期6か月で、氏名は公表されない。しかし、大館市では簡単に氏名が暴かれてしまう恐れがある。審査員が安全に中立の立場に立ち続けるのは難しい。これは裁判員制度でも問題になることだろう。検察審査会の仕事は、犯罪の被害者や告訴・告発をした人から検察官の不起訴処分を不服として審査会に申し立てがあるとき、あるいは申し立てがなくても進んで不起訴事件を取り上げて、事件の記録を調べたり証人を呼んだり実地検分をしたりする。審査の結果、さらに詳しく捜査するべきである(不起訴不当)とか起訴するべきである(起訴相当)と議決されれば、検察官はそれを参考に事件を再検討しなければならない。民主主義的な制度が正しく機能するかどうかは、もちろん個人の意思に掛かっている。 7月16日付けで審査申立書を郵送すると、18日付けで秋田検察審査会から書留が送られてきた。〈申立書によりますと、告訴された事件につきましては、まだ検察庁から処分の決定通知のないことが窺われ、当該告訴事件は、現在も取り調べ中と推測されるところです。〉〈制度の趣旨からしても、このたびのような場合は、審査の対象とすべき不起訴処分が存在していないため、審査申し立てを受理しましても審査ができない旨の処理となります。〉 大館検察審査会の事務局長に、その文書と審査申立書を見せた。 ―古い申立書用紙を上げて申し訳ない。不起訴でないと、受け付けられないと言いませんでしたか?私の方からは、これが正しいとか正しくないとかは、言えません。 職務怠慢という名の謀略 ☆HHJは、秋田地検の事務官と検察官が刑事訴訟法に定められた義務の遂行を怠っていると考えざるをえない。ジャーナリズムの取材や告訴人の問い合わせに対して、取り調べ中だと告げられない理由はないからだ。そして、職務怠慢は1993年から始まったリヴァー・ユートピア妨害工作に共通する手段だからだ。改めてその様相を取り出してみる。 1 大町花壇24個の移送 1993年7月頃 □大館市土木課土地改良係(当時) 大高健一係長…規則によれば、花壇を長木川公園に寄付する場合は都市開発課公園緑地係の担当であるが、大高健一は大町商店街振興組合から〈寄贈〉の申し出を受けたとき、その旨を公園緑地係に伝えることを怠り、大館市が寄付受付け記録を作成保管することを妨害した。そして、大町商店街花壇24個を長木川公園に移送するように振興組合の故明石国昭理事長か他の者に指示した。花壇などの恒久的な物体を護岸ブロックの水平面に置く場合は北秋田建設事務所河川課に報告しなければならないが、それを怠った。長木川は秋田県の管理で、護岸ブロックの水平面は公園占用者の大館市が管理を任せられている。 □同市開発課公園緑地係 中島貞雄係長…移送後8月か9月には長木川公園縁に花壇24個が存在することに気づく機会があったが、異変を上司に報告して事実関係を確認することを怠った。 2 大館橋勾欄大文字マーク塗装工事 1993年7月〜10月 □北秋田土木(現建設)事務所道路維持課 薄葉茂課長補佐…‥・橋の上流側勾欄に大文字マークを7個塗装する事業は、あらかじめ予算化されていなかった。なぜか急に思いつかれた計画だが、担当者は実施に際して県庁の土木部本課に状況報告を送って許可を得ることを怠った。この怠慢は不注意な過失ではなく、テロ行為に等しい。というのも、下流側で国の補助事業である補修工事が行なわれているとき、県が自主財源で関連する事業をする場合は道路法が定める追加変更に当たり、県議会の承認と建設省の許可が必要になるからである。それを待ってマーク塗装を始めることは、米代川ドキュメンタリー完成予定に合わせた妨害工作のタイミングが許さなかっただろう。 □北秋田土木(現建設)事務所 小田内富雄所長…上記の怠慢を監督する義務を怠った。さらに、その事業が道路法違反の疑いがあると認識することを怠り、地方自治法を尊重した大館市との協義を怠り、独断で橋梁新設改良費から約70万円の予算を流用するように支出命令書に捺印した。 □北秋田総合庁舎企画振興室(現県民生活室)次長 工藤貴美…支出命令書の内容が法規に反しないかどうか、チェックすることを怠った。 □大館市建設部土木課 浅野允課長補佐…証言では、塗装工事の終了後大文字マークが大館橋に付いたことに気づいた。実際は、薄葉茂課長補佐から事前にマーク塗装工事の実施について規則どおり連絡を受けていたと思われる。しかし、その事業が法規に反しないかどうか確認することを怠り、上司に報告する義務を怠った。 □同市 小畑元市長…毎月送付されるHHJの記事で大館橋の奇妙なマーク塗装工事を知りながら、憲法で保障された地方自治の実体を県が専重しなかったことを黙認して、自治体の管理責任と義務の遂行を怠った。 罰するほどではないと思われがちな職務怠慢も、こう続くと、完全犯罪に近い。上に挙げた閑係者らがなぜ職務を忠実に果たそうとしなかったか?仮装的な計画の実現に必要不可欠だったからだろうと考えれば、約得が行く。公園緑地係を除けば、一人一人が自分の役割を認識していた。行為の結果がどうなるかということも知っていた。誰かが大館橋からぶら下がるだろう、と… 大建設の集団ぶら下がり 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.82 2001.10.12
☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 これは国家機関か、謀略機関か? ☆HHJは、9月19日大館市による大町商店街花壇の不正な長木川公園移送問題について秋田地検の有田知徳検事正に次のような要望書を送った。 2000年11月、秋田地検に告訴状を送付しましたが、その結果が依然として通知されません。担当事務官松森の電話での応答によれば、すでに処分の結果が出ているはずです。職務怠慢なら、民主主義と法の秩序を舞台裏で暗殺するような卑劣な行ないの共犯だと言えましょう。法の番人である者たちが正義のために戦わなければ、日本の見せかけの秩序は保てるが、その反対に国際社会は迷惑する。ニューヨークとワシントンにおけるハイジャック自殺攻撃を想い出してもらいたい。ブッシュ大統領は〈テロリストと彼らをかくまう勢力を区別しない〉と決意を語った。あなた方が黙々と真実に毒を盛る作業を手伝うとすれば、もはや国家機関ではなく謀略棟閑である。アメリカに日本の法制度をも守ってもらいたいと調子よく願うのでなければ、法が定めた義務を自らの意思で果たすべきでしょう。 ---(全文) ☆ これに続く重要記事 |
VOL.83 2001.12.15 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 HHJ、検察官の弁明を聞く ☆10月25日、秋田地検から処分通知書が送られてきた。19日に有田知徳検事正宛に檄文を飛ばしてから5日後。大町商店街の花壇24個を大館市職員が不正に長木川公園に移送させたことへの告訴は、大塚隆治検察官検事が処分を担当して、不起訴と決定した。〈1被疑者 大高健一 2罪名 公務員職権濫用、廃棄物の処理及び政争に関する法律違反〉処分の日は10月24日。告発としている理由と強要罪が入っていない理由は、処分理由の請求とともに後で問い合わせることにした。HHJは地検のその処分に対して異議を唱える意思はなく、半分自衛のためにちょうど同じ頃この問題で森山眞弓法務大臣に宛てた要望書を書き上げていたので、HHJの記事と処分通知書のコピーを同封して霞ヶ閑の法務省大臣官房に送った。〈21世紀の民主主義社会の在り方を方向付ける新しい司法制度案が、去年公表されました。今までの反省を活かした開放的なシステムだと評価しています。しかし、個人が良識を忘れてそのシステムを民主的に働かせる努力を怠れば、結果は恐るべきものになると歴史が証明しています。ハーフ アンド ハーフ ジャーナルという小雑誌の編集長として、ぼくは秋田県のそういう特徴的な例を同封の記事で報告します。国のヒエラルキーの最上部で仕事をしている人が、それを読んで何も考えさせられない、何もする意欲が起こらない、ということはあってはならないでしょう。司法への干渉と非難されない範囲内で法律的に可能なことをしてほしいと思います。〉司法とは一般に裁判所のことだが、それに係わる検事を含める場合もある。いずれにしても、内閣や法務省という行政機関からは独立していなければならない。HHJは、ついでに北秋田地方の選出衆議院議員野呂田芳成と参議院議員金田勝年に宛てて議員会館に、明るい秋田のために発言してほしいという内容の要望書とHHJ記事を送った。〈秋田県民を代表して国の立法機関で国際社会と日本の社会全体に責任を負う政治家が、足元で起きている奇怪な出来事を読んで何も考えさせられない、正義感も湧かない、ということはあってはならないでしょう。〉3通とも何らかの回答を求めたが、今のところ郵便物は来ない。元防衛庁長官の野呂田が発言しないのは、世界平和と民主主義に対する傲慢な裏切りである。イベント屋のような政治家は、必要がない。 11月14日、処分理由の請求を含めた要望書を大塚検察官に送った。16日、確認事項があるという通知が来て、電話で畠山事務官と話をした。処分理由は文書で出すが、質問については秋田地検に来れば大塚検察官が話すという。交通費が惜しいと答えると、大塚が大館支部に出向くと意外な提案が返ってきた。後で地検が言うとおり12月7日13時に会うことに決めた。処分理由告知書は27日届いた。時効完成の他は何も述べられていない。 12月7日という日付は、聴覚を通って脳の化学伝達物質をかなり乱した。今までとは全然違う一日。編集長は、信号機を眺めて国家と似たようなメカニスムでありながら明確なメッセージを送る、と思った。 大塚検察官は、強要罪が通知書に記されていない理由についてこう言った。 ―事実が特定できない。(刑法223条を読み上げ)告訴として受理されなかった。 刑法223条とは、〈生命、身体、自由、名誉、若しくは財産に対して害を加える〉恐れがあるとして脅迫や暴行の手段で人に義務のないことを行なわせたり行為の権利を妨害することである。強要罪を受理しなかったのは、HHJが考えたように時効計算の解釈によっては起訴が可能だからだろう。 処分の遅延理由については予想したとおりだった。大塚検察官が松森事務官から告訴状を受け取ったのは、 ―10月24日頃…(後で訂正して)10月5日だった。 告訴状はそれまで松森昌宏事務官が持っていたのか? ―松森が持っていた… 大家検察官が秋田地検に来たのはいつか? ―今年4月。 前任検察官の名前を聞くと、迷っていた。松森事務官は前任の検察官に告訴状を渡したということも、考えられる。その検察官はどんな理由で担当を外されたのか?正義漢だったか、悪党だったか?大塚検察官は関係文書に目を通してから、言った。 ―地検で書類を見てから回答する。 事務官のいわば職務怠慢は何らかの処罰の対象になるはずだが、内部で問題にされたか?あるいは、問題にされているか? ―いや、そういうことはない。 政治的な圧力があったのではないか? ―どうしてそう考えるのか? 編集長の70年前後の経験や現在の状況から当然湧き上がる疑惑である。40代前半と思える検察官はただ黙って聞いていた。質問に対する質問はそれ一度だけだが、そこが秘密の扉と言っていい。編集長は処分決定が遅れた理由を確認した。 ―事件の数が多い。(何か自問するような言い方で)犯罪捜査を始めるかどうか、考えた。処分手続きを早めにやった方がよかったかな?事務官の事務処理の遅れは、各人の能力による。 処分決定は大塚検察官一人の担当か? ―そう。決済は上司(有田検事正)が… 有田検事正への要望書が事態のこういう急な変化の触媒になったか?それを聞いてみると、大塚検察官は自分は手紙を見ていないと答えた。次第に苦しげな内面をのぞかせたが、言い換えれば秋田地検と国家権力の内部だろう。 □□□ 大館市役所と地検の謎について、小畑市長はどう考えるか? ☆10月23日、小畑元市長に質問書を送った。 平成12年7月26日、HHJは次のような住民監査請求書を提出しました。[同封の75号記事参照]。この中で特に問題になるのは、市長が花壇移設に関する事情聴取と事実関係の究明を求めるHHJの要望書(平成11年11月23日付け)を黙殺して回答しなかった事実である。これは、地方自治法が定める自治体の長の管理および指揮監督の義務を怠ることに他ならない。 1 市長自身の意思に基づくとすれば無責任であり、裏側で不正の指揮監督をしていた疑いを生じさせる。それについて市長はどう考えるか? 2 トップ・リーダーの本意でないとすれば、市民の代表としての資格を疑われる。いずれにしても、この大町花壇問題における市の関係職員と市長のさまざまな行為が明らかにしたのは、小畑元市長はもはや行政管理能力がないということである。市長は、行政機関内部でさえリーダー・シップを発揮できない自治体の長を適格者と認めるか? 3 平成12年11月大町花壇の長木川公園への不正移送について、HHJは秋田地検に告訴状を送付した。その結果が1年近く経っても告訴人に通知されないのは、異例のことである。市長が民主主義的に公正な対応をしていれば、市民が訳の分からない《未確認物体》に不安を感じることはなかったと思われるだけに、行政当局の責任は花壇放置の年月に比例して重い。市長は、そこには環境汚染に等しい様相があるという厳しい認識を持ち市議会で積極的な疑惑の解明に乗り出すか、マス・メディアを通してHHJに反論するかして、市民の不信と暗鬱さを晴らすべきではないか? 4 この問穎について考えるとき、市長がリヴァー・ユートピアという自然環境保護活動の構想にどんな感情や意見を持っていたかが重要な鍵になると思うが、それについて述べてほしい。 これも回答がない。代わりに11月28日付けで都市開発課経由の間接的な回答があった。〈今回、長谷川さんのご指摘についてはこれまで担当者からご説明を申し上げて参りましたが、書面にて回答がなかったことについて深くお詫び申し上げます。/当時、大町商店街より大町の歩道にあるフラワーボックスを長木川河川緑地で利用できないか問い合わせがあり、市で活用できるものと考え、…(略)…当時長木川河川敷は公園事業の整備中であったこともあり、残ったフラワーボックスの利用場所を検討する間と思い仮置き状態となりました。…(略)…一時仮置きの期間が長く公園景観上好ましくなかったものと思います。…(略)) 大町から問い合わせがあったと事実に反する言い訳をするのは、不正を犯した大高健一を庇うことである。この執念には呆れる。花壇を置いた場所は、すでに整備を終えていた。花壇の放置はただ公園の景観を損ねたという甘い批判は一度もしていない。ボールを相手に投げたら、糞小便を撒かれたような回答書だ。〈お詫び〉という言葉があっても、許せる内容ではない。市役所に日光を入れるために、どれほど多くの建物を潰したか?地検の状況を読んで、疑惑の渦中にある市長が相変わらず管理者の義務と責任を果たそうとしないなら、愚かで残酷な人間という他はないだろう。 農地転用事件で小畑市長は農業委員会の長を勤めていた。しかし、農地法違反の認識があったと地検が立証できなかったために、起訴を免れた。認識のなさを無罪の根拠に使えるのは、日本の社会が個人を容認しない自然的な法(ノモス)を現代でもなお維持していることに原因がある。個人として存在しない人間に、思考や認識を求めるのは難しい。古代ギリシア社会では、個人として生きる人間になることがテーマだった。違法行為の認識がないのは、有罪である。その伝統は西洋社会に受けつがれているが、日本人は反対に愚かさの中に逃げ込むことを寛大に見る。少なくとも政治家と公務員は例外にしなければいけない。 注;司法機関とは裁判所のことである。 検察庁は行政機関である。 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ |
VOL.85 2002.4.14 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 日本の民主主義に責任を持て ☆花壇問題を考えると、日本の民主主義は花も実もなかったということがよく分かる。もう一度振り返ってみると、1993年(平成5)7月大町商店街の花壇24個が長木川公園に突然移された。それを指示した大館市土木課の大高健一によれば、大町商店街から寄贈の申し出があったが、しかし、彼は寄贈を受け付ける手続きを取らないで文書を残さなかった。長木川公園は都市開発課公園緑地係の所管であり、土木課が勝手に指示する権限はない。その二つの理由から法律的にはこの行為は不法投棄に該当した。 地方自治法2条は、地方行政の基本原則を定めている。〈法令に違反してその事務を処理してはならない。〉そして、〈前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。〉したがって、大館市は寄贈を受け付ける文書を作成して正式に花壇を大館市の公有財産としなければならない。しかし、HHJが住民監査請求で不正を告発すると、慌てて都市開発課は建設会社イトウに委託して公費で花壇を再移送させた。小畑元市長は7年間長木川縁に大町花壇を放置しておいたことを〈仮り置き〉とHHJに弁明したが、その理由については依然として沈黙している。HHJは馬鹿馬鹿しさに付き合って、その理由は強要罪の疑いがあると秋田地検に告発した。強要の被害者はおそらく寄贈を強いられた大町商店街でもあるはずだ。時効完成で終わったとはいえ、大館市の管理責任者である小畑市長は秋田地検と法務省に飛び火した迷惑なこの問題について発言する義務がある。平成11年11月HHJが要望した事情聴取などの内部調査を実行しなかった市長の過ちは、風邪をこじらせて肺炎にしてしまったようなものである。市議会も黙っているべきではない。市長自身の関与を含めて真相解明に取り掛かるべきだろう。
民主主義という観念さえもない 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ 右遠方に大館橋が見える 雑草に埋もれた花壇
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VOL.86 2002.7.1 ☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 地方自冶法の軽視に厳しい視線を ☆6月4日午後4時半、HHJは大館市監査委員事務局(鳥潟絢事務局長)に住民監査請求書を提出した。全文を載せる。 大町商店街の花壇24個が長木川河川敷公園に不正移送された問題で、花壇の原状回復と公費の返還を求める。 1993(平成5)年7月大町商店街の花壇24個が長木川公園に突然移された。それを指示した大館市土木課改良係大高健一(当時)によれば、大町商店街から〈寄贈〉の申し出があった。しかし、大館市の事務決裁規定にしたがえば、係長の独断で寄贈を承諾することはできない。行政組織規則にしたがえば、長木川公園は都市開発課公園緑地係の所管であり、土木課が勝手に花壇の移送を指示する権限はない。 地方自冶法第2条は地方行政の原則を定めている。〈法令に違反してその事務を処理してはならない。〉〈前項の規定に違反して行なった地方公共団体の行為は、これを無効とする。〉誠実に問題を処理するなら、HHJが1999年11月要望したように小畑元市長は事情聴取と事実関係の究明に努め、公式に大町花壇を大館市の財産とする手続きを取らなければならないはずだが、そうしなかった。HHJが2000(平成12)年7月住民監査請求で告発すると、大館市は慌てて証拠を隠そうとするかのように建設会社イトウに委託して〈財産外〉の花壇を公費で長木川公園の上流に再び移した。これは明らかに地方自冶法違反である。使用された公費95,550円の返還と大町花壇の原状回復を求める。 正当な理由があるので、請求期限後でも要件を満たしていると考える。 関係職員等氏名 大館市長小畑元 土木課改良係大高健一 住民監査請求者 長谷川喜作 乳井治道 石垣昇 監査委員 浜松和平 田畑喜志雄 石田雅男(大館市議会議員) ☆ 長木川上流社会特派員 ダレナニ |
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