犬猫の病気
パートナー(家族の一員)として大切なワンちゃん、ネコちゃんに病気を寄せ付けないように飼い主が十分気をつけて予防してあげましょう。
かわいいワンちゃん、ネコちゃんの生命を脅かす感染症はたくさんありますが多くの感染症が混合ワクチンの接種や内服薬で予防できるようになりました。
その為に気をつけなければならない主な事柄の概要を紹介します。
犬編
病名 | 原因 | 予防法 |
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狂犬病 | ウイルス | 年1回のワクチン注射 |
犬パルボウイルス感染症 | ウイルス | ワクチン |
犬ジステンパー | ウイルス | ワクチン |
犬伝染性肝炎 | ウイルス | ワクチン |
犬アデノウィルス2型感染症 | ウイルス | ワクチン |
犬パラインフルエンザ感染症 | ウイルス | ワクチン |
犬コロナウィルス感染症 | ウイルス | ワクチン |
レプトスピラ症 | 細菌 | ワクチン |
フィラリア症 | 寄生虫 | 月一回の内服薬 |
種類 | 内容 |
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狂犬病 | 狂犬病 |
2種混合ワクチン | バルボ+ジステンバー |
6種混合ワクチン | 上記+犬伝染性肝炎+犬アデノウィルス2型+犬パルボウイルス+犬コロナウィルス |
8種混合ワクチン | 上記+レプトスピラ(2種) |
狂犬病 |
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狂犬病は感染犬に咬まれてうつる伝染病です。現在、日本では殆ど発生は見られませんが世界の多くの国で報告があります。発症しますと犬も人も死に至り確実な治療法はありません。狂犬病予防法により年に1回必ず予防注射を受けなければなりません。 |
犬パルボウイルス感染症 |
パルボウイルスによる急性伝染病で、1978年にアメリカに出現して以来、急激に世界中に拡がりました。このウイルスは大変強く、一般の消毒、殺菌剤は効きません。免疫のない子犬が突然死してしまう心筋型と、激しい下痢や嘔吐を特徴とする腸炎型があります。母犬からの免疫のきれる期間が最も感染の危険性が高くなります。この期間は子犬によって生後3週間から4ヶ月とまちまちなので、ワクチンの回数を検討する必要があるでしょう。成犬での感染は、早めの治療により生存率が高くなってきています。 |
犬ジステンパー |
犬のかかる恐ろしいウイルス病の代表で死亡率が極めて高い病気です。感染力が大変強く病犬から直接はもちろん、食器などから間接的にうつることもあります。発熱、激しい咳や下痢、神経症状などが起こり、全身がおかされます。生存した場合でも、いろいろな後遺症が残ってしまうでしょう。 |
犬伝染性肝炎 |
犬アデノウイルスには1型と2型の2種類あります。 1型は、肝臓の痛み、嘔吐、下痢、突然死、角膜が白く濁るなどの症状を示す犬伝染肝炎を起こします。 2型は、肺炎や扁桃腺炎などの呼吸器病を起こします。 2型ウイルスで1型の犬伝染性肝炎も予防できることがわかっており、最近は2型ウイルスによるワクチンが主流となっています。 |
犬アデノウィルス2型感染症 |
発熱、クシャミ、咳など気管支炎、扁桃炎を起こし、他のウイルスや細菌などの混合感染によって症状が重くなります。 |
犬パラインフルエンザ感染症 |
単独感染よりも、犬アデノウイルス、ポルデテラ、マイコプラズマなど、色々な病原体と混合感染して「ケンネルコフ」と呼ばれる呼吸器病になります。伝染性が非常に高く、空気伝播によって感染し、気管や肺に炎症をおこします。激しい咳が特徴です。 |
犬コロナウィルス感染症 |
下痢、嘔吐などの腸炎を引き起こします。パルボウイルスと混合感染すると症状は一層重くなります。 |
レプトスピラ病(黄疸出血型・カニコーラ型) |
レプトスピラ菌によって腎臓や肝臓がおかされる人畜共通の恐い伝染病です。 2つのタイプがあります。 黄疸出血型は黄疸、嘔吐、下痢、歯ぐきの出血などの症状が起こり死亡率も高い病気です。 カニコーラ型は高熱や激しい嘔吐、下痢、脱水症状や尿毒症が起きて死亡するケースもあります。 |
犬フィラリア症 |
フィラリアは心臓に寄生する15~30cmの寄生虫です。この虫は蚊に刺されて感染します。フィラリアが寄生していても2~3年では症状は出にくく、発症した時点では心不全を起こし手遅れになります。蚊の発生する前に血液検査をして、5月末から12月まで毎月1回の投薬で確実に予防できます。この薬はフィラリアの幼虫駆除剤ですので1ヶ月先を予防するのではなく、寄生した幼虫を1ヶ月後に殺す薬です。
最近では、1回の注射で6ヶ月間有効なものも出来ています。 ※当院では注射は扱っておりません |
猫編
病名 | 原因 | 予防法 |
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猫汎白血球減少症 | ウイルス | ワクチン |
猫ウイルス性鼻気管炎 | ウイルス | ワクチン |
猫カリシウイルス感染症 | ウイルス | ワクチン |
猫白血病ウイルス感染症 | ウイルス | ワクチン |
猫フィラリア症 | 寄生虫 | 月1回の内服薬かスポット剤 |
種類 | 内容 |
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3種混合ワクチン | 猫汎白血球減少症 猫ウイルス性鼻気管炎 猫カリシウイルス感染症 |
猫白血病ワクチン | 猫白血病ウイルス感染症 |
猫汎白血球減少症 |
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白血球が極端に少なくなる病気で、パルボウイルスという小さなウイルスが病原体です。 感染すると、高熱、嘔吐、下痢が始まり、脱水症状が起こります。のどが麻痺して自分で水が飲めなくなってしまうので、体力のない子猫は1日で死に至ってしまう恐い病気です。 |
猫ウイルス性鼻気管炎 |
ヘルペスウイルスが病原体です。咳、発作的なクシャミ、40度以上の発熱が主な症状です。始めは鼻ミズや目ヤニが出ます。症状が進むにつれ食欲がなくなり下痢、脱水症状が起こります。放っておくと肺炎を引き起こし、死亡するケースもあります。子猫だけでなく、成猫にも感染します。妊娠猫だと流産することがあるでしょう。 |
猫カリシウイルス感染症 |
始めはクシャミ、鼻ミズ、発熱など猫ウイルス性鼻気管炎に大変よく似ています。症状が進むと舌や口の周辺に潰瘍ができます。また、2次感染が起こると肺炎を併発して死亡するケースもあります。この2つの病気は混合感染し発病することが多いので、普通1つの病気として対処する方法がとられています。 |
猫白血病ウイルス感染症 |
感染猫との接触(けんか、同じ食器の使用等)により感染しますが、感染しても発病(潜伏期間が数ヶ月から数年)するまでは健康な猫と見分けがつきません。発病しますと死亡率8割以上の恐ろしい感染症です。 |
猫フィラリア症 |
感染すると心不全のため突然死してしまいます。犬とは異なりミクロフィラリアが血液中に出ないので、投薬前のフィラリア検査の必要は殆どありません。 |
寄生虫について
寄生虫名 | 主な症状 |
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犬小回虫、猫回虫 | 沢山の回虫が寄生すると下痢、嘔吐、食欲不振になります。子犬、子猫の場合は、神経症や脱水症状になる事もあります。 |
条 虫 (瓜実、犬条虫、猫条虫、マンソン裂頭条虫) |
人で言うサナダ虫と同様に沢山の体節を持った寄生虫。 無症状の場合が多いのですが、下痢や胃腸障害が起る場合があります。吐出したり、肛門から切れた体節が出てくる事があります。瓜実条虫はノミが媒介するのでノミの駆除も一緒に行う必要があります。 |
壷形吸虫 | 下痢を起します。子猫の場合は、血便等の酷い下痢を起し脱水症状が起ります。 |
コクジウム | 原虫の仲間。 腸の細胞に寄生。下痢、食欲不振で痩せていきます。原虫を持っている猫の排泄物が口に入ることで移ります。 鳥やネズミ等を口にすることで移ってしまう場合もあります。 |
ジアルジア | 原虫の仲間。 同上のコクジウムと同じ症状が起ります。 |