電卓業界ただいま異変
日本計算器が倒産!!
過当競争・モノ不足響く
(朝日新聞 昭和49年(1974年)3月1日(金曜日)付け)
電子式卓上計算機業界の値引き競争とモノ不足の影響を受けて、電卓の中堅メーカーである
日本計算機(本社大阪府茨木市、資本金4,940万円小島義雄社長)とその販売会社であるビジコン
(本社東京、資本金1億5千万円、小島義雄社長)が28日倒産した。
成長産業である電卓業界で、一時は10%のシェア(市場占有率)を持っていた中堅企業が
倒産するのは初めて。業界では依然として過当競争が続いており、石油ショックによる
物不足や金融引締めが続けばさらに倒産するメーカーがでることも心配されている。
(中略)
日本計算器は戦後まもなく手動式計算機を生産し、30年代にはタイガー計算機に続きこの業界
第2位を占めていた。39年頃から電卓に進出、シャープ、キャノンなどと共に先発メーカーの
一つに数えられていた。46年1月には世界で初めてLSIを使った超小型の電卓を生産して注目された。
また海外事業にも積極的に進出し、米国、メキシコに現地法人の販売会社を設立したほか
米国ナショナル金銭登録機(NCR)などとも販売形態を結んでいた。
(後略)