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HHJ
☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated 2004.6.19
世界の片隅で 概略 6
新種の環境汚染を訴える 住民監査 A ☆2000年7月26日、HHJは大町花壇の長木川公園への不正移送を告発する住民監査を請求した。 1 土木課改良係長は、大館市の事務決裁規定を無視して独断で大町商店街の〈寄贈を承諾した。大館市の行政組織規則に反して花壇移送の指示を出した。都市開発課公園緑地係を通じて文書による手続きを取ることを怠った。これは刑法が禁じる職権乱用である。 2 土木課改良係長の越権行為は、不法投棄の疑いがある。〈廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第16条 何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない。〉 3 小畑元市長は、花壇移設に関する事情聴取と事実関係の究明を求めるHHJの要望書(平成11年11月23日付け)を黙殺したが、これは地方自治法が定める管理および指揮監督の義務を怠る無責任な態度である。 4 長木川公園の大館橋・西大橋間に花壇が長年放置されていることに対して住民は苦情を述べたが、大館市は反省を示そうとしないどころか逆に住民を非難する。これは花壇移送がHHJの記事に対する反動的行為であるという疑いを強め、刑法の強要罪に該当する。 大館市と大町商店街は正規の手続きを経て花壇を適当な場所に移し、利用計画を立てることが望ましい。放置することは環境を悪化させるだけである。 監査請求期限の条項は、事実を知った日から1年以内なので適用されないと考える。なお、財産管理を怠る事実については適用されないというのが通説である。 関係職員等氏名 市長 小畑元 土木課改良係(当時)大高健一 大館市監査委員 浜松和平、虻川久崇市議、田畑喜志雄 7月29日、都市開発課公園緑地係は長木川公園の問題の花壇を白鳥広場に移した。HHJは昼過ぎクレーン車を目撃して花壇を積む作業を撮影した。法律上は市の所有物でないが、再移送の費用は大館市が出した。 小林誠志係長―10万は行ってない。
B ☆8月28日、住民監査請求の事情聴取が行なわれた。この事情聴取は普通なら意見陳述と呼ばれる段階だが、大館市が2000年から勝手にその用語を使い始めたのは市の不正を責める住民を被疑者扱いにする嫌がらせだった。浜松和平代表はその言い訳をしてから、関係者(大高健一)の話を聞いたこと、花壇が他に移された後で長木川河川敷公園で8月9日現地調査をしたことを述べた。HHJは監査を求める理由を説明して、重要な質問をした。地方自治法によれば、物品も財産であるが、花壇は物品でないと考えるか? 浜松代表―財産であるかどうか…財産外… 地方自治法237条[財産の管理および処分]はこう財産を規定している、〈公有財産、物品及び債権並びに基金〉HHJはその条項を想い出させて浜松代表に反論したが、彼は答えなかった。 この日、脳梗塞で療養中の父秀之が県福祉施設〈つくし苑〉にショート・ステイに行った。NHK美術部員のジャニー・アンダーソンが急死した日と同じ日付が選ばれたことに不吉な予感はなかった。しかし、父は30日急に容態が悪くなって労災病院で夕方息を引き取った。 9月6日付けの監査結果は却下だった。その理由は、〈地方自治法第242条に定める住民監査請求は、当該地方公共団体の長もしくは委員会もしくは委員または職員について、財務会計上において具体的な違法もしくは不当な行為があると認められるときに求めるものであり、刑法による判断や市長などの管理および指揮監督の義務を怠る無責任な態度など、一般行政上の作用にまで及ぶものではないので、監査委員全員の一致した意見により、本件は地方自治法第242条が予定する住民監査請求にはなじまないものと判断する。〉 〈不当な行為があると認められるときに〉というのは、間違いである。不正かどうか決定するのは、住民監査だからである。《新地方自治法》によれば〔1〕、住民監査請求は〈違法・不当な具体的に特定した財務行為を対象にする。公金支出、財産の取得・管理・処分、契約その他の債務負担、税その他の公金徴収や財産管理を「怠る事実」につき監査および損害賠償や差止めなどの是正措置の請求をする。〉監査委員の判断の理由は住民監査請求の対象を〈財務会計上において〉ときわめて狭く解釈して、財産の取得・管理・処分および財産管理を怠る事実を故意に除外している。監査委員は、物品は〈財産外〉であるという地方自治法の規定に反する歪曲を最後まで押し通した。この理屈で行けば、公文書も財産でなく、平成7年度都市開発費の実績報告書の例でのように行政機関が勝手に廃棄処分しても、市民が住民監査で調査を要求したり責任を問うのは不可能である。 地方自治法242条の目的は住民自治の原則に従い財務行為の不正を正すことであって、刑法その他の法律の適用を禁ずると考えるのは荒唐無稽である。市長の管理責任も財務行為に関係する場合なら問うことができる。平成9(1997)年農地転用事件の幕開けになったオンブズマンの会の住民監査請求は、〈農地法の主旨に反した意図的脱法行為〉〈再び繰り返されることのないよう最高責任者たる市長に厳に勧告されたい〉と糾弾した。浜松和平代表・田畑喜志雄・伊藤毅市議は監査を行ない、〈意見陳述〉と調査を実行した後で、違法性はなく市長への勧告も地方自治法になじまないという〈棄却〉の判断を下した。少なくともそのプロセスにごまかしはなかった。 花壇の住民監査で予期しない成果があったとすれば、新種の環境汚染物質24個が他の場所に移されたことだろう。これは、リヴァー・ユートピアに向けた無言の強要が終わったことを意味しない。強要の内容は表面的には人を馬鹿にするような花の植付けだったが、本当に欲しがったのはリヴァー・ユートピア計画という魅力的な悪女であり、父の葬儀には、無関係な衆院議員野呂田芳成、県議菅原昇と鈴木洋一の弔電が来た。9月末に行なわれた市民グループとの長木ダム代替案の協議会には寺田典城知事本人が多忙なスケジュールを縫って出席した。リヴァー・ユートピアは、それらの行為の意味を理解した。しかし、黙って薄汚い手を差し出して何かを期待しても敗戦後のような優しい反応はない、ということをHHJは教えた。 将来の日本人の幸せを願うのかどうか? 長木川上流社会特派員 ダレナニ ☆ 1 兼子仁 著 岩波新書 参考 ▼ 大町花壇24個が長木川縁に棄てられた理由 HHJ VOL.752000.8 ▼ 敗残の無法地帯 大館市 HHJ VOL.76 2000.10 ▼ 農地転用事件に関するHHJ記事 HHJ VOL.58
1997.10 |
1995~
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リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated 2003.10.15
世界の片隅で 概略 5 大町ライブ・スポット住民監査と報道機関の責任 ★HHJは1998年3月5日付けで大町ライブ・スポット〈フェニックス〉の不正について簡潔な住民監査請求書を提出した。1993年度(平成5)から1997年度までの大館市の助成事業中小商業活性化事業の補助金約415万円中小小売商業環境整備事業の補助金350万円の賠償を小畑元市長以下の関係者に求める、その理由は、地方自治法232条2(寄付または補助の公益性)に違反して、大館市補助金適正化規則11条に該当する次のような事実が認められることである。 1
中小商業活性化事業の交付条件である伝統芸能が行われたという証拠がない。 2
ライブ・スポットの利用可能な曜日を週末の3日間だけに限定した。 3
ライブ・スポットの利用料はすべて管理運営を委託されている楽器店〈ムジーク〉の収入である。 4
管理運営を委託された楽器店は、店舗が末広町にあった平成8年10月までにロック演奏中心のライブ・スポットと同一料金(1時間2000円)で楽器店の奥を密かにロックの練習場所として貸していた。 5
市商工課(課長長岐利堅)は管理人の不正な管理運営を知っていた。 [これには整備事業の要綱違反も含まれる。第三者に運営を委託する場合事前に市町村長の承認を得ること、市町村長は承認の前に知事の同意を得なければならないことを定めている。秋田県商政課は〈大館市の場合はこれ(規則)に該当しない〉と回答した。] 大館市は広報と地元紙への情報提供に際して上記の管理運営に一度も触れなかった。良識ある市民に対するこのような欺瞞は地方自治法148条(事務の管理および執行)に背き、期限を過ぎた監査請求に正当な理由を与える。5月1日浜松和平・田畑喜志雄・伊藤毅市議による監査結果は〈棄却〉だった。しかし、民間業者が補助事業施設の収益を懐に入れることについては無視できないと諦めて、地方自治法が定める総計予算主義の原則になじまないと判断した。これは平成8年是正を指導して改善されたというが、大町商店街振興組合の明石国昭理事長本人がそんな理想的な事実は全然なかったことを証言している。〈管理人費は文書にない。〉 この大館市監査委員事務局(事務局長長谷部明夫)への住民監査請求は読売新聞の増田真郷記者が積極的に取材して、秋田版で報道された。新進のジャーナリストはスタジオとHHJについて深い興味を持ち、大館橋のそばにあるアトリエを訪問した。朝日新聞と毎日新聞はいつものとおり民主主義と法制度の実態に対する問題意識とマス・メディアの役割の正しい自覚がないことを市民に教えた。地方自治法が監査結果の公表を義務付けていても、それに協力する責任は引き受けない。★ 高い授業料で 長木川上流社会特派員 ダレナニ |
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リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated 2003.12.16
世界の片隅で 概略 4 角館〈西宮家の蔵〉疑惑 ☆大町ライブ・スポット〈フェニックス〉の開設には、中小小売商業環境整備(タウンアレンジ)事業の県間接補助金と市補助金が用いられた。県商政課は当初予算で2,500万円の枠を設定して、補助を希望する市町村に割り振ることにした。能代市(410万円)、本荘市(395万円)、鷹巣町(170万円)、森吉町(330万円)。問題の角館町の予算だが、1996年10月のHHJ52号は県商政課の口頭による当初予算額が315万円で、町の商工会の返答では310万円と書き記した。角館町に問い合わせて予算書で確認してもらうと、12月補正で300万円だった。6月補正で八郎潟町には500万円、鷹巣町には30万円の増額があったので、合計2,135万円。大館市は9月補正で350万円だから、15万円がどこかに消えている。 〈西宮家の蔵〉は、1993年3月県のパンフレットにタウンアレンジ事業の具体例として構想段階で載るほどだから、価値のある事業だと考えられていたようだ。しかし、計画の目玉〈ライブハウス〉は、どんな理由があったのか、最終的には作られなかった。1998(平成10)年4月の県商政課の回答書によれば、〈事前の協義では「土蔵改造によるライブハウス」を予定しておりましたが、角館では観光地としての地域特性を活かしながら商店街の活性化を図るという考え方により、「ミニイベントハウス&ミニ資料館」に計画を変更〉した。結構な理由だが、角館町の職員と関係者はタブーのようにその経緯に触れるのを嫌う。県の補助については1995(平成7)年7月総務課職員が〈当初予算で付いたかどうか分からないが、たぶんそうだと思う。県庁に聞いてくれ。〉戸沢清議長は〈取り込んでいますので…母が病気なので〉という口実で取材を拒否する〔2〕。1998(平成10)年3月と7月総務課と企画財政課は1993(平成5)年度当初予算の関連する項目のコピーを送ってくれという要望に対して、とぼけた返事しかよこさない。 12月まで県の補助予算額の決定が遅れた間に何が起きたか? タウンアレンジ事業の予算配分は、6月補正の時点で残り650万円だった。配分が決まっていないのは、県のパンフレットが広く構想の宣伝をした角館町と5月にそれと対抗するようにライブ・スポット構想を公にした大館市。県の補助金交付要綱では県の補助率は市町村の補助金と組合の予算の総額の3分の1以内と定められ、したがって、変則的な八郎潟町と角館町を除いてだいたい3分の1づつの割合である。残り650万円は、仮に大館市のライブ・スポット計画と角館町のライブ・ハウス計画取り止めがなければ、6月補正で角館町補助金と同額の配分が決定されたはずだ。角館町商工会は100万という異例の《幻滅した》予算ではなく、おそらく予定どおり総額の3分の1の予算を出していただろう。 佐々木喜久治知事は、8月2日付けで〈間接補助金〉350万円交付決定の〈内示〉を、あろうことか、大館市に対して行なった。後追いの大町ライブ・スポットの開設資金として、だ。佐々木知事は行政責任を省みることなく、角館にはミニ新幹線〈こまち〉が来るから大町さ金分けてやれや、とでも言ったのか?喜んだ大館市商工課は、原義書によれば8月4日付けで知事宛てに〈補助金交付申請書〉を送った。16日付けで知事から交付決定通知書が届いた。県の間接補助金がなければ、市町村は単独で予算を出すことができないので、大町商店街振興組合の明石国昭理事長は8月30日付けで補助金交付申請書を大館市に提出した。小畑元市長は9月定例市議会で350万円の補助金交付を決め、県の間接補助金と合わせて700万円が開設工事に使われることになった。音響器材は楽器店〈ムジーク〉から約239万円で購入した。大部分が中古品と契約書に記されているが、これは楽器店が半年足らずで経営に失敗したライブ・ハウスの器材だからだ。灰の中から蘇るという伝説の鳥の名を付けたこのライブ・スポット〈フェニックス〉は、11月初め大気汚染で弱りながらも派手に飛び立った。 〈西宮家の蔵〉には県補助金の残り300万円が来ることになった。しかし、角館町は9月定例議会で〈西宮家の蔵〉の改造事業に町補助金をいくら出すか、決定していない。議会で紛糾したか、それとも別の新しい計画が固まっていなかったか?いずれにしても、〈西宮家の蔵〉は翌年の雪解けまで開かれなかった。その後も、角館町は買収した大正時代の建築物西宮家の利活用をめぐり揺れ動き、さきがけ新報が奇妙なほど関心を示した。1997(平成9)年10月30日高橋雄七町長は第3セクター〈西宮家〉を設立して、約1億4千万掛けてショップ・レストラン・展示施設などに大改造、翌年3月21日オープンした。以前と同様にイベントハウスの性格も持った観光施設である。 古い武家屋敷〈西宮家の蔵〉問題には、暗い背景がある。秋田県がその事業を宣伝した5年前、1987年5月3日兵庫県西宮市で朝日新聞阪神支局襲撃事件が起きた。記者一人死亡、一人重傷。犯人は捕まっていない。その記憶は〈西宮家の蔵〉の計画当時まだ生々しかった。民主主義をせせら笑ったテロ事件は、同じ西宮という名の地下通路を通って、あるメッセージに変わることができた。だからこそ、この改造計画は政治権力が思いつき強制的に始めたのではないか、という疑惑が起こる。 角館町商工会の某氏は、1996年8月HHJ編集長に対して電話の向こうで小京都の昔話をしてから、警戒心をやっと解いてこう打ち明けた。〈西宮家の蔵は、住んでいた人がよそに行ったので、改造しました。観光客が多いと、生活する者には、困ることも多いんですよ。〉西宮家の屋敷は観光コースの武家屋敷通りから離れているが、その観光客が頻繁に行なった生活妨害とは何だろうか?
この疑惑についても、ネットワークを誇る朝日新聞はHHJの情報を受け取りながら関心を示さなかった。西宮市でのテロ事件との共通項に焦点を合わせれば、犯人の逮捕と真相解明につながる追及ができる組織なので、その臆病さあるいは理由の知れない狡猾さは、控えめに言っても、暴力に奉仕するジャーナリズムであるという事実をみずから証明している。☆ La
vie,life=生命、生活、人生 長木川上流社会特派員 ダレナニ 注; この概略5はFDのオリジナルが見つからなかったので、掲載の順序が概略4の後になった。大した違いはないと思う。 1
1994年開業当時の角館町観光パンフレット。 2
1993年当時は副議長の椅子にあった。議長は佐々木章。 |
3月 当初予算 6月 補正 9月 補正 12月 補正 組合 能代市 県 410 市 410 410 本荘市 県 395 市 395 395 鷹巣町 県 170 +30 町 170 +30 200 森吉町 県 330 町 0 330 440 八郎潟町 県 0 500 町1,100 950 角館町 県(315?) 300 町(0?) 650 100 大館市 県 0 350 市 0 350 350 計2,485万円 *県補助率は要綱で県+市+組合の予算総額の3分の1以内と決められている。
☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated 2003.8.13
世界の片隅で 概略 3 マーク塗装は大館市当局の要望 ★誰が大文字マークを大館橋勾欄に塗るように命令したかと問われれば、大館市長小畑元である、とHHJは答えざるをえない。その根拠は、こうだ。 大館橋補修事業から2年後の1995年10月23日電話によるHHJの質問に、北秋田土木事務所道路維持係の猿田明善主査は、〈補修を始めた方との「バランスが取れない」という批判があった。市当局からの要望だったと思うが〉と答えた。何が問題なのか、主査は自分で記憶のファイルから認識を組み立てる余裕がなかった。無邪気なと思われるこの回答は、《幼稚園児の塗り絵》に対して憤る市民と県事業への無関係を装いたい大館市当局を動揺させた。浅野允課長補佐が、塗装工事終了後に車で通って初めてマーク塗装の事実を知ったと主張したのは、必然的な成り行きである。〈規則違反でないので、何も言えなかった。〉しかし、マーク塗装計画の主謀グループはその事業の入札記事が地元の北鹿新聞と大館新報に載ったことを忘れていた。前者は下流側の補修事業とともにその突発的な塗装事業の内容を短く伝えている。〈上流側の高欄についても、県単事業として、大文字の「大」の文字を描く予定という。〉新聞を読まなかったか、というHHJの質問に対して、浅野允は否定の言葉を返した。購読紙を各部局に備え付けるのは予算の無駄遣いだということである。補修事業担当者の自己正当化はさらに続き、市は自治体の中で行なわれる県事業のことは全体額の他は何も知らされない、と繰り返した。しかし、地方自治法と施行令では事業の緊密な連係と予算の要領の公表が義務付けられているので、それは妄言という他はない。1998年8月浅野允は問い詰められて、嘘を認めた。 1999年1月HHJの質問要望書に対する小畑元市長の回答書は、浅野允建設部長の弁明を文書にしたものにすぎない。〈大館橋マーク塗装は、要望書にあるとおり県が施行したもので本市の管轄外であり、… (略) …本市ではその内容を把握しうる立場になく、本市に権限や責任が及ぶことではない〉したがって、その問題を市議会に上げて市長と土木課の責任を明らかにする意思はなく、秋田県と県議会に真相解明を求める意見書を提出する意思もない。だが、しかし、地元の自治体には権限や責任が及ばないという勝手な認識を持っていれば、市当局が県の出先機関に何を働きかけても法律の網にはかかるまいと考えたくなるだろう。大館市と小畑元市長は、表面的には法制度の欠陥の被害者だから、安全は保障されている。この推論を強めるのは、1993年当時の佐々木喜久治知事は戦後専制的な知事として知られた小畑勇二郎が副知事に据えたことから、甥の小畑元との間では義理と法制度の弥治郎兵衛だったということ。現実離れした非常識な手法がリヴァー・ユートピア妨害工作のもう一人の重要人物野呂田芳成衆院議員が防衛庁長官だったとき1999年3月北朝鮮の不審船が能登半島沖で領海に侵入した脅迫事件と相似形であるということだ。 ★ サスペンス小説の真似 長木川上流社会特派員 ダレナニ |
REVIEW
もっと詳しく知るための参考記事 2001年4月 VOL.79
☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated 2003.6.8
世界の片隅で 概略 2 大館橋勾欄に塗られた奇怪なマーク ★大館橋は昭和11年建設され、街の中央を流れる長木川に優美なバルコニーを浮き上がらせて、人々の愛着を誘った。敗戦後の暗い時期においては、《永遠の希望》のように映った。しかし、自動車の通行量が増えた70年代末上流側に歩道を作り、その勾欄はスチール製の規格品に代えられた。一方の古い勾欄は大気汚染による風化でコンクリートの剥落が激しくなると、管理する秋田県が大館市の要望を受けて補修計画を立て、1993年3月国の補助事業として承認された。1億7千万円の予算で3年継続の長期的工事である。認可申請と詳細委託設計は、北秋田土木事務所の話では順調に4月と6月行なわれ、7月には工事に着手できるはずだった。これは入札したショーボンド建設の社員が証言している。 リヴァー・ユートピアは、HHJ5月号で米代川ドキュメンタリーの撮影予定日を8月上旬と発表していた。予期しない連絡が北秋田土木事務所に入ったのは、それから遅くても2か月後のことらしい。下流側勾欄の白鳥と杉の図案のパネルを請け負った秋田ディックライトの話では、7月に営業所長が上流側のマークのデザインについて相談を受けた。補修事業の担当者猿田明善主査の話では、〈補修を始めた方との「バランスが取れない」という批判があった。市当局からの要望だったと思うが、記憶が定かでない。〉大館市は、それについて直接反論したことがないが、土木課の浅野允課長補佐はマーク塗装工事の実施を終了後に偶然知ったと答えた。 《匿名の要望》はたったの一言で上流側勾欄に鳳凰山の大文字マークを付ける塗装工事を決定した。小田内富雄所長と補修事業の担当責任者である薄葉茂課長補佐(道路維持課)は、県庁土木部に報告して許可をえる義務を怠った。県議会の承認と建設省の許可がなければ道路法に違反する追加変更であることを認識していたからに他ならない。安部塗装店の塗装工事費約75万円は橋梁新設改良費から流用する。 こうして、米代川ドキュメンタリー完成を狙った大館橋破壊計画が整った。しかし、リヴァー・ユートピア・チームは秋田県境に入る前にヴィデオ・カメラが故障したために撮影制作を延期しなければならなかった。 タイミングは外れたが、9月7日入札が行なわれた大館橋の事業は、7個並んだマークの稚拙さと約150mのコンクリートの破壊作業で十分に環境テロと呼んでいい効果を引き起こした。そして、後者の工事は1月橋の半分だけで中断した。この危険な橋に対する住民の不安と疑惑は7月の工事再開まで続く。遅れたのは(細川護熙連立政権から羽田孜連立政権に代わるまで)国が県の予算要求を理由もなくはねつけたから、と北秋田土木事務所は1996年2月HHJに説明して、〈あいまいな手続き〉を謝罪した。〈軽い気持でやってしまった。やましいものではない。〉 ★ 大館市の県議らは完全に知らん顔だ 長木川上流社会特派員 ダレナニ 1
事業当時の勾欄はクリーム色。騒がれて、チョコレート色にかえた。 |
大館橋
☆特派員報告☆
リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated
2003.2.14 世界の片隅で 概略 1 スタジオ閉鎖と大町花壇の移送 ★大館橋のそばにあるアトリエの半地下室を〈Half and Half〉と名づけて、あらゆる芸術活動の場を創設したのは1986年の7月だった。スタジオを作り上げたのはロック好きの高校生たちの情熱で、次々とロックバンドが誕生して90年前後には〈パーティ・ライブ〉の最高潮を迎えた。 1992年12月、地域民の夢が実って大館能代空港の建設を国が認可した。これは北秋田地方で勢力を振るう野呂田芳成衆院議員と空港建設運動の中心大館市の小畑元市長が、ともに建設省の元官僚だが、権力を増幅させるバネになった。翌年1月中旬、〈パーティ・ライブ〉に音楽機材を貸して稼いでいた楽器店〈ムジーク〉が突然のようにライブハウスを開業した。HHJはそのライブハウスが芸術の繁栄に反すると判断して、ロックバンドの卵が育つスタジオの〈一時閉鎖〉を決めた。ライブハウスは高校生たちに嫌われて、すぐに愛らしい閑古鳥が鳴く状態に陥った。秋田県の佐々木喜久治知事は流行に乗り遅れまいとライブハウスを兼ねた角館町の〈西宮家の蔵〉改造計画に650万円の予算を割り当て、3月広く県民にアピールした。一方、HHJは地域での孤立的な状況を悲観して、逆転のリヴァー・ユートピア構想を練り上げた。川の全体像を認識して川から街を見つめ直す自然環境保護運動、その手段としてリヴァー・ドキュメンタリーを川の気持になって制作すること。そして、5月公表した。この中には〈川をきれいにするだけではなく、花や樹木を川縁に植えて潤いのある美しい風景を作る。橋に花壇を作って花を飾る〉というプランがある。同じ月、大館市の中心街大町は活性化と楽器店の経営立て直しのため秋田県と市の補助金で大町ライブスポット開設の計画を始動させた。 リヴァー・ユートピア妨害工作は、7月に入って表面に現われた。日付を確定できないが、大館市土木課の大高健一土地改良係長(当時)によれば、大町商店街振興組合(明石国昭理事長)から商店街のコンクリート製花壇24個を〈寄贈〉する申し出を受けた。大高健一は、それを長木川公園に運んで設置するよう指示した。規則では都市開発課公園緑地係が担当して、寄付を受け入れられると認めれば、その文書を作成して市の財産にしなければならない。それから、北秋田土木事務所に報告して花壇設置の了解を得なければいけないのだが、大館市の職員は義務をすべて怠った。花壇24個は建設会社イトウの下請け業者がクレーン付きトラックで運んだ。この花壇は、新聞が大町の慈善行為を宣伝しようとしなかったので、なおさら市民には一種の謎のような存在だった。HHJは1999年10月調査を開始して、11月スタジオで遊ぶ高校生が送り届けた雑誌の愛読者だった小畑元市長に真相解明の要望と質問書を送ったが、反応はなかった。この黙殺ほど無気味で疑惑を掻きたてるものは、そうないだろう。こうして花壇は2000年7月HHJが住民監査に訴えるまで不法投棄の状態で公然と市民生活の真ん中に放置され続けた。
これは新種の環境汚染ですね 長木川上流社会特派員 ダレナニ 調査記事を読んでみる ■ 花壇を移すという行為 / 狂った機械装置から駄目な製品が |
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☆特派員報告☆ リヴァー・ユートピア妨害工作 Updated 2003.4.8 フィクションを破る勇気 ★2002年9月5日は戦後民主主義のフィクションを紙切れのように破り捨てた一日だった、と人々はいずれ振り返るにちがいない。大館市定例市議会で仲沢功議員は一般質問で外部監査条例制定を希望して、大町花壇24個の長木川公園への不正移送問題を闇から眼前に引きずり出そうと努力したのである。その役割をHHJが期待していた石垣昇市議はまだ病室から出られる容態ではなかった。議事録から引用しよう。 ▼公金が正しく使われているかどうか監査制度があります。地方自治法は平成9年に一部改正を行い、地方自治法第242条で外部監査制度を新たに設け、首長や職員の違法もしくは不当な公金の支出などを監査委員に監査を求めて、違法な行為の防止や是正を請求することができるとあります。これは従来の地方自治法75条の監査の請求、すなわち50分の1の有権者の署名で監査委員に対して自治体の事務の執行について監査請求をする制度、住民の直接参政の一つの手段としてありましたものよりも厳しくなったと言えると思います。新たな制度は、242条に基づき252条で現在の監査委員にかえて契約に基づく監査をすることができると規定されております。この一部改正から5年がたっておりますが、大館市は設置義務がありませんので、まだなじみが少ないわけですが、今後の市民の関心の増大によっては対応するべきなのではないか。特に職員一人一人にも、自治体の財産を過って処分した場合、この監査制度で対応しますと損害補てんもできます。職員の責任も大きくなってきていると思います。ちなみに設置義務団体は秋田県と中核都市である秋田市で、ほかに森吉町・鷹巣町・合川町が任意で条例を持っております。条例を作ったからそれでよしではなく、どう活用すべきか検討が求められております。自治体の業務に対して市民から大きな関心が示されている今日、議会のチェック機能とともに監査委員制度の充実・強化は当然であります。この外部監査制度についても大館市役所内外で議論を巻き起こしてもよいのではないかと思います。大館市議会に陳情書が提出され担当委員会で審査されておりますが、タイトルは「外部監査制度条例の制定」でよいのですが、外部監査制度についての認識が間違っているほかに「大館市議会はチェック機能を果たそうとする意欲がなく、市民の不信は限界を超えている」と指摘されております。その指摘がどうかは別にしましても、もっと有意義な議論が必要と思います。市長の考えを伺うものです。 この陳情書とは、HHJが2001年11月27日提出した〈外部監査条例制定のための協議会設置の陳情〉のことである。議会事務局がタイトルを書き換えたのは、呪術的な傷害行為のように感じられる。日景比内議長と仲沢功市議がそれを是認したのは恐怖心からだろう。質問が核心に触れないのは、やはり同じ理由だ。HHJは要望の重大さを考慮して請願の形式にしたかったが、依頼を受けた新政会が婉曲的に拒否、共産党は長木ダム建設反対運動当時から大館橋マーク塗装問題と大町ライブ・スポット問題に関心を示さないので、市議の保証のない陳情になった。12月定例市議会で総務財政委員会は〈閉会中審議〉とした。休憩中の立ち話は市民にとって残念なことに記録に残らない。委員長の中村弘美市議によれば、〈陳情書を読んで、みんなで話し合いをした。時代の要請はもっともだ、と。〉地元新聞と秋田県の宣伝係魁新報は自由を口実に黙殺していた、その陳情書の全文を載せる。 ▼地方自治法は、自治体が外部監査条例を制定できることを定めている。これは第242条の住民監査制度の欠陥を補うために効果的であり、秋田県も食糧費問題の反省から条例を作り民主主義的な開かれた行政の実現のために努力する意思を広く県民にアピールした。しかし、大館市の行政機関においては、残念ながら条例制定に向けた動きはない。市議会がルールを定めるという本来の役割を自覚して、積極的に住民の期待に応える条例を作るべきだと考える。 雑誌〈ハーフ アンド ハーフ ジャーナル〉は、2000年7月26日大町商店街の花壇を大館市が正規の手続きを経ないで長木川公園に移した問題で住民監査請求をしました。監査委員の結論は〈却下〉でした。 1
監査委員は地方自治法第242条が定める監査の対象を歪曲している。〈財務会計上において〉と範囲を金銭処理だけのように狭く限るが、財産の取得・管理・処分及びそれらを怠る事実をも包括することは明白である。 2
監査委員は第242条が定める住民監査の手続きを無視した。 @ 要件審査の段階で文書の誤りなどの補正指導をしない。 A 要件審査をパスした後の意見陳述と思い込ませて、結論の通知書では〈要件審査〉と変えて、住民監査の事実の公表を回避した。 B 結論で、〈刑法による判断や市長などの管理及び指揮監督の義務を怠る無責任な態度など〉には住民監査は及ばないと決めつけるが、農地転用問題の住民監査でも見たとおり、そのような批判はむしろ本来の目的である。このような住民監査は一例に過ぎない。民主主義憲法と住民自治の理想が少数の人間に壊されていることは明らかであるが、市当局と市議会はチェック機能を果たそうという意欲がないので、市民の不信は限界を超えてしまっている。人間の弱さや愚かさの流出汚染を未然に防ぐことが難しければ、外部監査制度で少しでも市民生活へのダメージを減らす安全装置が必要である。 小畑元市長は、仲沢功市議の演説に対して消極的にこう答えた。 ▼本市におきましては監査委員は通常の会計監査のほかに行政監査等を積極的に実施しており、住民監査請求においても厳正な監査がなされていると認識しているところでありますが、議員ご提案の外部監査制度を含め監査体制の充実・強化につきましては、議会・監査委員等のご意見もいただきながら検討してまいりたいと考えております。 とはいえ、小畑元市長は1999年9月大町花壇問題の事情聴取と真相解明を求めたHHJの要望を黙殺した。寄付されたという花壇を公式に大館市の財産にする手続きを取らなければならないはずだが、そうしないで不法状態のまま使用し続けている。監査が厳正であると認識したなら、HHJの再度の要求と疑問に答えて少なくとも市長の無責任で陰険な印象を止めるべきだった。議会で具体的に大町花壇問題を例にあげて弁明するベきだった。真実は、その住民監査の結論にも小畑市長自身の威嚇的な声が刻まれていたということだろう。 9月定例市議会は、予期したとおり〈不採択〉と決定した。援護してくれた総務財政委員の仲沢功市議は、議会で打ち明けたことだが、鈴木宗男議員の大学の後輩だそうである。4月の市議選には立候補しない。★ ねじれた関係? 長木川上流社会特派員 ダレナニ |
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